どんつきを右に曲がって左のかどっこ

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大学に行ってきた。その4

さて、この 続き。

学食で昼食を終えた我々はいよいよ、先ほど地図で見た僻地にある薬学部の校舎に向かうことになったんだが、
2回目言うが、
その日はとても天気が良く、ってか暑すぎるぐらいで、カンカンに照り注ぐ太陽の下に立ってるだけで倒れそうだった。
だがそこで、師が信じられないことを言った。

師「ほんとに遠いからね?覚悟して。あと、道中、屋根がないから。木陰も一切ないしね」
私「え゛」

師「頑張って歩こう。あとで生協でアイスを買ってあげるから」
私「……。」



炎天下の中、私は無言で師の後を追って歩き続けた。


遠足。
もうほんまに「遠足」。
ゴールがまるで見えない。
後の「アイスのごほうび」なんぞに今、釣られているわけではない。
てか、私はそもそも甘いものを食わないので、
私は今、「師が何かを私に学ばせようとしていることについていきたい」だけで、この道を歩き続けている。


途中、「薬学部オープンキャンパス」みたいなポスターが貼ってあり、読むとその日はちょうどそのオープンキャンパスだかの日だった。
よって師が「空きがあれば僕らも行ってみるか」と言ったんだが、どうも締め切りは終わっていて当日受付はしてないようだった。

私「てか、当日受付してない言うてるけど、開いてましたやんね?オープンですやん、今www私らすでに入ってますしね、オープンキャンパスにwwwざっまあwwwww」
師「……オープンキャンパスっていうのは、そういうことじゃないんだよ」

なんか、校舎で模擬授業が受けれたり、先生や現役生による受験相談会とかしてもらえるそうです、オープンキャンパス。
ひとつ賢くなった。もう今からこの先、私が大学を受けることはないと思うけど。



話進んで。



そうして、なんかよくわからない医学部のでかい建物と無駄に広い空きスペースをぬうようにして歩き続けると、
突き当たりに少し光沢を帯びたグレー色のビルが見えたので、
「あれか!薬学部!」と思った瞬間、師が「あれだよ。薬学部の校舎は」と言った。

だが、師の指先はその近代的なビルディングではなく、そのトイ面の茶色がかったなんだか垢抜けないもっさい団地をさしていた。


私「違うでしょ!! あれは薬学部じゃないでしょ!学校の裏の団地でしょ!!」
師「びっくりしたろ?w」
私「いやあんなんぜったい大学の校舎と違うて!!あんなもん小汚い集合住宅じゃないですかwwww」
師「wwwww」



だが、それが事実だった。

薬学部は、「どう見ても古い団地」な校舎のイタましさのみならず、
校舎に渡る横断歩道のアスファルト(大学の私道)からしてヒビ割れだらけで、渡るのに若干へこむぐらいボロボロだった。

余談だが、
薬学部のトイ面にあるビルは医学部健康学科の校舎だそうで、師いわく「医学部やけどあんま相手にされてない学科」らしい。
まあ確かに、言うたら悪いがはっきり言うが「薬学部のトイ面に校舎がある」ぐらいだからそうなんだろう。
道中見てきた各学部各学科の校舎の占有面積や校舎の配置、造り、門構えなどから、なんとなく「序列」みたいなものがわかってきた。
ここは、この学校は、「医者になる学生」と、「医者になる人を支える大勢の人になる学生」の学び舎だ。
もっとはっきり言うと、「医学部医学科」と、「それ以外の学部」がある、学校。
中でも、工学部はちょっと威張りを効かせている異色感はあったが、でもやっぱり今ここは「医者になる学生」のための学校だ。


昨今よく耳にする「チーム医療」って なんだろう? と思った。

学生の頃からこんなあからさまな差をつけられていて、いざ現場に出て彼らは「チーム」が組めるものなんだろうか?
いや、もちろんそのチームのリーダーは医師なんでしょうけど、だが今ここは、この学び舎はよそ者の私が客観的に見て
「チームを育成する」ではなく、「医者(になる学生)は手の届かない存在なのですよ」を作りあげているように感じる。
こんなんで、ここで医療について学ぶ学生らは「自分が専門的に勉強をしてきたこと」を現場でそれぞれチームの一員として生かせるのか?
「その他大勢の人間は、神(お医者様になったあなた)には逆らえませんし、逆らいません」みたいなことにならないか?
まあ、「神」は大げさにしても、今ここで先もってこの環境によって植えつけられた「なにか気持ちの問題」で、そんな遠慮をしてしまわないのか?

そして逆に、

そうして「手の届かない存在」に仕立てあげられて医師になった学生らにしたら、
「このこと僕の専門分野ちゃうし正直わからへんから、専門の人、教えてください」って、言いづらくなるんじゃないのか?
何故なら、「現場出る前からなんかすでに別格として差別をされてきた」から。
学生のうちから「手の届かない存在」にされた彼らもまた彼らで、現場で孤独になるんちゃう?
泣き言も相談も、誰にも言えへんやん。そんなん、ばんばん孤独ですよ。違います?
そうなると、よほど精神力の強い人間でない限り、同じ境遇の身内(医師)同士で固まるしか、自分を守る術がない。


余談だが、
先の記事でちらっと書いた、その日の晩に師の紹介で一緒に食事をさせてもらった医師がこんなことを言っていた。
その医師は「薬のことは薬剤師がやったらいい」という考え方の人で、薬剤師である師とも考えに共通点が多いようで仲が良く、
でもそんなその医師ですら、こんなことを言っていた。

「薬剤師が処方箋を出してもいいと僕は思うんだよ。でもね、その時、なにかあった時、医師と同等の責任を負う覚悟が薬剤師にはあるのか?と。本当にその覚悟があるんだったら、どうぞやってくれ」


そうとうなプレッシャーを日々、ひとりで抱えてはるんやろなと感じました。

だったら、だからこそ、それをチームのメンバーで分けたらいい。
もちろん、仕事を分散することでミスが発現するおそれのある箇所は多くなってしまうかもしれないが、それについては歯止めを強化するなどして
とにかく、「一点集中」をやめないとそこの負担がでかいし、一方で、変な話、それは「利権」にもつながりやすいんじゃないか。




話戻って。



阪大(かりにも国立大学)の薬学部のすさまじさを、ざっと。


校舎外観→ 小汚い集合住宅。
校舎内装→ 昭和後期の公立高校のそれレベル。なんか貧乏くさい手書き・走り書きの掲示物がちょいちょい散見。
廊下→ 私の母校(公立中学校)の廊下にそっくりだが、それよりもさらに幅が狭い。
図書館→ 難しい図書もあったが医学部図書館の蔵書と比べると公民館レベル。黒い肘当てをつけたおっさんが新聞を読みながら番頭をしていた。「よそ者が入館してますプラカード」の携帯義務、無し。
食堂→ これまた私の母校(公立中学校)のプールの更衣室にそっくりのプレハブ小屋。たぶん、夏はそうとう暑く、冬はそうとう寒い。
校舎正面→ 一応、正面玄関なんだが、何故か校舎の裏側にある。誰も利用してない感が丸出し。ホームページ掲載用に増設された感が丸出し。その写真に映らないであろう死角に粗大ゴミ置き場有り。
屋外休憩所→ 日曜大工の得意なお父さんが「よーし!パパがんばって作ったぞ!」みたいなテーブルセット。屋根などは一切なし。
室外機→ 通常、見栄えを考えて屋上などにまとめるものだが、ひと部屋ひと部屋のベランダにいちいち設置。各研究室が経費節減を細かく言われていることが伺える。
校舎脇の花壇→ 空き地か田舎でしか見たことないぐらい大量の猫じゃらしが生え放題。


阪大薬学生 全力で支援wwwww
この学び舎で学ぶ おまえら なんか頑張れwwwwwww
てか、医療者目指すおまえら全員 なんか頑張れwwwwww




師が、かねてより、何か問題にぶち当たると
「医療は政治だから」とか、「環境が要因だから」とか、言うことに、私はずっと抗ってきました。

「そんなもんは言い訳ですわ」 と。

ただ、そうして実際に自分の目でそれを見てみると、やっぱりそれもあるのかなと思った。

私は高いとこからものごとを見ることが出来ないので、てか実際、高いところに自分が立ったこともないし、
自分が今いる下の立ち位置から、ずっとずーっと上の立ち位置にいる人らのやっていることを見ていて、

「なんであんなまどろっこしいことをしてはんのや?アホとちゃうか?」


と思うことが多い。

でも、それには「そうせざるを得ない理由」 …というか、「そうしなければ、ことが運ばない現状」があるんだと思った。
師が、私を阪大に連れ出してまで見せたかったことというのは、なんか「そういうこと」だったのかもしれないと思った。



ただ、私がひとつだけ思うことは


患者にとっては 「そんなこと」 関係ないんとちゃうか


そして、師もきっとそう思ってはるから、私をわざわざ阪大にまで連れ出しだしてくれはったんだろうと思う。



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  1. 2012/10/03(水) 23:55:26|
  2. どんつき(外出)

大学に行ってきた。その3

さて、 この 続きです。

私が師に「調べてほしい」とお願いしたそのとある成分の件について、師が調べてくれた文献を全部読んだが、
「天下の大阪大学生命科学図書館」を以ってしても、他の成分の研究と比べてそれを研究した文献は極めて少なかった。

私「なんで誰も研究しようとしないんでしょう?店にいて、ほんま相談されない日がないぐらいよう聞かれるんですけどね?」
師「医療者がそれに興味がないんだろ。それを研究するよりなんたらかんたら(←よくわからなかった)の研究でもしてるほうがカネになるじゃない?外科手術にも生かせるし」
私「そんなもんですか。患者自身は興味あるのにね?なんか変な話ですよね。誰のための医療なんでしょうね?…でも、うん、わかりました。ありがとうございました! 結論、『まだまだよくわかっていないことが多いけど実際にいいことも起きてる』 これは逆に販売の上で生かせますよね、持って行き方によって」
師「どういうことだ?」
私「だって、医薬品にも使われてるけど健食要素が大きいもの自体が『まだまだよくわかってないけどどれもそれぞれに効果はあるし出てるみたいよ』みたいな話じゃないですか。健食に健康促進を求めてくる客自体もまた『薬飲むほどに深刻には考えてないけどなんかいいのないか?』っていうセルフメディケーションの取っ掛かりみたいに相談してきはるし。これは需要と供給の一致。だから我々、情報提供者は『こうしてよくわかってないこともあるけどこんなふうなプラスの事例があるらしいですよ~』っていう、いま客が求めている需要つまりプラスの話について主に提供すればいい。いまより健やかになりたい気持ちって大切じゃないですか。客のせっかくそのやる気の芽を摘んではいけない。やってみて少しでもラクにならはるならいいじゃないですか。その意欲を手伝うのが我々の仕事。それで少しラクになったしせっかくやし、もっと具体的にラクになりたいな!って意欲的にならはったら、またそれに沿って具体的に医薬品に移行して提案していけばいいんですし」
師「そう来たかw ほんと、売る気満々だよな?www」

私「お客さまのお役に立てるね と言っていただきたい」
師「もう 特保はトーハンが売っとけやwwwww 薬剤師いらんやろwwwww」
 
 



てな感じで。



「本日の図書館での勉強」を全て修了し、

よそ者扱いの私が 「館内では常に首から下げておくこと」 を強要されていた入館許可証  

も、きちんと受付に返し、我々は図書館をあとにした。



時計の針は13時を廻っていた。


師は、「もうこのまま薬学部のキャンパスまで行ってしまう感じ」で考えておられたと思うが、
実は私は先ほどからずっとお腹が減っており、勉強中もそれを訴える体の声=腹が鳴りっぱなし、だった。
よって師に、
「ちょっとお昼ご飯食べません?だいぶお腹がすきました。なんかご飯食べれるとこありますかね?」
と言ったら
「じゃあ、学生食堂でお昼ご飯を食べよう」と師が言ったので、私は「えっ?」っと思った。
何故なら、師も私も「学生」ではなく「社会人のアラフォーのおっさんとおばはん」だからだ。


大人が 「学生食堂で飯食う」 とか ぜったい 浮くわwwwww
味噌汁入れてくれる食堂のおばちゃんにも なんか白い目で見られるわwwwww 




「もうこんなことになるなら弁当作ってきたら良かったwwwなんでそんな恥さらしみたいなことせなあかんのwwwいい大人がwww」
と私は思いつつ、だがゴーイングに行く師の誘導するまま、我々は学生食堂でお昼ご飯を食べることになった。



そして、そこでも私はまたもや「現実」を見た。



「カネのない学生のために設置された低料金の学生食堂」で 「いい大人」が ふつうに平気で飯を食っていた。 


私は思った。

口には出さなかったけど、思った。


いい大人のみなさんが 「学生向けの設定料金」 で まだ飯を食ってるんですかwwwww
もう学生じゃない大人が よう 「学生向け料金」 で 平気で飯が食えるよなwwwww
「武士は食わねど高楊枝」 って言葉 知りませんかwwwwww




母校の高校にも学食はありました。


だが、我が母校の学食は、
「なんらかの事情で家の人に弁当作ってもらえない子」や、
「頼んだら作ってもらえるけど弁当持ってくるのがなんかめんどくさい子」や、
「弁当作ってもらってもまだなんか食いたい運動部の子」などの救済施設だったので、
そこで、教師や大人が学生に混じって平気で飯を食うている という光景は見たことがなかった。

なのに、さらに、ここは今、我が母校(京都の公立高校)の学食でなく、国立大学の学食だ。

こんなことを言っては母校の恩師に「おまえwwwww」と怒られるかもしれないが、
京都の公立高校で働いてる、ないしは出入りしてる大人より、今この国立大学で働いてる、ないしは出入りしてる大人のほうがよほど稼いでるやろ。
って、時給パートのくせに何故かいまここに出入りしてる私が言うのもおかしいが、私みたいなんはたぶんかなり例外やろ。


あんたら ほんま せっこいなー???
どうなん それ???wwwwwww
しかも 大人の中でもちょっとは金ある部類の大人のくせに
まだ 「学生向け料金」で 飯を食いたいのか?wwwwww




だが。


ふと思ったんです。



ほな逆に、この構内で他に昼飯食うとこがあるか?


…。
……。
………。



ない。 



逆に、それを今求めるなら、いっかいこの敷地内から出ないといけない。
さんざん歩いてきた今までの道のりをまた歩き戻って、いっかいここから出ないといけない。
さらに、私が駅を降りてからこの近隣で見たものは、「病院の建物」と「大学の建物」しかなかった。「レストランらしきもの」はなかった。
ということは、
「働く大人の、だいたい1時間の昼休み」を削ってこの敷地内から出たとして、さらに飯食えるとこまで辿り着くにはどんだけ時間がかかるのか?


そんなことしてたら飯も食えずに昼休みが終わってまうわwwwwwww 



偏見はあかんな、と思いました。


自分がもう大人である私は、「学生のためのそこで飯を食う大人」に対する「偏見」を持っていたんですね。
「もう、学生と違うんやから(=もう、学生より金持ってるんやから)」 という、「金の有る無し」という偏った見方を私はしていたのだ。
だが、自分でそれを体験し、「その見方もあること」を知って、私の「それまでの偏見」は、払拭された。
私は「もうまたあの距離を歩き戻ること」より、「大人のくせに学生食堂で飯を食うこと」を、いま優先した。
何故なら、お腹もすいてる上にさっさと飯を食って、このあといよいよ「薬学部の校舎」に行かないといけなかったから。


学生食堂で 師が 「冷奴(単品)」 を 私に ご馳走してくれました。 


続く
  1. 2012/09/05(水) 01:04:00|
  2. どんつき(外出)

大学に行ってきた。その2

さて、 この 続きです。

とある薬剤師が「白い巨塔」と言った阪大病院の建物を見上げつつ、
師がそこの薬学研究室にいた頃の話などを聞きながら歩いていくと、その先が大学の敷地になっていた。
というか正確にいうと、「病院の横の中庭みたいなところを歩いているうちに、なんか大学に入っていた」。

「えー?なんで病院と大学がこんないつのまにか繋がってんの?境目的なものなかったやん。てか大阪大学ってこんな簡単に誰でも入っていいの?国立大学なのに?門番みたいな人はいないのか?」

とか思いながら、師に

「結局、今ここは病院なんですか?大学なんですか?」と聞いたら、師が
「大学病院と、大学」と、今いる風景のそのまんまを答えたので、逆に全然わからなかった。
そうして私が全然わかってないのを察したらしい師が、再度、建物に指をさしながら
「ようは、ここ(大学)の学生にとっての先生方はあそこ(病院)にいるんだ。臨床を学ぶにもなんにしても先生がいる病院が近いと便利でしょ?いずれ自分も病院で働くんだから」と説明してくれた。

確かに。
いや、でもここの学生のみんながみんないずれ病院で働くわけではないよな?
例えば、いずれ院外薬局やドラッグストアで働く薬剤師になる学生もここにはおるわけでしょ?

とか思っていたら、師がこう言った。


「そのうちわかるから」



そうしてものの2分ほど歩き、師に呼ばれてバカでかい構内全体の案内図を見た時、もう早速「そのうちわかった」時が来た。

師「今、僕たちがいるのがここね。駅を降りてこう入ってきた。ここから続くこの真ん中のぜ~んぶ、ここまでが、医学部の建物。少し離れたこのへんで、検査技師になる学生とかが学んでいる。看護師になる学生らはここで学んでいる」
私「薬学部はどこにあるんですか?」
師「ここだ」

と、師が指さした建物は、案内図のいちばん端っこの、うっかりしてると見落としそうな僻地に存在していた。
さらに面積でいうと、医学部がだいたい手の平を広げた大きさなのに対し、薬学部は親指の第一関節までぐらいの大きさしかなかった。


私「なにこの明らかな差別www こ れ は ひ ど い wwwww」
師「だろ?w」
私「看護学生の寮より遠いところに校舎があるとかどういうことwwwww」
師「そういうことw」
私「もしかして薬学部ってなにか虐げられてるんですか?www」
師「お医者様に聞けよww」
私「そういうことですかwwwww」



ちなみに私は当日、この「大学に行ってきた」をツイッターで実況中継していました。
わりとショッキングな出来事に出くわす私に、フォロワーのとある女性薬剤師姉御がこんなことを言った。


姉御「な、病院内の力関係が如実に現れとるやろう?w (医>看>>>>>(超えられない壁)>>>>>薬)」 

た し か に wwwwwwww 




話、進んで。


師に「りちおさんはこのあとまだまだ残酷な現実を知ることになるよ」とか言われながら、我々は医学部の敷地に歩みを進めた。

大学といえば、高校生の時に先輩の夜祭に遊びに行った立命館大学と、登録販売者試験を受けに行った関西大学しか入ったことがないが
阪大の中はなんかのリゾート地?みたいで緑が多くいちいち広かった。校内なのに普通にバスや車が走れる広い道路や横断歩道もあった。
軒を連ねる「渡り廊下で病院と直結している医学部」の建物はどれも立派で一流ホテルのようで、正面玄関には総理大臣かハリウッドスターでも降りてきそうなゴツイ石の階段があった。
もしかして、私のこれからの生涯賃金を全投入したとしても、あの階段の「5~6段分」ぐらいなんじゃないだろうか・・・?

私「すっげー!!!ほんまいちいちすごいっすねwww」
師「これをよく目に焼き付けておくように。このあと薬学部に行くから。しょぼいぞー!?ww」


と、そうしてどこまで続くのかわからない医学部の敷地を歩いていたのだが、
その日は天気が良くて異常に暑かったので、私はちょっとどこか涼しいところで休憩したくなった。
よってそのことを師に伝えると、ちょうど、師が「見せたい文献がある」と言っていた図書館に着いたので、そのまま図書館で勉強することにした。

その図書館も医学部おかかえのものなんだが、正しくは「大阪大学付属図書館・生命科学図書館」というらしく、
その日の夜に師の紹介でお会いした医師の話によると「医学関連の書物であの図書館にない文献はないんじゃないか?」というぐらいなんかすごい図書館らしい。

そんな「なんかすごい図書館」は、外観のイバリ感もさることながら、
中に入るとホテルのロビーみたいになっていて、入り口にディズニーランドみたいなゲートがあった。
どうやら磁器カードみたいなものを通すとゲートが開いてひとりずつ入れる仕組みになっているらしいが、私は当然そんなもの持っていない。

「なんやここ?よそ者は受け付ません感タップリやな、図書館のくせに。やる気だした高卒にも大学の本見て勉強させろや」

とか思っていたら、
師が受付でよそ者の私を受け入れてくれるよう手続きを始めてくれていたんだが、その師と、いかにも役所の人っぽい受付の女性のやりとりがおもしろかった。


師「こんにちは!」
受付「こ、こんにちは…?」
師「今日は彼女に見せたい文献があって連れて来ましたが、彼女は登録カードを持っていません。僕は持っていますよ?これね、ほら。どうぞご確認ください。でも彼女は登録カードを持っていません。ですが、彼女は怪しい人ではありません。京都から来ました」
受付「は、はい…?」
私「先生、なんかよけい怪しいからw」
師「なんでだよ。りちおさんの身分証明をしてあげているのに」
受付「で、では、登録されますか?今日はなにか身分証明書をお持ちですか?」
師「いや、登録はいいだろ。僕が登録してるから」
私「勝手に決めるwwまあ、はい、私は登録はいいです。今日その文献が見れたらいいので」
受付「よ、よろしいですか?今日は文献のコピーのご予定はありますか?」
師「ないだろ。ないです」
私「また勝手に決めるwwまあ、はい、ないです」
受付「では、こちらの用紙に記入していただけますか?仮のカードをお貸ししますので、ゲートをくぐられましたらすぐこちらの受付までご返却ください」
私「わかりました」
師「よかったよかった!」
私「・・・。」
受付「ww」


余談だが、
その「記入してくれ」といわれた用紙には、住所氏名等等のいわゆるよくある身分証明とは別に、かなり細かい職業証明欄があった。
チェック式になっているそれをよく見ると、教員・学部生・院生・看護学生・医師・技師・看護師・薬剤師、などの医療関係者の職業がずらりと並んでいたが
そこに「登録販売者」のチェックボックスはなかった。

私「(小声)ちょ!先生、登録販売者がないです!w」
師「(噴出す)www」
私「(小声)私も自分の首かけて薬売ってる医療関係者やのに寄せてもらってないとかどういうことww」
師「(小声)www 適当に丸しとけよ。会社員とかでいいんじゃない?w」
私「(小声)まあ確かに会社員ですけどなんっかこれ腑に落ちひんわーww」
師「(小声)www これからだよこれからw」



話、進んで。


そもそも私が「調べてほしい」とお願いしていた物質についての文献を見せる前に、師はまったく関係ない文献を私に「見ろ」と言って見せた。
師の解説によるとそれは、なんか血液とか遺伝子とかの研究をしたことを発表しているとある外人の文献だった。

師「中身あまり見なくていいから。ここ見てみ?発表者の連名。研究なんて実際こんな何人もでやらないんだよ。効率悪いだろ?だからね、トップに名前出てるのが実際に研究した人。あとはまあほとんど研究室の上司の名前だ。そして最後に君臨してるのが教授。研究室のボスな」
私「はあ」
師「だからつまり、今りちおさんが医療について画期的な研究をして論文を発表したとしても、それがどんなにすばらしい研究であっても、その論文は却下される。りちおさんはどこの研究室にも属していないし、後ろ盾が何もないから」
私「それがほんまになにか患者を救える研究であってもですか?」
師「あっても、だ。過去に、皮膚科の医師が抗がん剤治療について気づいて研究したことを発表しようとした時も、がん専門の組織的政治的圧力で発表に至らなかったことがある。あと、ビタミンB1をむかし日本で発見した人がいる。その人は鶏を飼育していて、鶏の脚気に気づいたことから餌のやり方をいろいろ試してビタミンB1の存在に気づいてそれを発表しようとしたんだけど、それは却下された。その人が英語の論文が書けなかったことと、その人が医者じゃなく農民であったことでね。あなたは医学の学問をしてきてそれを言ってるんですか?医学を勉強したことがあるの?っていう医者の圧力でな」
私「同じ医者同士での派閥とかもあるんですか…。」
師「あるある。…ビックリしたか?」
私「わりと」
師「それが現実だ」
私「医療に携わる人はほんまにみんな医療従事者なんですよね?患者のことを一番に考えてはるんですよね?」
師「なんとも言えないな。ただ、医療には政治が絡んでいる」


私「もし私が何か研究を発表するとき、うちの店長の連名ではだめですかね?たぶん頼んだら名前貸してくれはると思うんですけど」

師「店長wwwwww」

私「うちの店長をバカにすんなよ!!!私のボスやぞ!!!www」
 
 




師が、「りちおさんに見せたいものがあるから今回は(喫茶店勉強会でなく)阪大で勉強をしよう」と言った意味がなんとなくわかってきた気がした。
私には、まだまだ知らないことがいっぱいあると思った。
知らないことっていうか、「なんとなくあるのは感じていたけどあえて知ろうとしなかった世界」、っていうか。


と、そうして。


私のお待ちかねの文献(とある物質について今どこまで研究が進んでいるのか)を見せてもらう前に、師がふとこんな独り言を言った。



師「あ、そっか。りちおさん、英語の文献読めないんだよな。日本語の文献でないとな。じゃあ次は4階だ」 

それ 間違ってないけど なんか 腹立つwwwww


続く
  1. 2012/08/21(火) 02:08:30|
  2. どんつき(外出)

大学に行ってきた。その1

さて。
先日、私は大阪大学に勉強しに行ってきました。

りっさん、高卒の分際で 阪大に なんの用があるんだwww  

と思う読者もいるかもしれないが、ことの始まりはこうだった。


仕事(朝の店)で頻繁に携わる、医薬品やサプリメントに使われているとある多糖類の成分について、私は自学に行き詰まりを感じたんです。
何故なら、その物質を研究する人が少ないので、私の持っている本やネットに上がっているものではいまいち満足のいく答えが得られなかった。
そこで、私が今調べのつく資料よりもっと多くの文献の在り処を知っているであろう、とある薬剤師に「それを調べてもらえませんか」とお願いした。
すると、そのとある薬剤師はわざわざ休みの日に大阪大学の図書館に行ってそれを調べてきてくれたのだ。

ちなみに、そのとある薬剤師とは この人 である。

余談だが、
私は この記事 にも書いたように、とある薬剤師の卒業大学を阪大こと大阪大学だと思い込んでいて、
それについて、とある薬剤師も「どうでもいいからめんどくさい」という理由であえて訂正しなかったそうだが、
実は師は、名古屋の大学(この大学も有名どころらしい)の薬学部を卒業したあと、阪大病院の薬学研究室に合格して研究生をしていたらしい。
なんやようわからんけど、つまり最終学歴は「阪大病院の院生」ってこと?それってばんばん賢いんちゃうのwww 
そしてさらに何故か過去には「防衛大学校」にも通っていたこともあるらしい。てかなんじゃその経歴ww
「防衛大学校」といえば思いつくのは自衛隊だが、その大学に進学する人は幹部候補生すなわちエリートで、めっさ頭良くないと入れないという噂は聞いたことがある。

師が どんだけ賢いのか もう 私には想像すらできないwww
だって わし 高卒やもんwww
ほんまに たいして勉強してこーへんかったもん いままでwww 
 


っていうようなことを言うと、高卒以上の最終学歴の人がちょいちょい
「学歴なんてその人のある一部の頭の良さをみるひとつの道具にしか過ぎないんだから、気にしなくていいよw」
とかいって励まして?くれるんだが、残念ながらそれについて私は まったく 気にしていない。
何故なら 「わしも そう おもう」 と思っているので。
よって、せっかくそうして励まして?もらっても


「はあ。(棒読み)」 


っていうかんじなのである。

逆に、私は中卒で職人になって親方になったツレに平気で言うからね。
「だまれ中卒がwwwwww」  とか。
ほんならそいつもそいつで
「高卒のくせに俺より収入低いおまえがだまってろwwwww」  とか言いよる。
「それについて」、お互いまったく気にしてないですから。
それこそ、それはそいつの「ある一部」にしか過ぎないんで、いま堂々と生きてるそいつの「その一部」を庇う必要がないんです。

余談だが、こうしたことって世の中にけっこうあると思うんですよ。
本人はそのことについてべつに落ち込んでないのに、人から「そのことで落ち込まなくていいよ」みたいに言われること。
例えば、じゅうぶん元気に生きてる障害者がなんか異常に「元気だしてね」みたいに扱われたりとか。
「いや、その人じゅうぶん元気やろw」って、見てて思います。
たぶんそうして、今落ち込んでない人がさぞ落ち込んでるだろうと想像して励ます人は、逆に自分がそうなった時に落ち込む人なんだろうなと思う。
そして、それって実はその人の深層心理の表れなんちゃうかな?とも思う。
内心「この人はかわいそうな人だ」と思ってるから、本人はそれを必要としてないのになんか励ましてあげる、んちゃうかな?って。

「心のバリアフリー」 で  いけや。



話、戻って。


そうして、私がお願いしたことを調べてきてくれたそのとある薬剤師に、
「りちおさんに見せたいものがあるから、今度休みを合わせて一緒に阪大の図書館に行かないか」
と、お誘いを受けたんですね。だが私はぶっちゃけ
「えー。私もその阪大の図書館とやらに行かんとあきません?w べつに原本じゃなくてもその文献コピーしてきてもろてどっかそこらへんの喫茶店で解説してもろたらいいんですけどw」
と思った。

何故なら、実はそのとある薬剤師にそうして調べものをしてもらうのはそれが始めてではなく、
これまでにも私は幾度もそうして「わからないこと」に遭遇するたび師を使い倒しては、個別指導(喫茶店勉強会)をしてもらっているからだ。

だが、今回は喫茶店勉強会ではなく「そこ」に「りちおさんに見せたいものがある」と師が言うので、私はなんかわからんけどのこのこついていくことにした。
だが、その交通手段を聞いて、早速、行くのをやめたくなった。

師「京都から○○駅まで電車で来て。そこからモノレールに乗るよ」 




モノレール。



実家のベランダ2階で洗濯物を干すことにすら足がすくむ、超・高所恐怖症の私が、飛行機よりも信用できないモノレール。




行きたくないwwwwww




だってあんなもんおかしいでしょ!磁石のちからだかであんな重いもんがあんな高いとこでレール1本の上に乗って人まで乗せて行き来するとか異常事態やろ!!むしろ飛行機より信用できない!!!なんか「あたまおかしいやつ」が閃いた発想としか思えません!!!あんなもん「毎日が奇跡」やろ!!!!wwwww 



だが、そこで師が言うたんです。
「りちおさんの高所恐怖症は知っている。だから僕は対策を練ってある。僕に任せなさい」と。


…。
……。
………。


私は、師を信じることにしました。
何故なら、師は「理系の理系」の人なんで、なにかしらのデータに基づいた対策を練ってくれているに違いないと。
その先生が「大丈夫だ」言うてはるんやから、きっと「大丈夫」だ!!!




だが、当日。


モノレール乗り場のホームで私は、師に 神社のお守り を手渡されました。



師「これを握っておけばいいよ」
私「あの!薬剤師先生にひとつだけ聞いていいですか、逆に!ww……エビデンスは?」
師「そんなもんはない。下を見ないためのサングラスも用意してあるけど、要るか?」
私「結構です!!!www」

モノレール、発車。

私「……。」
師「緊張しているのか?」
私「かなり」


師「これは困った」

私「いまごろwww 私は最初からずーーーっと困っていましたがwww」
 




モノレールが異常に揺れるたび、「高いところあかん私」をわざわざモノレールに乗せた師を憎んだ。
とにかく早く阪大だかに着いて欲しかった。
逆にどこでもいいから早く「この高さ」から、誰か私を降ろして欲しかった。


こんなもんいつか落ちるってほんまに!!! 


と、そうして。


阪大病院前の駅に着いて、降りて、改札を出て。
「生きててよかった思い…」に安住している私に、そびえ立つ目の前の建物を指して、師がこう言った。


師「見ろよ。白い巨塔だ」 



続く。
  1. 2012/08/20(月) 02:45:03|
  2. どんつき(外出)

薬剤師先生とデートをした。その4

さて、 この 続きです。

その薬剤師が調べてきたという甘味処は、カウンターで和菓子(生菓子)を販売するのがメインの老舗で、その傍らのイートインスペースで、
「抹茶と、中になんか甘い蜜が挟んであって上から粉まぶした細い餅を棒にさしたもの、のセットが食べられますよー」みたいな店だった。
「てかなにその紹介???」と言われそうだが、実際食べてもあの和菓子の正体がなんなのか?が、私にはよくわからなかったのだ。
ただひとつだけ言えることは、あの棒に刺さった餅はそんなに甘くなかったので私は助かった。

と、そうして薬剤師は待望の抹茶を、抹茶を飲みたいと思わなかった私はホットコーヒーを飲みながら、中身はいよいよこのデートらしくなって行った。

あんまり書くとその薬剤師に「会社をばらすなと言ったろ?」と怒られそうなのであんまりは書かないが、
その薬剤師の務め先と私の掛け持ちバイト先(ドラッグストア)は「競合他社でありつつ、まあまあ仲良し」みたいなところがあるので
お互いの店のこと(売れ行き)などもちらほら話しつつ、うちらにとっての競合のことについて意見交換・情報交換などをした。
しかも思いきりその実名らを出して言い合っていたが、その店にはずっと私たち以外に客はいなかったので声を潜める必要はなかった。
もし百歩譲ってあったとしても、その甘味処の店主(おじいちゃん)が厨房で仕事をしながらツイッターで

おくすりやさん、きてはるなう。 

とか、そんなん呟いていたぐらいだったと思う。いや、それも全くなさそうやったけどwww

その薬剤師はもうほんまに、「かねてからの発言通り」の、期待を裏切らない人だった。
「みんなもっとドラッグストアでOTC(市販薬)を買え!」とか
「病院で保険を使ってあれもこれもとバカみたいに薬を貰うな。湿布薬ぐらいドラッグストアで買えよばーか!」とかそんなん言っていた。
その薬剤師がそんなん言うのは「売上が悪くて店が潰れたら僕の仕事がなくなるじゃないかww」というそれも本音だろうが
実はその薬剤師は、例えば、「動けない人もいるんだから在宅処方とかも積極的にやっていくべきだ」という考えとかも持っていて
だが「町のお薬屋さん」が経営不振でどんどん潰れてしまったらその超地域密着型医療は誰がやるんだよ?という危惧があったりとかで(ざっくり言うと)
そんなんもあって「ドラッグストアで薬を買え買え!」と言っているところもあるので、こういう人は(口は悪いがw)信用できると私は思う。
少なくとも「人様のために出来ることを」とか、そんなことを身内同士であーでもないこーでもないと言っては現状を憂いでるだけの人よりは
「町のお薬屋さん」を活発に回転させてもっと新たなマーケットに乗り出そうとして動いている人のほうが、その話に信憑性がある。
ただ、本人いわくそうした発言をするたびに一般人(客)でなく、むしろ同業者(医師・薬剤師)にそのツイッターをブロックされるらしいがwww

と、そんな話をしていたら余裕で2時間ぐらい経っていて、時計の針が昼を廻っていた。
よって私が「そろそろお腹もすいてきたので、お昼ご飯を食べに行きませんか?」とアシストし、我々はまた移動することになった。
次に行ったのはちょっと隠れ家的な雰囲気のあるカフェレストランで、まあまあ地元でありながらそんなお店があるのを私は知らなかった。

大きな窓から差し込む自然光を照明のベースにして、テーブルに置かれたスタンドライトが柔らかく互いの頬を染める。
どちらからともなくそっと手を取って愛でも語れば、もう明日にでもその恋人たちは結婚式場を選びに行くだろう。

だが我々は恋人たちではなく薬剤師とトーハンなので、そんなムードの中で愛のことではなく薬のことをずーっと語っていた。
先ほどの1時限目(甘味処)が「社会とOTC(市販薬)」だとすると、その2時限目(カフェレストラン)は「主な医薬品の成分と作用」だった。

余談だが、
この記事を読んでいるとまるで私が始終、どこかコミュニケーション下手なその薬剤師に気を遣って接している、
かのようにも思えるかもしれないが、多分その人はその人で私に気を遣ってくれていたと思う。
それを私が感じたのは、そのカフェレストランで昼ご飯をオーダーする時だった。
「本日のパスタランチでいいんじゃない?」とまでは決まったんだが、それはピリ辛ソースのなんたらとクリームソースのなんたらがあり、
その薬剤師は「じゃあ別々のものを頼もうか。そうしたら両方食べられるもんね?」と言ったんだが、私は即座に
「いや、私はピリ辛はいらないのでクリームソースにします」と、その提案をバッサリ叩き斬った。
理由① 持病の関係でいくつかの香辛料系の刺激物があまり食えない私にはピリ辛系はわりと危険な賭けである。
理由② 大皿料理ならまだしも一人分の料理について私は人と「ちょっとあげるしちょっとちょうだい?」といったシェアを好んでしない。何故ならあれもこれも一度に食べてみたいという欲もなければ、人が自分と違うものを食べているというその味に特に関心がないから。
するとその薬剤師は「そうか…じゃあ僕もクリームソースで…」と言ったので私は「いや食べたいもん食べたらいいじゃないですか」と言い
するとその薬剤師は「そ、そうだね…。クリームソースにするよ」と言ったので私は「ああそう。ほな店員さん呼びます」と言った。

店員「・・・かしこまりました。セットのお飲み物は食後にお持ちしたらよろしいでしょうか?」
薬剤師「それでお願いします」
私「すみませんが、私は先にお願いします」
薬剤師「えっ?」
店員「かしこまりました(去る)」
薬剤師「え、先?飲み物、先にするの?(そわそわ)」
私「はい。なんか飲みながらとりあえずタバコ吸いたいんで」
薬剤師「あ…っと、じゃあ僕も先にしようかな?(わたわた)えっと…」
私「てかもういいじゃないですかそんなことどっちでもww」
薬剤師「いやでも(立って)あ、すみませーん!(店員とこまで行って)やっぱり、僕も飲み物を先で!」

私「だからせわしないねんて!!座ってろやwww」  

*関西弁講座 「せわしない」= 落ち着きのないさま、急か急かと動くさまに対する注意の言葉。

多分あの時、理系頭のその薬剤師は私に「理系ではない頭」で懸命にコミュニケーションを図ってくれたんだと思うんですよ。ほんまなんかすんませんでした。


話、かなり戻って。


食事を終えた後、我々はまた「今日の本筋」に戻った。
市場の話はさっき随分したので、私としては2時限目はこの薬剤師の医薬品知識を出来るだけ吸収してやろうと思っていた。
そうして吸収して抜粋したものをまた明日の私の仕事(医薬品販売における情報提供)に生かしてやろうとして。
ここからちょっとカタカナが多くなりますが大して難しい話ではないので「薬は難しいイメージ」の頭でのシャットダウンなきよう、お付き合いください。

私「薬剤師さんは化学式から入るじゃないですか?でもうちらはそうじゃないんで、例えばアスピリンはアセチルサリチル酸なんやけど客に説明する時はやっぱ『アスピリン』のほうがメジャーなんでうちらはわりとそっちから入る、みたいなとこがあるんですね。だから追っての勉強がほんま多くて」
薬剤師「そうなのか」
私「こないだジメチルポリシロキサンって何や?って調べたら、なんのこっちゃないジメチコンでしたしw」
薬剤師「ジメチコン?・・・何故ジメチコンを知っている?」
私「何故ってOTCじゃないですか。トーハンの試験にも出ますよ」
薬剤師「え、ジメチコンはOTCだったか?・・・あれ?てかなんだっけジメチコンって?wその前にはなんと言った?」
私「ジメチルポリシロキサン、と言いました」
薬剤師「ジメチルポリシロキサン。よし、ジメチルポリシロキサンで調べてみよう。(と、スマホを取り出す←またww)」
私「消泡成分ですね。胃腸薬とかに入ってますよ」
薬剤師「それを聞いて思い出したよ、ガスピタンだな!(スマホで調べつつ)そうだ、これだった。商品では何に使われているのだろう?(さらに調べる)」
私「いいですね~。それは是非是非調べましょう」


おかわりのアイスカプチーノを飲みながら。 


薬剤師大先生様 に スマホで調べものをさせる。 


その薬剤師は「僕は勉強不足だから薬の知識はあまりない。君はよく勉強しているよ」とか言って私を誉めてもくれたが、
私が思うに、「その頭の中に入っている知識の分野が莫大すぎるから、たまにそうしてふっと抜けてしまうだけ」なんやと思うんですよね。
その点うちらは「まずOTCに集中して勉強していって、必要に応じて補足で積み重ねていく」って感じなので、その違いだと思う。
でもその薬剤師を、偉いな、さすがだな、と思ったのは、わからない(正確に言うと忘れている)ことをその場ですぐ調べるということ。
薬剤師にしろ我々トーハンにしろ、それはすぐにやっとかないと、明日にも「そのこと」を患者や客に聞かれるかもしれないので。

ただし、その行為を「ほんまのデート」の時にやったら、多分、彼女は怒らはると思いますけど。
なんせそうしてなんか引っかかることがあるたびに、話の途中でいちいちスマホ検索してはったんでwww


と、そうして薬剤師大先生を使い倒してしまったんで、「なんか返さないとフェアじゃないな」と思った私は
「推売(推奨販売品)のハンドクリームを売らないといけないんだ」というその薬剤師にハンドクリームの上手な勧め方を教えてあげた。
ついでに、どこのドラッグストアにとっても「夏の推売品」である日焼け止め乳液の勧め方も教えてあげた。
これは私の企業秘密なので詳しくは書かないが、
その場でのお試しがなかなか出来ない薬と違ってタッチアップ(実際塗ってみること)できる商品はお客さんと一体感を作りやすいんですよ。
早い話、自分は店員なんやけど自分もいわば「客の立場」で、今、お客さんと一緒にそれを体感して意見交換をすることができる。
双方がやいのやいのなんだかんだと言うて楽しみながらその商品の販売に繋げていくことが出来るので、文字通り「楽」なんです。
と、そんな私のレクチャーに「そういう持って行き方があるのかー」とか言って関心していた薬剤師がふと漏らした一言がおもろかった。


薬剤師「なんだか、本社に呼ばれて販促の上司に叱られている気分になってきた・・・」


がんばれwww がんばれ薬剤師大先生www 


ただ、正直こうした概ね化粧品類を男性店員に売れというのは難しいところもあると思う。だってそうじゃないですか。
「もう大して若くもないのに若い子の肌向けに作られてる日焼け止めをせっせと塗っててね。秋になって、なにこれ!?シミ出てきたやん!…ってそんなんシャレにならないじゃないですか?ww」
って、こうしたトークは女性同士の、もっと言うと「オーバー30のおばはん」やから出来る話であって、これを男性店員が言うてみ?
もう普通にクレームになりますわ。例え「薬の専門家からの見地」をもってしても、そこはもう普通にクレームになりますわ。


「あの男性店員に、私は 日焼け止め乳液ではなく 喧嘩を売られました」 



話戻って。



てな感じで、その店でもまたさらに2時間しゃべり倒した。
そうして「神泉苑事件」と「二条城事件」を計算に入れずの計4時間しゃべっても、まだもっとその薬剤師とたくさんしゃべりたかったが、
せめて休みの日ぐらいは子どもらが学校から帰ってくる時に家にいて、「おかえり」って迎えてやりたいなとか思い、
もっと言うと、
「今この降り出した雨に対して子どもらの学校に傘を届けに行く」という休みの日でないと絶対に出来ないことをしてやりたいとか思い、
「そろそろ行きますか。私はもう帰ろうと思います」と私が言うと、
「そうだね。そろそろ子どもさんが学校から帰ってくる時間だ」と、その薬剤師は一瞬にしてそれをなんかわかってくれた。


理系wwwww ありがとうございますwwww 話が早いwwwww  



ひとつだけ言えることは、私は今後もその薬剤師とちょいちょい「会」を開催すると思う。

そうして会うたびに、「君はいよいよ恐ろしいやつだな」と、その薬剤師に言われる、そんなやつに私はなりたい。



おまけに続く。



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  1. 2012/01/24(火) 01:13:59|
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Author:りっさん

京都に生まれ京都で育ち、          放浪の末、京都に舞い戻った女

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