どんつきを右に曲がって左のかどっこ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

内藤ーーーーーーー!!!!!!

さて。


内藤ーーーーーーー!!! orz


ただ確かに今日の試合は、亀田一号機…もとい、新チャンプ、「射れてた」と思います。

個人的にはやっぱ内藤さんにもうコテンパンにあのクソガキをブチのめしてやって欲しかった。
私は何度も言うてるように、そもそも「アンチ亀田兄弟」ですからね。

恐らく自分と同じようにトレーニングを積んできた相手と戦って、
自分もほんまに死にもの狂いで負かしたであろう???その相手に、
「俺は勝ったから」って唾を吐くようなあいつらを、スポーツマンだとは私は認めてなかったし、
あいつらがもうほんま誰にも言い訳できないぐらいほんまに強い選手にもうボッコボコにやられて、
そこで一回、「なんか」を今一度考えてみてほしいと、私はずっと思っていました。

だから、内藤チャンプにもうコテンパンにあのクソガキをブチのめしてやって欲しかった。


でも今日、内藤チャンプは亀田挑戦者に負けて、チャンピオンベルトを取られた。


「(結果はわからないが)勝ったやつが強いんだ」と、
そう試合前に言っておられて、負けた内藤さんの今の心情を思うと、
逆に私は「新チャンプ・亀田興毅」の粗探しをするようなことは、なんかもう逆に出来ない。

何故なら、そうして逆に内藤さんをなんか庇ってみても、内藤さんは
「でも、結局はそのあいつに俺は負けたんだ」と、
なんかさらに、負けた自分のことをもっともっと責めるんじゃないかと、私は思って。


そして亀田一号機…もとい、新チャンプについても、なんかもういいかなって思って。


「3Rで仕留める」とかさんざんビッグマウスを叩いてた彼が
12Rまで必死で戦って最後の判定で「勝ち」が決まった時、
彼がリングにひれ伏して泣いたこと、
直後のインタビューで彼が「ちゃんと敬語」で受け答えして「感謝」の意を述べたこと、で、
なんかこれはこれで、(彼の成長にとっては)良かったのかな?とも、私はちょっと思った。

リング上の彼と一緒に泣きは「全く」「決して」しませんでしたけどね。


個人的にはやっぱ内藤さんにもうコテンパンにあのクソガキをブチのめしてやって欲しかった。


でも、「ボコボコにやられなくても、自分もほんまに苦しい試合を勝ち抜いたこと」で、
彼がなんか「そのこと」がわかる、今わかったなら、なんかもういいのかもな、って思って。
てか、なんかそう思うようにしようと、私は思って。
だって、あいつらの人生はまだまだ始まったばかりやし、これからやし。
あんな父親の配下でずっと「勝つこと以外許されない」みたいな育ち方で生きてきてたら
「勝つためには何してもいい」みたいなことに洗脳されてたんかも、それはしれんしね。


てか、私が逆に腹立ったんは、
二号機と三号機がまるで自分の手柄のように試合後のリングではしゃいでいたことなんですけどね。
勝ったのは兄貴であって、おまえらではないやんか。


しかも特におまえ!二号機!!!


君はボクサーとして、
「もう一生内藤選手には顔を合わせることができないようなあの大粗相」
を働いたのにも関わらず、
なんでその君がこのリング上で今「兄貴が勝ったフィーバー」をできんねん?


君のその神経が私には全くわかりません。


確かに、君の兄貴は試合前に「弟の仇を討つ」とかも言うてたけど、
君の兄貴が勝ったから言うて、君が内藤選手に勝てたわけでは決してない。
逆に今これで君が「内藤選手に勝った」となんか思えるぐらいなら、
むしろもうおまえはもうボクサーを辞めろ!もう辞めてしまえ!!!

私が思うに、二号機、君は父親の「洗脳」が抜けてへんのかもわからんな。



と、心の中ではもうずっとアドレナリン満開で、あの試合をオンタイムで観ていた私ですが
表面上では、私は冷静にしていた。


何故なら、20時からのオンエアで、いちごとももが私の横で「それ」を観ていたからだ。


もうほんまさっさと寝てくれたらいいのに…。



いちご&もも「キャーーーーー!!!」


いちご「ママ、血がっ!!!!血が出た!!!」
私「さっき左のストレートが入ったからな。鼻は血が出やすいし、しかも鍛えにくいから」
いちご「そんなとこ狙うとか亀田さん最低やんっ!」
私「それは一概には最低とは言えへんあえて狙ったとも限らんし結局打たれた自分が悪いっていうそれがボクシングの世界なんですよ」
もも「ママ、ももちゃんトイレ行きたいー」
私「うん、じゃあトイレに行ってください」
いちご「ももちゃん大丈夫?」
もも「ちょっとついて来てほしいかも…オバケ出るかもしれんしね」
私「わかった」
いちご「ママ、いちごが行くよ」
私「いやそれはママが行くからそれは母親の仕事やからいちごはこたつに入ってボクシング観てていいよ、…あ!?よっしゃ!うわ、おおっ!!亀田!?内藤ーーー!!!」
いちご「いちごがももについて行くからママはボクシング観てて!」
私「なんかほんますんませんてか4R明けの最初の判定出るまではなんかこのまま観させてほしい」
いちご「うんw」

もものトイレ明けかつ、CM中

私「なんかあのごめんなさいすんません、観たいねんこの試合」
いちご「いいよwわかってる。ママはどっちの味方なん?」
私「どっちの味方っていうか…勝者はそれは勝者やねんけどママは内藤チャンプに勝ってほしい」
いちご「ママ、亀田さんのこと嫌いやもんなw」
私「いや、嫌いじゃないよ。亀田さんは小さい頃からずっとボクシング漬けで努力してやってきた選手やと思うしそのことは偉いと思う。でも多分亀田さんとママは何か人間的な考え方の違いがあるんやな。その話をするともう難しいし多分長くなるわ」
もも「ももちゃんは納豆がきらい~」
私「ママはレバーが嫌い」
いちご「いちごは梅干がきらいw」
私「てか、おまえらもう今日のところはもう寝てくれませんかね?ママ、集中して試合観たいんやけどな…」


昨日、兄貴こと「笑いの師匠」が久々にメールくれたんですよね、夜中に。
そのメールの内容に何の関連もなく、最後に一言、

「そして頑張れ!内藤大助!」

って、行変えて書いてあって、私はなんか胸が熱くなりました。


今はお互い仕事必死子育て必死でなかなか自分の時間なくてゆっくり会えへんけど
いつか兄貴と一緒にボクシングの試合を観て、飲んでやいやい言いたいなと思った。






なんか明日の晩に「密着!試合前の内藤大助・亀田興毅!」みたいな番組をやるらしいですけど

逆に今私が言いたいのは、


それを試合後に放送するかな?


挑戦者としてチャンピオンに勝った!!!側にしてはそれはいいと思いますよ。
「こんなこととかがあって…そしてあの日俺はついにチャンプに勝てた!」
みたいな感動秘話的なことにもそれはなるやろうと思う。
でも、逆に負けた人間からしたら、そんなもん今さら流されたくはないんちゃうの?

特に内藤選手は、
「自分のためと思うともういいかってつい自分を甘やかしまうから、俺は誰かのため、自分を応援してくれている人を裏切らないため、試合に勝つ」
という思いでボクシングをやっているそんな選手なのに、にも関わらず、
「密着!試合前の内藤大助・亀田興毅!」みたいな番組を試合後に放送するとか
試合に負けた内藤選手にしたらそれは、
「そんなこんな思いも受けて試合に臨んだんだけど実際俺は負けました。皆さんごめんなさい」
っていう思いにまたそれはなるんじゃないのか?



ひとつだけ言いたいことは


おまえらなんかもう鬼畜か


スポンサーサイト
  1. 2009/11/30(月) 03:43:13|
  2. どんつき(時事とか)

2012年地球滅亡???

さて。

数ヶ月前からいちご(上の娘)がおよそ1週間に1~2回の高い割合で心配していることがある。
それは「2011年7月から全テレビが地デジ放送になるが、うちのテレビはどうなるの?」ということだ。

うちの家は今だにアナログ放送のテレビを使っています。
完全にデジタル放送に切り替わる2011年7月までには買い替えないとな…と内心思っているが、
私の中では「まあでもまだ一年半以上も先の話やん」っていう後回しの問題であり、
正直最近テレビもあんま見てないので、それは私にとってますます後回しの話になっている。

だが、子どもにとってテレビは一番手軽な娯楽アイテム及び情報源であるようで、
私も子どもの頃はテレビ見て「志村後ろ!www」言うてたんでその気持ちはよくわかるが
そんなお笑い番組やテレビアニメなどより何より、スイーツ(笑)ないちごにとっては、
流行ファッションや美味しいケーキ屋さんの情報を得られなくなることはもう死活問題らしい。
それをテレビで見たからってすぐその服を買うたりそのケーキを食べに行けたりするわけではないのだが
「わあ~いいなあ、ステキ~(はあと)」ってなる、その夢見心地な状態がなんか嬉しいんですって。
祭日や祝日(平日の学校休み)にはもう必ず朝から「はなまるマーケット」を見てますからね。
いや、別に「はなまるマーケット」という番組を否定してるわけではないんですが…。


よって以前から、いちごは「2011年7月からの地デジ放送への切り替え」について
「ママ、うちのテレビどうすんの?」とか、折に触れてもうずっと言っていたのだが、私は
「2011年までに何とかする。てかその前にもものランドセルとあんたの中学の制服買うほうが先やからさ~」
とか言ってのらりくらりとかわしていたのだが、
いつぞやからか、アナログ放送を今だにご視聴のご家庭に向けて、テレビの右上に


「アナログ」(笑)


とかいって、なんかちょっと人を小バカにしたようなテロップが出続けたり


「このテレビは2011年7月の完全地デジ切り替え以降もう一切見れなくなりますから、そのつもりで。」


とかいうような、半ば脅迫じみたご案内が字幕スーパーでいちいち流れるようになったので
それがいちごの「うちのテレビ存続の危機」についての心配にますます拍車をかけるようになってしまった。


いちご「ママ、2011年からうちの家はテレビどうするの?」
私「またその話かw校長先生を始め学校の先生方が昨今皆あんなご熱心に子どものノーテレビ・ノーゲームデーを推奨しておられるというのにおまえはテレビの話ばっかりすんな」
いちご「ほな子どもはテレビ見たらあかんの?絶対見たらあかんの?」
私「絶対見たらあかんとは言うてない、ママも子どもの頃ドリフとか見てたからw…わかってる、2011年やろ?それまでになんとかするよ」
いちご「今2009年やから2011年まであと2年しかないで?」
私「まあ正確に言えば1年半なのだが…。てか逆に考えるんだ。あと1年半もあるんやで?」
いちご「1年半あれば何かが変わるん?」
私「いや、あんまり変わらないと思いますw…しいて言えば、テレビ放送が完全に地デジに切り替わる?」
いちご「ほら~~~!!!もう終わってるわ~!やばってるわ~うちの家!!」
私「ちょw終わってるとかやばってるとか言うなよ失礼なやっちゃなwww大丈夫やってwww」


だが、私にはそのいちごのしつこい攻撃を逆にもう論点ごとすりかえる大作戦があるのです。
「持って行き方」はその都度変えていくが、その「王手」を出して私が負けたことがないその秘策とは。



私「でも地球は2012年に滅亡するらしいからさ~?残りあと1年ぐらいのことでテレビなんか買い替えなくても逆にもうええんちゃ~う?」



私が子どもの頃に「1999年7の月(ノストラダムスの大予言)」をビビりまくっていたのと宜しく
いちごは「2012年の地球滅亡説」を、今もうめっちゃビビりまくっている。

よって私がこの王手を出すと、もう、いちごはサッと顔色を変え、ちょっと半泣きにもなりながら
「2012年に地球が滅亡するとしたらその一週間前から前日までに絶対やっておきたいこと」を、
懸命に真剣に考え始める。

いちご「まず、欲しい服を全部買って全部着て、それからケーキを毎日5個食べる」
私「うん」
いちご「ママには仕事をずっと休んでもらって、もも(下の娘)も保育園休ませて、みんなで一緒に家にいる」
私「地球が滅亡しますから仕事休みます言うたら、ママはもう逆にクビになると思うな。…で?」
いちご「あと、みんなでまた やまとの湯 に行く」
私「え、やまとの湯???やまとの湯なんや?wwwディズニーランドとかと違って?」
いちご「本当はディズニーランドも行きたいけど~~~。でも時間がないから」
私「なるほどな。京都からディズニーランド行くまでの移動に時間取られるからな」
いちご「それから…それから…」
私「…うん。ここでちょっと整理しようか。今、絶対やっておきたいことの中にテレビの話が一回でも出てきたか?出てこなかったよな?ってことは、いちごはいつもテレビテレビ~言うてるけど、いちごの中では意外とテレビは低~いポジションにあるんとちゃうかな?ってママは思うけど、いちごはどう思う?」
いちご「うん、私もそう思う」


また勝ってしまった。


まあでもこの王手がいつまでも通用するわけではないだろうとも思っているので
2011年7月までにテレビは買い替えようとは思っていますが。


さて。

ここからが今日の本題です。


今日、私が晩ご飯の後片付けを台所でしていたら、いちごが
「ママ、テレビ見てもいい?」と聞いてきたので
「いいけど、もうすぐお風呂沸くで?てか、何見るの?」と聞いたら
「2012年地球滅亡の話をテレビでやってるねん」と言うので
「そんなん見たらあんたまた怖くなるんちゃうん?w」と言いつつ、私はそれを許可した。

案の定いちごは怖がりながらもその番組にハマってしまい
「お風呂沸いたでー。三人で一緒に入ってまおうや」と私が声をかけると、いちごは
「あとから行くからママとももちゃん先に入ってて!」と言ったので、ももと先にお風呂に入った。


もも「いちごちゃん来ないねー」
私「いちごちゃんは今、地球滅亡について考えてはるみたいよ」
もも「ちきゅうめつぼう?」
私「2012年に地球が無くなるかもしれんって言われてるねん。ももとかいちごとかママとかが住んでる、この地球が無くなるかもしれのやって」
もも「ちきゅうがなくなったらどうなるの?」
私「わからんけど…多分みんなもう死ぬんちゃうかな?」
もも「2012年っていつ?」
私「2012年は2012年です。その時ももは…7才ぐらいかな?」
もも「たいへんや!」
私「そうや!wたいへんや!w……いちごちゃんは、地球が無くなるまでに好きな服を着て好きなもん食べたいんやって。…ももはどうする?地球が無くなるまでに何かしたいことある?」


私の予想では「マクドナルドのハッピーセットを食べる!」あたりが来るんじゃないかと思っていた。

だが、ももの答えはそんな話とはなんかもう全然違った。


もも「ももちゃんが、みんなを守るよ」




2012年地球滅亡?に向けてのももの対策プランとは。

いちごちゃんとママとK兄(彼氏さん)とお爺ちゃんとパパ(元旦那)を、ももちゃんが守る。
ももちゃんの保育園のお友達と先生と、いちごちゃんの学校のお友達と先生と、ママのお友達と、
ママのお仕事のお店の人を、ももちゃんが全員守る。
ママの病院に入院してる人たちも守って、いつも行くお店(スーパー)の人たちも守って、
警察の人も消防署の人もゴミ収集車の人も、ももちゃんがみんな守る。
泥棒とか悪者の人は守らないけど、「もう悪いことしません」って約束したら守る。


私「でも、それだけたくさんの人をももが守るって大変なことやで?どうやって守るの?」
もも「みんながのれる大きいロケットを作ってな、ももちゃんがそうじゅうするねん!」
私「なるほどね、地球を脱出するんや?」
もも「っていうか、ママ?」
私「うん?」


もも「ロケットってどうやって作るの?」


てかおまえそれ、もう 「企画倒れ」 な話やんwww


だが、ここでそんな大人の目線でその話を終了したら、きっとなんかあかんのだろう。
子どもの幼児期の「育児」には、それが特に大切なことなのかもしれないとそう思った私は
もものその壮大なるビジョンに、話を合わせた。



私「さあなー?どうやって作るんかなー?ママもロケット作ったことないしわからんなあ」
もも「ももちゃんは、木とネジがいると思うねん。それと、ガラス」
私「…ガラス?」
もも「ロケットには丸い窓があるやろ?」
私「なるほど、窓のガラスなwてかロケットの窓ってガラスで出来てんのか?いやまあそれはいいけど」
もも「それと、ペンキもいるな」
私「ペンキ???」
もも「(外側に?)絵描くから。それにお名前も書かんとあかんしね。お名前書かんと、これはももちゃんのロケットですよ、ってわからへんし忘れ物になるやん」
私「ロケットの忘れ物ってあんま聞いたことないけど…まあ持ち物にはお名前書かんとあかんよな」


親バカと言われたらそれまでですが、私はこの、「5才児のもも」の考えにちょっと感動をもしました。

家族の中でずっと一番下っ端で、いちご大好きでいちごのケツばっか追っていたももが
「いちごちゃんとは違う、自分なりの考え」をこうして持つまでに成長しているんだ、ということについて。


よって私は、あえてももに、そこで「更なる課題」を与えてみた。



私「てか、もも。…ももが守るのは、今ももの知ってる人だけなん?」
もも「だってしらん人のことは守れへんもんー」
私「そら、今は知らん人かもしれんけどさー。でも、いつかみんなもものお友達になる人かもしれんやん?ももが地球滅亡の時にその人たちを守ってあげへんかったら、ももとその人たちはもう一生出会うこともないかもしれへんで?」
もも「そやな…。じゃあ、しらん人のこともみんなももちゃんが守るよ!ちきゅう全体、ももちゃんが守るわ!そしたらめちゃくちゃ大きいロケットがひつようやな!」
私「ロケットの作り方はわからんけどさ、ママに出来ることがあったら何でも言うてな」
もも「うん、ありがとう!その代わりママは長生きしてな!」



「その代わり」が、逆に、ももにとって「どの代わり」なのか、私にはわからないが、



私がひとつだけ思ったことは


2012年に7才ぐらいのももに、「ちきゅう全体」を守らせることは多分とても難しいことなので
2012年に地球が滅亡とかしないで、ずっと私がいちごとももを守って暮らしていけたらいいな。


  1. 2009/11/27(金) 01:31:56|
  2. 家族ネタ

「怖いい、人」・3

さて、 この 続きです。


怖い先輩のショウさんは私と二人の時は相変わらずしゃべりかけて来なかったが、
みんなで談笑している時だけは徐々に「なあ?そうやんなあ~?」とか言って、
私にツッコミ役を振ってくれたり、展開・発展しろ的なパスを出してくれるようになった。
売られた喧嘩は買うのと宜しく、振られた笑いは何時如何なる時であろうと私は買うし、
そして、自分の持って行き方で人を笑わせるのも好きなんで、私はそれを乗ってやっていたのだが、
でも、「笑いというククリがそこにあってこその、今、ショウさんとのこの関係なんだ」ということは
なんぼ私がアホで鈍感な人間でもそれはちゃんとわかっていたので、
なんかちょっと笑いの相方役をやらせてもらえたぐらいで、私は決して調子をこいたりはしなかった。
なのでやはり、二人になった時はショウさんと私はもう全くしゃべらなかった。


そんな中、「あの事件」が起きたんですよね。


その日は雨で、開店してからずっと、来るお客さんが少なくて店は暇だった。
しかも納品(業者からの)がない曜日だったんで、いつもの品出し業務も少なくて、
雨の中でも普段通り来てくださる常連のお客さんらへの対応をぼちぼちしながら
欠品しかけてる商品の在庫を倉庫からぼちぼち出してきたりとか、
なんかそんな感じで店全体の時間や空気が緩い感じで流れていて、
ぶっちゃけ社員もバイトも関係なくスタッフみんながちょっとなんかもうだらけていた。
「普段、(人件費についてお上がやいやいうるさいのでギリギリの人数で廻して)みんなバタバタしてるんやし、たまにはこんな日もあっていいんじゃね~?w」
的な日って、どこの会社にもあると思うんですよ。なんかそんな感じでね。

だが、あまりにもみんなしてだらけすぎるのもあかん、と思ったのか、
真面目な性格の副店長が昼過ぎから突如、スタッフに色々と指示を出し始めて、
「りちさんは裏のコンテナからあれとあれとあれを出してきてもらっていいっすか?」と言われたので、
私は「了解しました」と言って、副店長に言われた在庫商品を裏のコンテナに取りに行った。

雨に濡れながら、商品の入ったダンボールを台車に乗せて急いで店舗に運ぶ途中、
コンテナのそばにある店のトイレの戸がごっつ全開に開いていたので、
「なんかまた開けっぱなしですか?てか客やから何でも許されると思うなよ?」とか思いつつ、
商品のダンボールを一度倉庫の軒下に運び入れ、私は開きっぱのトイレの戸を閉めるべくそこに戻った。



そしたら。


ショウさんがトイレの床に水を撒き、モップでゴシゴシ磨いていた。



ショウさんが店舗から姿を消していることを私は気付いてはいましたが、
「まあ今日は暇やから、何処かでタバコでも吸うてはるんやろ」ぐらいに思っていたし、
ショウさんが店舗から消えていることについて、あまり気にも留めてもいなかった。
っていうか気に留めたところで、なんかわざわざ探したりして
「なんや、ここに居らはったんですか~?w」みたいなトークが出来るような仲でもないので。
よって、ショウさんの行方について私は追跡しなかったし特に考えてもいなかった。
普段から、「こんなん無理っしょ~」とか「そんなんもう俺らどうしたらいいんっすか~」とか、
なんかそんな「アンチ・店(会社)」的な笑いネタを存分に展開しているショウさんなので、
恐らくもうこの暇に乗じてそれは有意義にサボってはるんだろうと、私はそう適当に思っていたんです。
だが、「そのショウさん」が今トイレ掃除をしている、というこの事実に出くわしてしまった。


てかそもそも通常、トイレ掃除は開店前に、業務割り当てで充てられたスタッフがするんですよ。
朝、水撒いて床や便器をモップやブラシで磨いて鏡も拭いてゴミ捨てて備品の補充もして、っていう、
その「完璧なトイレ掃除」を割り当てによって開店前にちゃんとした上で、さらに昼と夕方の二回、
「朝の状態のそれが保ててるか」のチェックをまた業務割り当てによってするんですね。
でも、本部から人件費を極限まで削減しろと言われている中で店を廻している日々の中、
確かにこの数日、「開店前のトイレ清掃」の業務割り当ては後廻しになっていた。
っていうか、実際全く「その担当の確保」が出来ていなかった。
何故ならば、レジ金チェックとレジ廻りの清掃と、店頭準備と、店舗清掃でスタッフはもう手一杯で
朝の「完璧トイレ掃除」の業務を担当するスタッフの確保まで出来てなかったんですよ。
「昼と夕方にチェックする人」の割り当ては決まっていてそれは一応営業中の合間にしてはいたけど、
「人が足りなくて、朝、満足にトイレ掃除が出来てないから」っていうて、
忙しい営業中のチェックの時に、水撒いて床磨いて…なんぞに時間を費やすこともできず、
正直この数日、「トイレ清掃」が全員ちょっといいかげんにも、それはなっていた。

だからショウさんのそれを見た時、一瞬、自分の頭の中で
「昼のトイレチェックの担当で、今日は暇やから(朝出来てない)床磨きもしてはるんかな?偉いなあ」
と解析もしたんですが、だが、毎朝個別に渡され持たされる業務割り当て表で確認したら、
ショウさんは今日のトイレチェック担当に全く一切被りもかすりもしていなかった。

っていうことは、今ショウさんはもう完全にこれを自主的にやっている…?



呆然と立ち尽くす私の気配に気付いたショウさんがパッと振り返ったので、私は焦った。
だが、焦っている私以上に何故かショウさんはもっと焦って、そして私のことを睨みつけてきた。
なので私はなんかもうこれは見なかったことにしてそのまま立ち去ろうと思ったんですが、
もう完全に目が合ってしまってるのにここで黙って去るのも逆におかしいと思い、




私「え、トイレ掃除してはるんですか?」



てかなにそれ志村!!!  (志村無関係)
そんなんもう、「見たまんまやろのアホ丸出し」の問いかけやん!!! 
あかん……もう絶対無視されるわ。
私はショウさんにもっと避けられ、そしてさらにまた嫌われるんや…。




ショウさんは私の予想通り黙って私に背を向け、またモップで床をゴシゴシ磨き出した。

そして、ちょっとしばらくしてから、ごく小さな声で呟くように、こう言った。



ショウさん「死んだ俺のお婆ちゃんがな、お便所は毎日お掃除せなあかん、って言うてたからな」



そのショウさんの言葉で、私の中にあった「ショウさん怖い」の霧がもう全部クリアーに晴れた。



か…、か…っ、かっこええーーーー!!!


なんてかっこええ人なんやこの人は!
みんなが暇でだらけてる中、なんなの人知れずこの人はトイレ掃除をしているとか!
しかも「誰もしないから俺がしてやってるんだ」的な他人を責めるようなそんな感じとは全く違って、
むしろ「うわ、見られた」ってことに言い訳までする、なにこの照れ屋な「平成のデビルマン」。
誰やねん「ショウさんは怖い人」とか思ってるやつ!なんにもどっこも怖いことなんかあれへんがな!
それどころか見てみろほら、あんな耳真っ赤にしてはるし、なんかもうごっつええ人やんか!!!


感動した私は、「ショウさんってええ人ですね」とマジで心の底から言いそうになったが
そんなん言うたらショウさんは耳どころか全身真っ赤になるかもしれんと思ったので、あえて、
「死んだお婆ちゃんがそう言うてはったんやったら、それはしょうがないですよね」と言ったら
ショウさんはとてもホッとしたような顔で向き返り、なんかもう満面の笑みで
「やろ?…ま~俺は、誰よりもお婆ちゃん子やったからな」と言い、
その様子がなんかとてつもなく可愛かったので、私はついついイタズラ心に火がつき
「先輩として…っていうか逆にもう人間的なレベルの話で、私はショウさんをなんか尊敬しますわ」と、
わざとしんみりモードで感傷的に言ってやったら、ショウさんはもう大慌てで顔を真っ赤にしながら
「いやあのほんま俺そんなんちゃうねんって!!!もうええから自分早よ店(店舗)戻りいや!」と言ったので
「大丈夫ですよ。絶対に誰にも言いませんから…(w)」とさらに追い討ちをかけ、私は店舗に戻った。



その事件があってから、何故かショウさんは私に積極的に話しかけてきてくれるようになった。
なんでショウさんが話しかけてくれるようになったのかはわからないが、なんとなく考えられることは、
私がその「ショウさんのトイレ掃除事件」を、本当に誰にも一切言わなかったからじゃないか、と思います。



…まあ確かに店のスタッフの誰にも一切、「あのこと」は口外していないが、
逆に今webで全世界に向けて「そのこと」を発信しているというある意味「鬼畜満開」な私なんですがwww



話戻って。




その事件があってから、何故かショウさんは私に積極的に話しかけてきてくれるようになった。
そして私もショウさんに、全然自分から積極的に話しかけられるようになった。

ショウさんが昔、理不尽な客にどうしても我慢ができずに店の外まで追いかけて行った話をしてくる。
私は、子どもの頃近所にいた変なおっさんをからかって怒らせて死ぬほど追い掛け回された話をする。
ショウさんが「得体の知れない落し物を拾ったんやけど、これは何するもんやと思う?」と言えば
私は「逆に置いて行ったものかもしれませんよ?これに託したメッセージはなんでしょうね?」と返し、
そうして、大喜利的なことをして、大笑いして。
そしていつしか、二人でしゃべってる時は元より、事務所で数人でしゃべってる時でも、
「逆にショウさんと私しか爆笑していない(発展が高度過ぎてみんながついて来れない)」
という現象が度々見られるほどにまで、なんかショウさんと延々フリートークが出来るようになった。



私は、もう今となっては「逆にもうどうでもいい話」なんやけど、ショウさんにちょっと聞いてみた。



私「てかね。私が入った最初の頃、なんで私には全くしゃべりかけてくれなかったんですか?」
シ「いや、俺はしゃべりかけてたで?でも自分、俺の話に全く乗らへんかったやんか~?」
私「絶対嘘w私ぶっちゃけショウさんのことなんか怖かったし、ショウさんにごっつ睨まれてましたもん」
シ「睨んでへんやろwwwてか、りちさん自分からしゃべらへんかったから、ほんま俺頑張ってしゃべりかけてたんやで?主婦の人やし、子どもさん居はるし、って思って、なんかそういう話題を振ってたのにりちさんもうさらっと流すし広げへんから、ああこの人はあまり家のこととか家族の話をしたくない人なんかな?って思って、ほな何をしゃべろう?って、俺は結構考えてたんやで?」

残念ながら、私にはそのような記憶が全くありません。

でも、気ぃ遣いのショウさんが言うそれが多分「正しい出来事」なんだろうなと今は思うし、
実際、「多分そのようであろう心当たり」が自分自身にもちょっとある。
何故なら、確かに私は、「なんか今自分が気ぃ遣われてる?感じ」で、
主婦・主夫経験や育児経験もない人から、「主婦ネタや育児ネタを聞きますよw」と話を振られても、
逆にもう「そのテーマ」をもさっさと自分から終わらせようとするし、確かにそれをしたかもしれない。
それは何故なら、
自分ばっかりしゃべって、相手が「へ~そうなんですか~」とか言うて聞いてるだけになるよりも
私は会話のキャッチボール、ないしは、会話のラリーをしたいと思うので…。

そうか。なんか、そうでしたか。
あの、ほんま、なんか色々すんませんでした。



こないだ、ショウさんと先輩のトシさんがなんか爆笑していたので、私はそこに噛んで行った。


ショウさん「~~~~…あかんわ~今日は俺のスタンドが出えへん!」
トシさん「スタンドがねwww」
私「(乗り込む)何を朝から爆笑してはるんすかw」
トシさん「(私を指して)ほら、居るじゃないですかwショウさんのスタンドww」
ショウさん「ああ居ったwww俺のスタンド来たwww」
私「てかスタンドって何っすか?ww…あ、ジョジョ…?やっけ?漫画の?」
トシさん「そうそう!wてか女の人はやっぱジョジョとか知らないんですね~」
私「なんかすんませんw…聞いたことあるかな~?ぐらいですね」
トシさん「でしょうねw」
ショウさん「っていうか、りちさんは女の人とかそんなん違って、なんかもうアレやん?」
私「なんか、もう、アレ。…なんかもうアレ、ってそんなん言われましたよ、トシさんどう思います?」
トシさん「僕は今どっちの気持ちもわかりますよw」
私「そんな中途半端なことばっかり言うてるから、トシさんはもてないんですよ」
トシさん「www」
ショウさん「wwwっていうか、ちゃうやんりちさん、いい意味で。いい意味で、な」
私「あ~、その言葉をケツに付けといたら世の中もう大概はなんでもセーフになるやろ、っていう?」
ショウさん「wwwそう、もう世の中大概なw」
トシさん「来ましたね、スタンドwww」



ひとつだけ思ったことは、


ショウさんと私が二人きりになった時になんかお互いギクシャクしてうまくしゃべれなかったのは
今思うともしかしたらですが、なんかちょっと似てるとこがあるからなのかも、それはしれない。


  1. 2009/11/25(水) 02:46:06|
  2. 仕事ネタ(現職)

「怖いい、人」・2

さて、 この 続き。


私が最初怖かったバイトの先輩「ショウさん」は、歳は27才、性別は男性です。
声が低くて背が高くて、男っぽいタイプの顔したわりと男前な、おもろい兄ちゃんです。
本業はミュージシャンなんですが、ショウさんはその本業のことは店ではもう全く話さないです。
私が「ショウさんの本業がミュージシャンであること」を知ったのは、彼のプライベートトークからではなく
店に来はったミュージシャン仲間さんらとの会話を偶然にも聞いてしまったからでした。

私「…音楽家さんやったんですか?しかもライブとか…。今度ショウさんのライブ行きますよw」
ショウさん「いやもうあの俺そんなんちゃうし、てか身内にライブ来られると照れるからマジでやめてw」

って、ショウさんはなんかそんな人です。



さて、時はさかのぼり。


私がこの店に入ったのは今年の1月中旬でした。
年中無休で朝晩やってる店で30人の仲間の顔と名前を覚えるのは困難だったが、
ショウさんのことは、もう、すぐに覚えた。
ショウさんはかなり古株のようで仕事が出来て、「バイトリーダー」的な人で、
自分の担当の売り場を持っていて、その売り場の発注や在庫管理業務も全部やっていて
バイトの連中は元より、先冬に移動になった前の社員さんや前の店長にも、
ショウさんは信頼されていて、店のみんなから慕われていた。
ただ、ショウさんはいわゆる「熱血体育会系」な「俺についてこいや」タイプとはもう全く違って、
逆に、「こんなん無理っしょ~」とか「えー。俺もう帰るわ~」とかネガティブ的なことを好んで言い、
休憩室や事務所はいつも、そんな「出来るショウさん」の発信するネガトークで笑いに溢れていた。


でも、私はこのショウさんという先輩が、なんかちょっと怖かったんですよね。


なんでショウさんが怖かったかというと簡単な話で、
その「低い声」とその「尖った目尻」を、「怖い」と、私はそう感じたんですよ。
まあ私も声が低くて、「最近はだいぶ柔らかくなった」と言われるが元来尖った目尻をしているので、
低い声とキツい目に関しては逆に人のことは言えないんですが、ショウさんの「それ」がなんしか怖かった。
彼の発する「こんなん無理っしょ~ネタ」を、
「ショウさん、なんかマジでキレてはるんちゃう?」
と、最初は内心そう思って、ちょっとビビッてましたしね。

そしてさらに、
今ならもう「硬派」とか「気ぃ遣いな人」とか「めっさ照れ屋」と十分わかっている彼の性質を、
『ショウさんは怖い』というファインダーを通して見ることによって、
「ぶっきらぼう」とか「女はうざい」とか「一元さんはお断り」ってな感じに見えたんですよね。

それに加えて、
みんなといる時はあんなに楽しそうに笑って話しているのに、
私とたまたま休憩室で二人になった時はもう一切、もう全くもってしゃべりかけてこないし。

さらには、
女がうざいくせに(←私の勝手な印象+想像で)、
同じ朝番のキョーコさんや、もう一人の主婦パートの先輩や、独身アラフォーの先輩には
「今日、晩ご飯何しますのん?」とか、「え、子どもさん確か中学生でしたっけ?」とか、
なんかそうして自分からもうどんどん話しかけているのに、
私に対しては話しかけてくるどころか、すれ違い様に目が合っただけで「何かガン的なもの」をつけてくる。

よって、
「ぶっちゃけ、ショウさんは私が嫌いなんじゃないか?」と、私はそう思っていた。


私は、好いてくれる人にはごっつ好かれますが、嫌われる人にはもうとことん嫌われます。


今でも忘れもしない、てか逆に一生忘れないのは、
独身の時に勤めていた会社の大阪支社の女の先輩に、私はなんか嫌われていたんですよね。
私が入社して間もなくの頃から、一回も直接絡んだことのないその先輩になんか私はごっつ嫌われていた。
そのことは風の噂で…ってか、課の宴会の時デリカシーに欠ける当時の上司からもうズバリ直接聞いた。
「こないだ大阪出張行った時、大阪支社のあいつがおまえのことを大嫌いやって言うてたわwww」と。

だから私はね、社員旅行の宴会でその先輩と顔を合わせた時、その先輩のとこにわざとお酌をしに行って
「なんか私のことが大嫌いらしいですね?なんで私のことが大嫌いなんですか?」と聞いたんですよ。
そしたらその先輩が怒りに震えながら、

「あんたのそういうとこが大っ嫌いなんや!あんたのやること成すことが全てもうムカつくんや!!!」

と言い放ち、逆に予想通りすぎてうっかり爆笑してしまったら、
さらにまたそれが先輩の逆鱗に触れたようで、「ほんっまムカつくわ!死ね!」と言われた。

その先輩は辞められるまでずっと「京都本社のりちは一生嫌い」と大阪で言い続けていたらしい。
それを聞いた私は、「てことは、先輩の生涯の記憶の中にずっと私のことを残してくれはるんや」と思って、
逆に、私もその先輩のことをずっと一生忘れないようにしようと思った。
その先輩は一生私のことが嫌いかもしれんが、私は、
私に面と向かって「大嫌い」「死ね」と言ったその先輩のことが、なんか好きでした。



話戻って。



ただ、そんなふうにして自分のことを嫌っている先輩に対して

「私のことがなんか嫌いなんですかあ~?www」

とか、そんなんをやれるのは多分ほんまに若い内だけで、
自分よりひと周り近く年下の先輩に対して今の私が同じことをしても
それは先輩のショウさんにしたら、

「おばはん、マジでもうええし(怒)」

とか、そんなふうに思われたらこれはますますあかんことになる、と私は思ったので、私は、
「私のことが多分嫌いで、私になんか距離を置くショウさん」に、私も私で、
「ショウさんとの距離」を、置いていた。

でもそうしてお互いが距離置きをしていてもそれは一生その距離が縮まるわけはないので、
私は、「いつかはやはりこの怖い先輩のショウさんに私のほうから展開しないといけない」
と、そう考えてもいたが、私はその機会を全然まるで見出せないでいた。


そんな中、私は「逆に、ショウさんの絶対に見たらあかんとこ」を見てしまった。


そしてその事件から、ショウさんと私の距離は加速度を増して縮まった。


つづく

  1. 2009/11/19(木) 01:48:49|
  2. 仕事ネタ(現職)

「怖いい、人」

さて。

「私のホンを全部口頭で言うから誰かどんつきを更新してくれ!」

と、そんな泣き言を言いそうにもなった入院騒動の長編を書き終え、
やっと通常営業に戻った、ここ「どんつき~」です♪(←精一杯の茶目っ気)



さて。

今日はお昼休憩の時に、職場の後輩のゆうすけと一緒にうちで昼ご飯を食べました。
私はいつも昼は家に帰ってなんか適当にパパッと作って食っているのだが
ゆうすけくんはいつも店で売っているカップラーメンとかを休憩室で食っていて
「僕もお昼休み、りちさん家に行きたいなー」とずっと言っていたのだが
ゆうすけくんと私がシフト一緒になった時は
もう100%の確率で交互に休憩だったので今まではずっとそれが叶わなかったのだが、
今日は人が多かったこともあってか初めて、ゆうすけと昼の休憩時間が一緒だった。

ゆ「今日お昼行ってもいい?店で(自分の分の)カップラーメンか何か買ってから行くわ!」
私「(てか今さら何それ水くさいw)どうせ自分の昼ご飯作るついでやしあんたの分も一緒に作ったるがな。冷蔵庫にあるもんのあり合わせやけどかまへん?」
ゆ「えっ、マジでー?ほんまありがとう!…じゃあ、ジュースとお菓子買って行くわ!」
私「……。(…ジュースとお菓子を買って行くわ???)」

私は普段からジュースも飲まないしお菓子も食わないのでその辺のことが全くわからんが、
「昼飯食った後にすぐさまジュースを飲みお菓子を食べさせられるの???」とか、
「何かの罰ゲーム?」的なそのことを考えただけでもうちょっと気持ち悪くなりそうになったんだが、
何のこっちゃない、ゆうすけのその手土産は「いちごちゃんとももちゃんに」でした。


脅かすなよ!!!


てか、逆におまえ、多分結婚して子どもでも出来たら、
「家族ぐるみの付き合い」とかも巧くできる、なんかいいパパになると思うわ、となんとなく思った。


ってな感じで、

ご飯と、ほんまにあり合わせの卵とほうれん草の炒めものと焼いたウインナーと即席味噌汁を食いながら
「実はバイト辞めようかなと思ってんねんか~。なんか最近おもろないし、時給も安いしさー」
「また時給の話かwそれは置いといて、どんな仕事でも慣れたら一緒やで。おもろないなら、またおもろくなるように自分の働き方を変えてみいや。…つーかあんた春に就職決まってんのに今からどこが採ってくれる?」
「ん~。短期のバイトとかしようかなあ~って。クレカ売るようなんとかようあるやん?」
「あー、なんか街頭に立って、申し込みしませんかーってキャッチするやつ?…キャンペーン商品の栄養ドリンクもよう売らんようなやつが、逆に街中歩いてる客を捕まえられるんかいや?」
「確かにwww」
と、親友であり可愛い後輩・ゆうすけくんの人生相談?に私は乗っていた。

…ってここだけ聞いたら、
よもやゆうすけくんが「仕事できないやつ?」みたいにも思われるかもしれないが、ゆうすけは、
「ちょーりちさん来て。…これな、ここまで出来てるし続きやっといて。僕15時からレジやから」
とか言うて、先輩の私をも顎で使うほど業務内容全体の把握と調整が抜群に巧く、
また、どんなに店が混んでる時でも、
レジの金銭誤差も、客からの対応クレームも出さない「出来るやつ」なんですよ。

ちなみにそんなゆうすけくんと私の「逆の関係」について入社二年目社員のYさんはなんかツボらしく、

Yさん「ゆうすけくんに、ちょーこっち来てくれへん?とか言われて、りちさん、はいはい言うて行くしwww」
私「wwwあいつはね、なんかもう一回しばかんとあかんですねwww……でもね、あいつはやっていい人・まずい人をちゃんと見てそれをやってると思いますね。だからまあいわば確信犯的なものですよね」
Yさん「うん、そうかもしれないw」
私「ほんま頭いいと思うんですよ、あいつ。常に店全体のことを見て自分が動いてるしね」
Yさん「ですよね。それは私もそう思います」
私「でしょ?wだからゆうすけくんとシフト一緒やとほんま仕事が捗るし、やりやすいんですよ。みんなも多分それを感じてると思います。だからあいつには、りちさんちょー来て~的な扱いされても私は全然いいんですよ。あいつが現場を指揮ることで店全体が効率的に廻るなら、私は、はいはいって従うし行くんですよ」
Yさん「りちさん、なんか大人ですよね…」
私「…ただまあ、あいつのことはもう必ず確実にいつか一回絶対しばいたるねんと思ってますけどね」
Yさん「wwwww」



話戻って。


だから、「キャンペーンの売り込みも出来ひんくせにw」というのはある意味うちらの中のネタ的なもので。
…てか、そらまだ22、23才だかの若い彼がね、
ヘンコなおっさんや口達者なおばはん客相手の売り込みに奥手になるのもしょうがないと私は思っている。
ああいうのは、私ぐらい歳を重ね、断られても断られてもいちいち傷つかずへこまずに
「ほな明日またお待ちしてますからw」とか言えるぐらい、ある意味ずぶとくならないと無理だと思う。


あ、ゆうすけ話~にちなんで私信ですが、ゆうすけくんの友達くんへ。

その節は、私の突然の入院騒動で「土曜のご飯食べ」をポシャらせてしまってほんまごめんなさい。
ゆうすけくんから聞くところによると君も今月は忙しいらしいようなので
来月、年内には是非お招きしたいと考えていますので、またゆうすけくんを通じて連絡します。
「アーティストとしての卒業制作」、中途半端に妥協せず、限界まで頑張ってください。



とまあそんな感じで。


ゆうすけくん念願の「りちさん家でお昼休憩」を達成し、
まさかの昼ご飯までご馳走になり更に人生相談的なものにも乗ってくださった私に対して
可愛い後輩であり、かつ、今や親友であるゆうすけが、びっくり仰天の暴露をした。



ゆ「僕な、最初りちさんのこと怖かったんやで」


私「ハア…?私のことが、最初怖かった???」
ゆ「だって新人挨拶廻りの時に、僕がよろしくお願いしますって挨拶して廻った時、キョーコさんは、こちらこそよろしくお願いしますね~ってにこやかに挨拶を返してくれはったけど、りちさんは(おまえ誰や?的な感じで)『あー』って首で頷いただけやった」
私「いや待てwwwそれは絶対にあんたの記憶違いや!私が初対面の人間に対してそんなことするわけないやんか!…あ、わかった。それは逆にあんたの私に対する今の後付けのイメージでその時の記憶がなんか変に塗り替えられてるんやわ!人間はわりとそういう生き物やから。…あのな、私は初対面の印象はかなりいいほうやし、そして後輩のこともほんまに最初から大事にしようとして接してるよ?」
や「うん、逆に今はそれがわかるねん。りちさんが初対面の人間や後輩に対してそんなんせえへんていうのも今はもう十分わかる。だから、なんかあの時、キョーコさんとりちさんが何か話込んでる最中に何か僕が割って挨拶してしまったんかなとも今は思うし…。…でも、りちさんのあの時の態度は酷くて怖かった!最悪やったで!この人とは、なんかアカンわと思ったもん!」
私「え~~~。ちょー待てやおまえww…なんかそれ絶対あんたの勝手な被害妄想ちゃうん?」
や「てかほんまやしwww」



ゆうすけの、私に対するその「一方的な第一印象の誤解」を必死で解こうとしながら、
私は、「こんなこと、逆に以前にもあったよな…」と、自分の過去を思い出していた。



私は、この店に入った当初、先輩の「ショウさん」のことが最初ごっつ怖かったんですよね。


つづく


  1. 2009/11/18(水) 01:41:50|
  2. 仕事ネタ(現職)

天使のウインク・5

さて、 この 続き。


「闘病ネタ?カテゴリー」に入れているのにオカマの話ばっかり書いているので
もう今や誰もが忘れかけているかもしれない、私の「心外膜炎の疑い」についてだが、
連日の検査により、それがあの胸痛発作の直接の原因である疑いは一応晴れた。
では何が原因なのかというと、「正直わからない」という答えが主治医から返ってきた。

呼吸困難に陥るほどの強い胸痛且つ採血からかなりの炎症反応が出たことと、運ばれてきた時の心電図と心エコーの検査結果で気になることがあったので「心外膜炎」を疑い、今もこうして循環器病棟に入院してもらって色々と調べているわけですけど、てかあなた元々特定疾患をお持ちなんですね?…となると、あの胸痛発作及び左上半身全域痛も血液からの炎症反応も何処の何が原因なのかがもう尚更特定しづらく、そして、ヒントとなる痛みも炎症反応も熱も血圧も順調に下がってきている今となってはもうますますその大元の出所がわからない。よって、これからも検査は続けていくわけですが原因の追求にはかなりの時間を要し、ぶっちゃけ言いづらいが長い時間をかけてあちこち調べていっても結局のところは原因を特定することはできないかもしれない可能性が非常に高いのですがそこはなんかご理解ください。 と。


…てことはつまり、原因が特定されるまで(いや、されないかもしれないが)
なんしか、かなりの間、私は「ここから出られない」ということではないのか…?


えーっ。


私が「あれから発作も胸痛も治まってるし、あの…もういいです」と言ったら、
主治医の先生に「もういいとはどういうことですか!」と叱られた。

っていうか、「なんぼ調べてもようわからへん」などということは私にしたらある意味慣れっこなので
「原因がわからん発作に侵されるなんて終わりやん」と私は私を投げたわけではないし、まして、
「原因がわからへんのは先生の力不足や」とかそんなふうに先生にサジを投げたわけでもないし

私が言いたかったのはただ単純に、

「治療の部分がクリアーしてこの先は延々と原因を特定するための入院になるなら、あの、もういいです。ただでさえ幼い子どもら置いて入院してるんで、出来たら早く退院して家に帰りたいんで」

だったんですが、言葉って「受け取り側の状況と心次第」なんで、ほんま難しいっすね。


ただ、私が思ったのは、先生のこの口ぶりではなんとなくだが、例えば
「一旦退院して、あとは通院で追々」という形で、「検査はちゃんと受ける」と約束すれば
なんか頑張ればもしかしたら早めに退院許可がおりるんじゃないかと私はそう思い、
もう「神様からの出題」とか「この入院中に拓くべく悟り」とかもう全部そっちのけで、
朝か晩の回診の時にしか病棟に帰ってこない先生の代わりに
検温やら血圧測定やら採血やら検査室移動やら食事運びの看護師看護師を捕まえては、
「出来れば早く退院したいんですという旨」を、多分うざいぐらいにやたらと訴え続けた。


看護師さん「お子さん、まだ小さいんやったよね?」
私「そうなんです。しかも来週から上の子が学校から宿泊研修に行くんです、近畿の端っこまで」
看護師さん「お母さんとしてはそれは気になるよね」
私「友人たちが色々支えてはくれてるんですが、もし退院できるものならやっぱ私が朝お弁当作ってやって、いつも通りに娘を家から送り出してやりたいんですよ」
看護師さん「う~ん。そうか~。でも、お母さんの健康が子どもの一番の幸せやからね…」
私「はい……(くそー、あかんか。使えへんやつらめ)」



同室の原田さん(仮名)が、看護師さんが検温やら何やらでカーテンを開けるたびに
「(私は)退院か?退院決まったんか?…なんや退院ちゃうんか。ほなあんた何しに来たんや」
と毎回しつこく聞いて魅せていたのを横目で見ながら

「っていうか退院させられるもんなら(逆に病院側が)させたいやろ」

と思っていた私がまさかの「退院クレクレ厨」になってしまったわけだが
その原田さんに対する「あれ」とよろしく、私の「これ」についてもあんまり取り合ってもらえなかった。


そうしてもう半分ふてくされていた三日目の夕方の検温の時、

「は~い、みなさん失礼しますよ~♪」 とやって来たのはヤマナカさんだった。



私の思い過ごしかもしれないが、
ヤマナカさんは彼氏さんに会ってから、なんかちょっと私に冷たくなった。
いや冷たくなったっていうか、その笑顔の向こうに「挑戦的な眼差し」が見え隠れするようになった。
白衣の天使って言うても、実際「女」ですからね。
って、オカマのヤマナカさんの場合は逆にまたそれも微妙な話になるんですが、
なんしか、「女」が濃い人はもういつ如何なる時も、なんか「女」が濃いんでしょう。
実際、彼氏さんが面会に来るたびにヤマナカさんは彼氏さんに流し目を送っていた。

私「なに誘われてんの」
彼「知らないよwww」
私「知らん、やあれへんがな。誘われるってことはな、かっちゃんにも誘わせるような隙があるんですよ」
彼「てかヤマナカさんはさあwww(男?じゃないの?www)…えっとあの、なんかごめんなさい…???」

私に近いツレ連中からは「ピュア僧ww」とか言われて弟扱いを受けている彼氏さんですが
いちごの小学校のママ友やPTA仲間、ももの保育園のママ友や保護者会仲間、私の職場の同僚からは
「カッコイイ」「優しい」「スマート」「誠実」「精神年齢が高そう」などと言われてやたら人気があり、
さらに私の知らない「彼氏さんホーム」でもまた彼にどんだけ人気があるのかは知らないが、


ひとつだけ言いたいことは


水面下で彼氏さんを奪おうとなんか画策している女(雑魚)がどんだけいるかは知らんが
こうして真っ向から「このりっさん」に勝負してきた女???はヤマナカさんが初めてなのだ。
私がハタチの頃に夜の街に出て「脅威」と感じたことは、やはり間違ってはいなかったのだ。


「オカマには、なんか負けるかもわからん」



話戻って。


そんな初めての恋のライバルでありつつも、逆にある意味「女」以上に「女」のヤマナカさんなら、
なんか情にほだされてくれることもあるんじゃないか?という期待も込めながら、私は頑張った。

私「だからね、週明けまでにとりあえず退院したいんです。出来れば今週の土曜日にでも」
ヤ「とりあえずで退院しても検査には来てもらわなくちゃいけないのよ?」
私「わかってます、それはわかってます。必ず来ます」
ヤ「ここで安静にしているからこそ胸痛が治まってるだけかもしれないしね~」
私「それもわかってます。退院したからってすぐにMAXで動いたりしませんから!」
ヤ「…あのね、りちさんごめんね。あたしたち看護婦にはりちさんの治療計画を立てることも入院計画を立てることもできないの。…でも先生にはりちさんのその思いをちゃんと伝えるから。今夜、病棟に絶対来てくださいって言っておくわ。子どもさんのことだって、心配だもんね?」



ヤマナカ!!!ナイスヤマナカ!!!あんたGJ!!!



てか

「あたしたち」 「看護婦」 と言い切った件について。


「たち」って、逆にどのグループのククリやねん?あんた確実にある意味今ここで「無二」の存在やん
つーか看護婦言うてるけど「婦」ってもう思い切り「女辺」が付いてるんですけどあんたオカ……



そんなヤマナカさんの働きが多分かなりあったらしく、主治医が夜に病室に来てくれて
「退院予定日当日の起床一番の採血結果を診るまではまだ保留ですよ」とされながらも
私は、水曜未明の緊急入院から四日目の土曜の午前中に退院の目処が立ちました。

数ヶ月単位で入院されている同室のお姐様方からは

「こないだ入ってきたと思ったら、えっ何?もう退院しはるの?」
↑まあ、息子夫婦の世話になり年金生活してるおたくの「一日の時間」と私の「一日の時間」は違うんで。

「若い人は回復が早いしええわねえ~若い人は若いっていうだけで得してるわ」
↑いや、そんな言わはるほど若くもないし、てかおたくにもそんな頃があったんでしょうが。

「最近の若い人はちょっとしたことで救急車をタクシー代わりに使うしな」
↑黙れババアそれは何情報やねん!?また「テレビの話」か!逆にタクシーで来たわ!

などなど、退院(見込み)について数々のご祝辞を賜った。


先生が去ってしばらくして、ヤマナカさんが「どう?先生来てくれた?」と病室に来て
「はい。さっき来てくれはって、明朝の採血結果が良かったら通院検査に切り換えてくれるって。ヤマナカさんのおかげです。ありがとうございます」
と言うと、ヤマナカさんは
「あらそう~良かったわね~。…言ってみるもんよねw」と言って、ウインクをした。
てかなにそのウインクwwwやっぱ昭和の少女マンガでしか見たことないwww

…つーか。はは~ん、そういうことか。なるほどね…。



記・ オカマ、 松田聖子を 「逆に」 越える。



ちなみにこれは実際に私が入院案内の資料として渡されたプリントの裏にメモ書きした内容である。
つまりこれが、「この」ことこそが、今回、神様が私にかけた問いの答えである、と私は完全に悟った。


答え 「茶目っ気を持て。」


「んなわけあれへんがな」というのが口癖であり、遊び心のかけらもない超現実主義者の私が
このところ時間に追われまくる生活をしている中でさらにもうハイスピードで失う一方の「茶目っ気」を
神様は、「緊急入院」という非現実的な状況を無理から私にお与えになり、
さらには「オカマの天使」というこれまた非現実的な使者を遣わせることによって、
私にそれを考えさせる、なにか「きっかけ」を下さったのだ。


とはいえ、性格というものはなかなか簡単に変わるものではない。
だが、子どもらのことも含めてたくさんの人々に支えられながら得たこの「悟り」を
例えばこの先、自分がいっぱいいっぱいになって切羽詰った時ほどよほど思い出して
なんかこう、ウインクのひとつでもしてみるかな、と、私はなんかそう思った。



[天使のウインク・5]の続きを読む
  1. 2009/11/12(木) 23:54:34|
  2. 闘病?ネタ

天使のウインク・4

さて、 この 続き。


胸痛発作が治まり、かつ、自食できているということから、まずは点滴を外してもらい、
続いて、血中酸素量も順調に90%を推移しており、もうほぼ心配ないということから、
日中は酸素チューブと血中酸素量を測る指のクリップも外してもらい、と、かなり身軽になった私だが
依然、左胸の24時間監視型心電図モニターの機械は取ってもらえず付きっぱだったので
絶対安静は一応解けたものの、循環器病棟のフロアーから出ることはまだ許されなかった。
何故なら監査室であるナースステーションから遠ざかると心電図の電波が届かなくなるとかで。

だが、その時の私には、
「この真下にある一階の売店で立ち読みすることすら、まだできないのか…」
というような類の悲壮感は全くなかった。
何故なら、そんなことよりも今私に与えられている使命を私はもう見つけてしまったからだ。


オカマのヤマナカさんについての観察。


ヤマナカさんが、いわゆる「おねえマン」な人であるのはもう判ったが
彼女の中にある男と女のパーセンテージは果たしてどれぐらいなのかがわからない。
もっと言えば、「ヤマナカさんの性自認はどっちなのか?」ということだ。
産まれもった性を越えようとする人と付き合うにおいてそこを間違うともう致命的であると私は考える。
そこをうっかり間違ってしまうと、彼ら彼女らはまさに計り知れないほど傷ついてしまうだろう。
だが、彼ら彼女らは例えそれを傷つけられたとしても、その傷つきについての主張をあえてしない。
何故なら、「むしろ自分のほうがおかしいんだ…」という思いがきっと常にあるんだろうと私は考える。

ですから例えば今回のヤマナカさんの場合でいうと
ヤマナカさんが「私は身も心も女性なのよ。なんてったって、私はナースだし♪」と思っているなら
それは完全に女性として接しなくてはいけないし、ではなくて
ヤマナカさんが「私は心は女性なの。だから私ってば、なんちゃってナースなのw」と思っているなら
概ね女性、ネタ的に男性ぐらいで接して、なんか多分オッケーなんですよ。


そうして私がヤマナカさんを観察し、また細心の注意を払いながら彼女に接しているのも関わらず
同室のお姉様方は、オカマ言葉満開で女形のような一挙手一投足をしているヤマナカさんに対して

「あんたは100%男」

的な発言と接し方を平気でしていたので、逆にそれを見聞きする私のほうがなんかもうハラハラした。


例えば、藤田さん(仮名)の清拭の時。

藤田さん「男の人に体拭いてもらうとか悪いなあ~」
ヤマナカさん「いいのよ~」
藤「でもほんまはいややろ?男が女の体拭くなんて情けないやろ?」
ヤ「……藤田さんはいや?」
藤「私はいややないよ。でもあんたがいやなんちゃうかと思ってなー。男が女の体拭くなんてなあ」
ヤ「だってお仕事だもの~」
藤「なんぼお仕事でも男が女の世話するとかいややろ」
ヤ「ぜーんぜんいやじゃないわよ~」
藤「そんなん男がする仕事と違うやろ?女の体拭くとかほんまはいややろ?男が女の世話するなんか情けない事やで。男が女の世話するとかな…………」


っていうか藤田の姐さんしつこい!ハウス!!!


例えば、中川さん(仮名)の検温・血圧測定の時。

ヤマナカさん「血圧、すごくいい感じよ~」
中川さん「そうですか~そらおおきに」
ヤ「先生もきっと喜んでくれはるわ~。中川さん、お薬もちゃんと飲んでくれてご飯も残さんと食べてくれて、本当に頑張ってくれてはるものね」
中「先生、喜んでくれはるかー。それは嬉しいわ。そやけど、先生も大変やけど、あんたら看護婦さんも大変やなあ。朝来たり(出勤のこと)夕方来たり、夜中に来たりしてなあ…」
ヤマナカさん「そうね~。実は大変なお仕事なんですよ~w」
中「あんたも体壊さんようにせんとあかんよ」
ヤ「いや~ん、ありがとうね~。中川さん今日は優しいのね?お熱があるんと違う?w」
中「男やからって、人よりきばったら(頑張ったら)あかんで」
ヤ「そうね~。だけど女性の看護師さん達もみんな頑張ってるのよ~。さあ、中川さん、お熱計ってね」
中「女の看護婦は冷たいしキツい。私はずっとあんたに居てほしいわ」
ヤ「あらあらw…さ、中川さん、そろそろお熱計ろうか~」
中「女の看護婦はあかんわ。キツい。男の人のほうがかえって優しいわ。女はいらんわ、女はいらんで。女はキツいからな、女は…………」


っていうか中川の姐さん早く熱を計れ!
この空気を読め感じろそしておまえもハウス!!!



神様からの出題に挑み中の私は一人黙々とその答えを見つけるべく悟りを開こうとしていたので
概ねベッド周りのカーテンを閉め切って下界を一切遮断し、いわば「スーニャ」の世界にいたので
そんな時折々のヤマナカさんの表情を全てタイムリーにうかがうことは出来なかったが、
そのようにさらりと「男」認定される時、ヤマナカさんの声のトーンが若干下がるのを聞き逃さなかった。
でもやはりこう、なんかイマイチ決定打に欠けるというか…
例えばお茶やお花や踊りの名家なんかで女性に囲まれて育った男性などは
物腰も柔らかく穏やかでちょっと中性的なところもあるので、そっち系かなとも思ったが
だがそれにしても、「逆に私がこれを学んで今後、店で爺婆おばはん相手の話術に生かしたい」と思うほど
お姉様方を巧みにあしらう、このヤマナカさんの「オバハントーク」はなんか完璧であり、
これは「普通の」…というと御幣があるが、「概ねが男性」の人にはなかなか出来るものではないのだ。
何故なら、これは確かに私が若かりし頃におかまバーで見た「それ」そのものなのだから。



そうしてヤマナカさんに釘付けになっている私の元に、いちごとももを丸投げされている最中の彼氏さんが
「誰もが実質守っていない面会時間」をアホみたいにちゃんと守って、午後2時以降に面会に来た。
彼は、私が一番心配しているいちごとももの様子をまず一番に伝えてくれた。
「…そんな感じで二人とも元気にやってるし、俺が仕事で無理な時は、ももの保育園の送り迎えのことも含めて、ミニャさん・とみぃさんに協力してもらえるよう頼んであるし、今月一杯は子どもたちのことについての段取りがついてるから。だからりちは何も心配しないで、とにかく今は自分の体のことだけを考えてゆっくりしてなよ」
と言った後、「で、りちのほうはどう?」と聞かれたので、私は
「うん。あのね、かっちゃん(彼氏さん)ちょっとこっちに来てくれる?」と言って病室を離れ、
心電図モニターがギリで働く、病棟の廊下の一番隅の隅っこのベンチに彼を誘導して、言った。


「あのね、うちの病室の担当の看護師さんがね、コレ(右手を揃えて左の頬に当てる。古より伝わるその典型的表現法を再現)なんですよ」



彼氏さんは
「おまえはこの期に及んでまたそれかwそんなんかwwwどうしてそういつもおもしろおかしいほうに話を持っていこうとするんだよアンタはwww」
みたいな目で私を見つつ、「いや、でもほら看護師って女社会だからさ~」と言った。

私「あ、なんか、女社会だから少しぐらい女化もするやも…とかいう話やと考えてる?」
彼「違うの?w」
私「全くもって違いますね。そういうレベルの話とは違うレベルの話なんです、ヤマナカさんのことは」
彼「そうなんだ?w」
私「そうよね~、あるわよね~(声真似)とか言うて、しかも歩き方はマリリン・モンローよりもむしろモンローなほどのモンローウォークなんやで?歩く時の両手の位置はペンギンみたいにこう、腰の横に据えてな、指先を上に向けてぴょんと上げてはるねん」
彼「んなやついないってww」
私「だってほんまやもん!!!」
彼「てかあんた入院してるんだからちゃんと大人しく休んでなさいwww」


「あんまり病室を離れるのもあれだから」、と彼氏さんに促されて病室に戻る途中も、
私の陳情はずっと続いていた。

私「なー、かっちゃんってば!ちゃんと聞いてよ!!!」
彼「うんうんw」
私「ほんまにほんまやねんってば!オカマの看護師がこの病棟にいるんですよ」
彼「ないないw」
私「チッ(←舌打ち)あんたもヤマナカさんに会うたらわかるわ!」
彼「はいはいw」


まるでそれは

「おかあさーん!あそこの戸のとこにオバケがいるよお~」
「何を言ってるの。オバケなんて本当はいないのよ」
「いるもん!ほんとにいるんやもん!!だって見たもん!!!」

みたいな親子の会話さながらだった。くっそー。


ひとつだけ言いたいことは


自分が信頼しており、かつ、自分の大好きな人が
自分の気持ちをまるでわかってくれようともしないという悔しさは
子どもでも大人でも、それは同じことだ。





話戻って。



そうして病室についてベッドに並んで座り、またしばらく近況報告の雑談などをしていたら
なんとタイミングのいいことに

「○○さ~ん、昼食後のお薬はちゃんと飲めたかしら~?」

というヤマナカさんのその声がフレームイン(入室)してきたので、私は

「ヤマナカさん来た!彼女が(オカマの)ヤマナカさんだよ!!!」

と彼氏さんに目で訴えたら、彼氏さんはなんか横で固まってしまっていた。





ほら見ろ!!!だから言うたやろが!!!




ヤマナカさんが病室の患者の一人ひとりになんか話しかけているのを私たちは声を殺して聞いていて
そしたら、「りちさ~ん、おかげんいかが~?カーテン開けますよ~」と言って、
ヤマナカさんが私のベッドのカーテンをそっと開けた。

念のため言っておくが、別になんかこう「いちゃついて」いたわけでもないのに
ただベッドに並んで座っている「だけ」の私と彼氏さんを見てヤマナカさんは
「あらっ、まずいとこ見ちゃったかもw」みたいな「思わず」といった感じで手を口元に当てて息を飲んだ。

つーかそれ、昭和の少女マンガにしか出てこないだろ、なにそのリアクションwww
というそんな動きを魅せた、乙女よりもうなんかだいぶ乙女なヤマナカさんは、
気を取り直して彼氏さんに一礼してから、私の今の体調や痛みの具合などを聞き、
明日の朝にまた心電図の検査と、今日の夕方にまた採血があるという情報を教えてくれて、
去り際に妖しい流し目で彼氏さんのことをもう一回見て、そっとカーテンを閉めて去った。


彼氏さんは半笑いと苦笑いが混じったような複雑な顔で、さらにますます固まっていた。


その彼氏さんの反応から、それがある意味私の中での「ヤマナカさんの決定打」になった。
神様からの出題を解くにおいて、彼氏さんは本当にいい仕事をしてくれたと彼に感謝しています。

てか、私の入院が長引くと、
私の状況を聞くべくナースステーションに足しげく通うであろう彼氏さんが
そのうち「犯られる」かもしれないなwwwと、ちょっとそう思った。


次回、ようやく完結編に続く




  1. 2009/11/07(土) 00:15:26|
  2. 闘病?ネタ

天使のウインク・3

さて、 この 続きです。

私が入院することになった循環器病棟の看護師はどうやら三交代制で勤務しているようで
早朝から夕方までと、昼すぎから深夜までと、夜から翌朝まで、という具合にオーバーラップしながら
ひとつの病室につき三人の看護師が入れ替わり立ち代わり、入院患者の看護を担当していた。

私が、うちの病室担当の看護師の一人である彼女に最初に出会ったのは、
二日目の早朝、起床時の検温及び血圧測定の時だった。

深夜未明に突如として「考え」を始めた私はいつのまにか寝てしまっていたようで
まだ夜明け前の薄暗い中、恐らく6時前頃に、
廊下と病室の照明を点けながら、「おはよう、○○さん。検温の時間ですよ~」と、
一人ひとりのベッドを訪れては小声をかけていく、彼女のその気配で目が覚めた。

六人部屋のこのベッドの並びの順番的に次は私だな、と思って寝ながら待ち構えていると
私のベッド廻りのカーテンが、様子を伺うように遠慮がちに静かにそっと開き、
背が高くて肩幅が広い、でっかい女…もとい、健康的に体格のいい看護師さんが現れた。
その落ち着いた雰囲気から、歳の項なら私と同世代か二つ三つ上かな?と思った。

「りちさんおはようございま~す。今日この病室を担当させていただきます、ヤマナカ(仮名)です~。昨日の夜中に入院してきたのよね?苦しかったよね~?今、胸の痛みはどう?大丈夫?」
とか言いながら、彼女は私の腕を取って血圧を計った後、体温計を手渡して
「お熱は自分で計ってね。あとで体温計を回収しに来ますのでw」
とか言って、またカーテンを閉めて去って行った。


寝起きの私は当然コンタクトをしてなかったので、ヤマナカさんの顔がよく見えなかったが
彼女が優しい笑顔でほほ笑んでいることだけはなんとなくわかったので
私にとってヤマナカさんの第一印象は好印象で、なんかいい看護師さんだと思った。


ただ、ヤマナカさんが私にかけてくれたその声が
欧陽菲菲、或いは小比類巻かほるバリのハスキーヴォイスだったので、
寝起きで半分ボケていながらも、常に「笑い」を忘れない私は、

「ゲイバーかw」 と、心の中でそう一応ツッコんだ。



ヤマナカさんは本当に心根の優しい看護師さんでね。
「平均年齢推定80才」の同じ病室の入院患者(お姉様方)が、

薬ストライキを起こして「心臓の薬も血圧の薬も絶対飲まない」とゴネても
「嫁が何時に面会に来るのか聞いてくれ」と、仕事中の息子の嫁の携帯に一時間毎に電話を要求しても
「お父さん(旦那)に着替えを持ってきてと頼んだら、わからんから娘に言えと断られた」と嘆いても
「さらには娘に、お父さんが自分の身の回りのことが出来ないのはお母さんが甘やかしたせいや。そのことで私が迷惑していると責められる」と愚痴っても
病院食は味がないから美味しくない、どこその店のお漬物が食べたいとワガママを言っても
「手が痛い足が痛い腰が痛い頭が痛い…痛いって言うか私は頭が悪くなってる、もう私はボケた」とか、
そんな「かまってほしい病」を発症しても

そうしてお姉様方が朝から昼までのたかが数時間の中で、次から次へとあらゆる「個性」を魅せても、
ヤマナカさんは絶対に嫌な顔をしなかった。

「そうよね~」 とそれを否定しないであげたり
「あるわよね~」 とそれに同調もしてあげたり
「いいのよ~」 とそれを許してもあげたり
「それはダメ。○○さんは病気を治すために入院してるんだからね」 と、時には折檻もしながら
自分より倍以上も年上であろうそのお姉様方に、まるでそれは「聖母」のように接していた。


「天使」っているんだな…と思いました。


ヤマナカさんは確実に「ナイチンゲール」の産まれ代わりだと思った。

私なら正直そんなことに毎分毎時間毎日毎日付き合っていられないですよ。
「子どもならともかく、あんた私の何倍生きてるねんな?ええかげんにせえよ」
とか、多分思ってしまうだろうし、


「ほなもう薬飲まんとけ。それでええんやろ?」


とか、究極のことを言ってしまう自信がある。
でも、そこで諦めない辞めないヤマナカさんってもうどんだけ「白衣の天使」なのかと。



私はまた「考え」を始めた。


確かに、確かにオカマみたいな「ダミ声」やけど、この人は本物の天使だ。
この「ダミ声」に関して言えば、例えばそれは…そうやな…。


「若い頃に水商売をしていて、酒で喉をやられた」とか?


いや、むしろそれなら納得のいく説明がつきますよ。
何故なら、水商売の女の人はわりかし情に厚く、弱ってる人に優しいところがあるので
昔は水商売をしていたヤマナカさんがフィールドを変えて今看護師をしているとしても
それはあながち全くありえない話ではないじゃないですか。

過去は今に繋がっていて、今は未来に繋がっていく。
昨日が今日に続き、今日がまた明日に続いていくのだが、
その未来の全貌なんてものは、今はまだ見えないものなのだ。

水商売をやっていたヤマナカさん(←もはや断定)は、その頃は
自分が後にまさか看護師になるなんて知り得もしなかったかもしれないし
よくわからない持病がありつつ、さらに聞いたこともない病気を疑われて拘束されている私も
明日あさってでは無理でも例えば十年二十年後には
今は全く見えない未来をまた生きているのかもしれない。


よって、この今回の試練で神様が私に投げかけた問いの答えは


「焦るな」


かな? と、思った。





だが。


昼一の検温及び血圧測定の時、ヤマナカさんがぶらさげている名札を間近で見て


「山中太郎(仮名)」 


という、そのもう明らかに男性の名前を確認した時、考えの全てが逆に白紙に戻った。



神様はものすごい難題を私に突きつけてきたぞ、と。




私はそういった「性の形」についてはわりと許容範囲が広いほうなんですね。
私がいわゆる「オカマさん」の世界観に出会ったのは、ハタチの頃でして、
祇園の「カルシウムハウス」というゲイバーにちょいちょい遊びに行っていたんですよ。
その中で、女の私よりも女以上の気遣いも出来る「彼女ら」に感銘を受けましたし
無駄毛処理の箇所ごとに四本のカミソリを使い分けているという「彼女ら」の努力に脱帽しましたし、
なおかつ彼女らは「男に不快感を与えない、押したり引いたりの笑い」も完璧に出来るので
変な話、今付き合ってる彼氏がこんな「オカマさん」にハマったら、
私はもう勝ち目がないかもしれないとすら思うぐらいの驚異の存在でした。

余談ですが、当時まだ全然売れてない駆け出しの頃のはるな愛ちゃんがその店にいまして、

「お化け屋敷へようこそ~~~」

みたいな、残念ながら化け物が拭いきれないお姉(お兄)様方の中で、
はるな愛ちゃんは「逆に浮く」ぐらいにもうダントツで可愛かったですし、普通に「女の子」でした。
ショーの中で意地の悪い客に「おまえ○高(男子校)の大西やろ!w」とか
そんな汚い野次を飛ばされては悲しそうな微妙な表情もしていましたけど
彼女が今や「俺の本名は大西ケンジや!www」ってそれをネタにも出来るようになったのが、
なんか良かったな、って思います。



話戻って。


そんなわけで「オカマ」にはある意味寛容な私ですが、
「白衣の天使の看護師」 いや 「看護婦さん」 が実は男でした、ってなったら、
それは思考がちょっと停止しました。


オカマの看護婦とか、実際に?……実際に!!!


男の看護師さんも病棟には少しはいましたけど、
この聖母ヤマナカさん(白衣の天使)が「男」って知ったら、逆に誰でも「話」は白紙に戻るやろ?


っていうか、普通、女性の入院患者の病室担当に「男」の看護師は付かないので…。


ヤマナカさん、あなたは一体何者なんだぜ?



続く


  1. 2009/11/04(水) 23:40:08|
  2. 闘病?ネタ

天使のウインク・2

さて、 この 続き。


そうこうしているうちに私は、なんか点滴で輸液を入れないといけない状態になったようで。

酸素不足だか血圧のせいか知らないが、
「今めっちゃ細くなってしまっている」という私のその危うい状態の血管に
なんとかして点滴の針を刺し入れるべくして、
その研修医っぽい先生と新人らしき若い看護師さんが私の左腕を拘束したのだが、
針で突いたらやっぱり血管が破れてかなりの内出血をするという大ハプニング、
即ち「点滴失敗」に三回も見舞われ
もう感覚のないはずの左腕に、逆に、「痛み」の感覚が戻ってきた。

血と輸液が漏れて青く腫れ上がるその箇所、箇所の止血処置をしながら、先生がくじけはじめた。

先生「無理かもしれないです…(針が)どうしても入らない…」
看護師「でもこのままカテーテルになるかもしれないのでラインを確保しておいてもらわないと…」
先生「そうですよね…。肘の部分ならなんとか捕れるかもしれませんが…」
看護師「仕方ないです、お願いします!」
先生「すみません…。じゃあ肘でいきます」

なんのことかと言うと、要は肘の辺りにはわりと太い血管(静脈)が通っているらしいんです。
だから、採血の検査とか大概、肘の辺りから採るじゃないですか、採りやすいから。
ただ、ずっと付けっぱなしの点滴の針を肘のその辺りに刺すっていうのは
正直ちょっと色々と迷惑な話らしいのだ。
何故なら、肘の辺りはどうしても「ちょっとでも動くと曲がる」ので、針が当たって患者も痛いし
そうしてつい患者が腕を曲げてしまうたびに点滴の機械がエラーを起こしてしまい、
朝昼晩夜中とかに看護師さんがそのエラーを修正しに走らなければならないので
「仕事を増やしてしまってごめんなさいね」という、恐らくそんな話なんだと思うが、
そんなことよりカテーテル(血管から管入れて心臓まで届かせる手術)になるかもしれないっておい!!!


私はただでさえ、
拍手をしたぐらいで手の平の血管が切れて内出血するぐらい血管が脆く破れやすいのだが
そうしていわば「正真正銘、思い切り」血管を破られた箇所がもうめっさ痛かったので
あの時はさすがに先生にちょっとだけキレそうになったが、私はそれでも我慢した。
どのみちもう左上半身全部が尋常じゃなく痛いのだから、
今さら左腕の血管が三箇所破れたぐらい逆に言うたらもう一緒のことやとか思って我慢した。


ってか、循環器のエキスパート先生はいつになったら来るねん!?


っていうか、逆に「下がれボケ!!!」はその研修医らしき先生にではなく、むしろ
脇に待機して色々していたベテランのおばちゃん看護師にこそ言いたかった場面もあった。
頑張る私が発作の痛みに苦しむたび、そのおばちゃん看護師が
「いつから痛かったか」を、もう何回も何回もしつこくしつこく聞いてくるんですよ。


私「ハッハッハッ(←浅い呼吸)うあああああぎゃあああ~~~!!!(←発作)」
おばちゃん看護師「りちさーん!その痛みはいつから?」
私「あああああ~~~~!!!!…じゅ、じゅう、…いち、じっ!ご、ろ…!ぎゃああああああああ!!!」
おばちゃん看護師「11時頃から痛かったのね?」
私「は、はいっ…ううっ…う、うあああああっ死ぬ、いたい~~~!!!」
おばちゃん看護師「それはいつから痛かったの?」
私「ハッハッ……。じゅ、じゅう……あああああああっ!!!」
おばちゃん看護師「うん???10時かな?」
私「ち、ちが……違うっ!!!ハッハッ…じゅ、じゅう…いちじ…」
おばちゃん看護師「11時から痛かったの?」
私「は、はい……!ううっ…。ハアハア…。11時、頃からです…」
おばちゃん看護師「そうかー。11時から痛かったのかー」
私「ハア、ハア……(←ひと段落)はい……」


このクソババア!
おまえ絶対わざとやってるやろ!
一回聞いたら覚えろボケ!!!



多分あれは私の意識と気力を落とさないようにする作戦だったんだろうと、
今となってはそう思うし、彼女に感謝をもしているのだが、
痛くてしんどいその時は、もうそれがムカついてムカついてしょうがなかった。
看護師って絶対ドSやと思った。



だいぶしばらくして、術衣のままのエキスパート先生とやらが到着した時、
私は、そんなこんなでもう色んな意味でボロボロになっていた。


エキスパート先生は処置室になんかいっぱい機械を搬入してきて、
心臓エコーやら胸部レントゲンやら何やら色々と検査をした。
体重がかかるだけでも痛い左胸に、心臓エコーの機械をぐいぐいと押し付けられた時は、
もう本気で「このエキスパート先生に殺される!」と思うぐらいおっそろしく痛かったので、
私は逃げようとして暴れてのたうちまわり、おばちゃん看護師に全力で押さえつけられた。

そうしてなんやかんや検査をした、後に私の主治医となるそのエキスパート先生は
「心外膜炎の疑い」という病名を「現時点で一応の確定」としながらも、

「こんなふうに肩や腕やわき腹に至るまでのケースの発作を診るのは僕も初めてなので、今はなんとも言えない。熱もかなり高いし、血液から強い炎症反応が出ているので、今日はこのままこの救急病棟に入院してもらいます。回復次第で、いずれは循環器病棟に移ることになると思います」と言い、

私は、処置室の簡易ベッドから、救急病棟の看護師さんらが迎えに来たベッドに移されて、
時折また発作と呼吸困難を起こしながら、救急病棟に入院することになってしまった。


普段なら、

「はあ?このまま入院?冗談じゃない!100%無理です!子どもらだけ置いて入院なんかできるわけがないじゃないですか!朝になってあいつらが起きるまでに私は家に帰らんとあかんのです。だから私は帰る。とにかくこの痛みを抑える薬だけ出してくれ!」

と、このまま入院することに対して抵抗・拒絶していたと思うが、
その日は彼氏さんがいてくれたので、子どもらのことはもう彼氏さんにお願いしようと思った。
いつもいつも子どもらのことを本当に大切にしてくれているこの人になら、
私がいない間、いちごともものことを全面的に任せられると、ある意味開き直ってそう思った。


救急救命病棟に移ってからも発作はまだ続いていました。
そして私は、とうとう寝ることも座ることも出来なくなっていて、
リクライニングベッドの上で体に色んな管や機械をつけられて身動きが取れなくなっていた。

入院手続きをしてくれた彼氏さんが私の病室に来た時、私は息も耐え耐えに彼に全てを託した。

私「かっちゃん(彼氏さん)ごめん…。いちごの学校と、ももの保育園に電話して。私が入院したことを伝えて。…それと、店(職場)に電話して、私が入院したことを連絡して。今日休ませてくださいって言うてるって、店長に伝えて。…それと、うちのマンションの管理会社にも電話して。昨夜の事件は開錠だけで済みました、って。…それと、オトンにも、私が入院したことを報告しといて。入院するには、身内の保証人が要るらしいから…。あと、私が入院したことを、とにかく、ミニャ(私の親友)に伝えて。ミニャはほとんどの私のツレとも繋がってるし、かっちゃんがいちごとももを抱えてピンチになった時、きっとミニャが軸になってみんながかっちゃんを助けてくれると思うから、とにかくミニャにまず連絡して。…それから、それから…」

彼氏さん「わかった。もうわかったから。子どもたちのことは心配しなくていいから」


そうして私は緊急入院をすることになったのでした。


救急病棟の看護師さん「私も子どもがいるから、気持ちわかるわ」
私「(痛くて疲れて相づちが出来ない)」
救急病棟の看護師さん「りちさん…痛み止めの薬、飲んでみようか?」
私「ラクに、なりますか…?」
救急病棟の看護師さん「それはわかりません。でもあなたはよく頑張ってるから、少し寝たほうがいいわ」


そうして私は痛み止めの薬を、多分朝の5時過ぎぐらいに飲みました。

飲んでしばらくは何も変わらなかったが、だんだんわき腹の緊張がほぐれてきて
左肩が上がるようになり、リクライニングの背もたれにもたれられるようになり、
そこで記憶が落ちた。

次に目が覚めたのは、朝一の採血と血圧検温で起こされた時だった。
実際1時間も寝てないと思うが、なんかもう丸一日爆睡したぐらいの清々しさだった。

看護師さんが開けてくれたカーテンの向こうからこぼれる朝の光が眩しくも愛おしくて
「あ、もう少し寝る?カーテン閉めとく?」と逆に聞いてくれた看護師さんに
「いえ、むしろそのままで。全開で開けておいてください」と自分から言ったぐらいだった。

体を動かしたり咳き込んだりするとまだ胸や背中に響いて痛みがあるものの
全然横になれるし全然ずっと座ってられるし、車椅子にも自分で座れる。
さっきまでのあの痛み苦しみは一体何だったんだろうか?と逆に思うぐらいだった。
運ばれてきた朝ご飯も、デザートのキウイまで残さず全部食べた。

看護師さん「薬がよう効いたみたいやね。良かった。午後には循環器病棟に移れるかもしれんね」
私「退院はいつごろになるんでしょうか?」
看護師さん「またあとで先生の出さはった入院治療計画書を持ってくるけど、今日入ったばっかりやからね…。早くても1~2週間はかかるって先生は診断してはるみたいよ」
私「そうですか…」


その日の私はもう眠くて眠くて、気付けばやたら寝落ちしていた。
多分、夜通し痛みに耐え続けたことで体力を消耗しまくったんだと思う。

朝、ミニャととみぃが来てくれた時もなんかボーっとしてて、
コンタクトつけてないから顔が全く見えないこともあったけど、それ以上にボーっとしてて
誰が来てくれたんか最初全然わかってへんかった。
心電図とエコーの検査中もずっと寝ていたし、採血の時も血抜かれながら寝ていた。
午後に救急病棟から循環器病棟に移される時も、その移動中ですらずっと寝ていたし
平均年齢推定80才の循環器病棟の同室のお姉様方とトークを交わすこともなく、
点滴とモニターと酸素チューブに繋がれていて動けないことを逆手に取って
私はずっとベッドに引きこもるような状態で、ずっとずっと寝ていた。

彼氏さんが入院に必要な持ち物を持ってきてくれた時も、
横浜の元旦那とあーちゃんが駆けつけて来てくれた時も、意識は半分以上寝ていて
あと、翌日の休みに会う予定をしていたツレと、
今日明日で仕事を頼まれていた仲間に入院したこと&謝罪をメールで伝えたのだが、
そいつらが血相変えて飛んできた時もしゃべってる途中でどうも私は寝てしまって、
目が覚めたら、そいつらはお茶とポカリと励ましの手紙を置いて帰っていた。


そうして入院当日は朝から晩まで寝ていて、
意識がはっきり戻ったのは入院二日目の深夜未明のことだった。

救急に運びこまれてきた時の採血で炎症反応が異常に出たので、
明けて、朝昼夜とその経過を見るために採血しまくられたんですよね。
だから腕の血管からはもう血を抜くとこがなくなってしまったようで
その深夜の採血で、足のスネに針刺して、そこから血を抜かれたんですよね。
足から採血されるのはそれが初めてではないが、あれ、もうめっちゃ痛いんですよ。

その、スネに針刺された痛み+昼間しっかり寝まくったもんやから、変に目が冴えてしまって
お姉様方のいびきと寝言と、時折放屁音が響くその暗闇の中、私は「考え」を始めた。
ただ、「自分が焦る方向の考え」は、この度、もう極力しないことにしたんです。
何故なら、それを考えて血圧が上がってしまったら、逆に退院が延びてしまうかもしれないので。

具体的に言うと、

「今子どもたちはどうしているだろう」と考えると、
切なくてブルーになるので、あえてそれはもう、極力考えないようにした。
あいつらはわりと逞しいし、支えてくれる大人もそばにいてくれてるし。
逆に、こんな色々なものに繋がれてなんもできない私がここでそれを考えても仕方ない。
元気になったらまた、美味しいご飯を作ってお返ししよう。

「店(職場)のみんなはどれほど迷惑してるだろう」と考えると、
申し訳なくてブルーになるので、あえてそれはもう、極力考えないようにした。
今日から特売チラシが入る期間に突入するので店はまた忙しいことになっていると思うが、
仕事のできる後輩や散々ピンチを乗り越えてこられた諸先輩方がきっとなんとかしてくれる。
逆に、こんな色々なものに繋がれてなんもできない私がここでそれを考えても仕方ない。
元気になったらまた、頑張って仕事してお返しをしよう。

「彼氏さん及び、チーム・かっちゃんに属するツレらがどれほど困惑してるだろう」と考えると、
自分が情けなくてブルーになるので、あえてそれはもう、極力考えないようにした。
だが、多分あいつらは私と違ってこんなことでパニくるほどヤワじゃないからきっとびくともしていない。
逆に、こんな色々なものに繋がれてなんもできない私がここでそれを考えても仕方ない。
元気になったらまた、「笑い」でお返しをしよう。


よって私は、それらを除く、「焦らない方向での建設的考え」を始めた。


神様は、なんでこのことを今、私にお与えになったのか。
このことにはなんかきっと、「理由」があるはずや。



よく言われる・聞くのは「人生に無駄なことなんかひとつもない」ということ。
それが本当だとすれば、今この出来事にも何かしらの理由があるはずや。
でなかったら、もう今生きていくだけで十分必死な私に対して、
わざわざまださらにこんな苦しみを、伊達や酔狂・遊び半分で神様がお与えになるはずがない。


絶対、なんかあるんや。


きっと絶対に、今ここに「何か」があるんや。




そうして神様からの出題を考えている中で、私はあるひとつの答えを見つけたんですよね。



結論から言うと、


私の病室担当の看護師が オカマ だったんですよ。


続く。

  1. 2009/11/02(月) 00:19:58|
  2. 闘病?ネタ

プロフィール

Author:りっさん

京都に生まれ京都で育ち、          放浪の末、京都に舞い戻った女

最近の記事

カテゴリー

FC2カウンター


無料カウンター

月別アーカイブ

よりかね(双子) です。

クリックしたらなんかしゃべるよ。

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。