どんつきを右に曲がって左のかどっこ

娘と、彼氏さん

うちの娘は、家の模型図みたいなんを描くのが好きです。
模型図っていうか、家を横から切って見た断面図?みたいな。

マンションのモデルルームのチラシとかによくあるじゃないですか。
ここにキッチンがあって、テーブルがあって…
主寝室には大きいベッド、子ども部屋には机と小さいソファ、
バルコニーには鉢植えの観葉植物なんかが置いてあって…っていう、
あの、全く生活臭を感じられない、オサレな図面ね。
ああいうのは大概、上から(天井から)見たものですが、
娘が描くのは横(壁)から見た図なんですね。

4才ぐらいの頃から描いてるから、最初はホンマに荒かったんですよ。
「どの方向から見た絵なのかわからない」という驚異の立体図が多かった。
机もベッドも異常な方向に傾いていたり。

そして、そんな頃から描き続けてきた「娘の夢のおうち」は、
今ではもう、ちょっとマジで上手いなと感心することもある。
やっぱ「継続」は「力」になるんやなー。


私が彼氏さんと付き合いだしてすぐの頃、
娘は、こんな「夢のおうち」を描いていた。


三階と四階がロフト仕立ての子ども部屋。
家具の描写・表現はどの部屋よりも一番細かく気合いが入っていて、
ドレッサーやらカーテンつきのベッドに、ピアノまであり、
娘はその部屋の中央で笑っていて、チビはベッドでぬいぐるみと寝ている。

二階がキッチンとダイニングとリビングと、ママの部屋。
テーブルには家族数の椅子があり、
ママ(私)はエプロンをして、キッチンでフライパンを持っている。

一階が玄関とトイレとお風呂とお爺ちゃんの部屋。
お爺ちゃん(オトン)の部屋は和室で、
仏壇でお婆ちゃん(オカン)の遺影が笑っている。

だが、お爺ちゃんはその部屋にはおらず、
一階の隅っこに犬小屋みたいに狭く何もないスペースで
膝を抱えて座っている男性の姿があった。

私「これは、お爺ちゃん?」
娘「お爺ちゃんはお仕事に行ってるねん。ここは、K(彼氏さん)兄ちゃんの部屋」
私「ちょ、これ(膝抱えて座ってる人)K兄ちゃんなん!?部屋、狭まっw何にもないやんw」
娘「いーの!K兄ちゃんはこれでいいの!!」
私「それはかわいそうやわ〜。じゃあママの部屋に入れてあげてよ」
娘「ダメーーーッ!ママと一緒の部屋は絶対ダメ!!!」


実はこの時期、私はちょっと悩んでいた。
娘は「K兄ちゃんにママを取られる」と思ってるんじゃないかと。
もちろん、
娘は彼氏さんに最初から(付き合うことになる前から)なついてたけど、
「それ」と「これ」とは別、っていう子ども心も、少なからず解る気がしたし、
でも、
男の子はママが大好きなんで、そういう感覚も持ったりするらしいですけど、
女の子でも母親に対してそういうなんあるんやなー。
普段、私を目の敵にして反抗ばっかするくせに、と、ちょっと意外でもあった。

実際、あの頃、
娘は私と彼氏さんが至近距離で近付かないように、冗談交じりに監視していた。

そして、自分がトイレに行く時などはチビに監視代行を命じ、
でもチビはすぐに任務を忘れて、
キャッキャと彼氏さんと私の間でじゃれて遊びだすので
「ダメダメ兵士」のチビは、いつも、
トイレから戻ってきた娘「大佐」の逆鱗に触れていた。


そして月日は流れ。



今、娘が描く「夢のおうち」では、私と彼氏さんは必ず同室になっている。

彼氏さんはもう「犬小屋」とか「離れ」とか「地下牢」じゃないです。


なんか、良かった。
ママはK兄ちゃんには「取られない」し、
K兄ちゃんも、あんたらからママを「取る」つもりは毛頭ないこと、
頻繁にみんなで一緒にいる中で、なんかわかってくれたんかな。
そして、
「教育者」であるK兄が、その指導マニュアルから逆にもう外れて
あんたらのことを「愛しい子どもら」として素で接してることにも気付いてると思う。



こないだ、彼氏さんが帰る時、二階の窓から娘と一緒に「バイバイ」した。

いつもは、家から50m先ぐらいの通りを彼氏さんが渡る手前まで、
みんな(私、娘、チビ)でついて行くんやけど、
その日はチビが風邪っぽいだか、娘が風邪っぽいだか、なんでか忘れたけど
「今日はお外まで行くのは無し」言うて、家の前で見送った。

チビはオトンに抱かれて、彼氏さんにずっと手を振っていた。
すると、娘が、

娘「ママ!二階の窓からK兄にバイバイしよ!」
私「う、うん?いいよ」

階段を駆け上がる娘の後を追っていき、
二階の窓から僅かに見える彼氏さんの後ろ姿に

娘「K兄、バイバーイ!」

彼氏さんが、娘の声に振り向いた。
娘が、もう一度「バイバーイ!」と大きく手を振った。
私は、娘の影から、黙ってちょっと手を振った。
彼氏さんが、肩にかけた荷物を持ち直して、大きく手を振った。

小さく、遠くなる彼氏さんの後ろ姿を見つめたまま、

娘「…ママ。K兄のこと、お父さんって呼んでもいいの?」


実は、わりと前から下のチビは彼氏さんのことをたまに「お父しゃん」と呼んだりもする。

その件について、私は子どもらに
「K兄はあんたらのお父さんになるかもしれない人よ」とか
「だからいずれはK兄のことを、お父さんと呼びなさい」とか、
そんなん言うたことは一度も無いんですよ。
彼氏さんも、これだけ「家族バリ」に一緒にいても、そこは強制しないし、
いずれ一緒になっても、呼ばれ方はありのままでいいと言っている。


そして、そんな彼氏さんは、
チビに「お父しゃん」と呼ばれて明らかに照れながら
「あー、はいはい?何でしょう?」
とか、チビの「ありのまま」に答えている。

でも娘はチビよりもう知恵もついているので、
チビが「お父しゃん」とか言うたびに
「まだママと結婚してないから、お父さんちゃうねんで」
と、チビにシビアに訂正していたりもしていた。


そんな娘が、そんなことを言ったので、ちょっとびっくりした。


私「K兄は、お父さんみたいか?」
娘「うん!だって優しいし、みんなを元気にしてくれるし。パパ、じゃない、お父さん!」
私「うん、そう思うならそう呼んでもいいと思うよ」

すると、娘は

「お父さーん!!!バイバーイ!!!また来てねーーーっ!!!」

と、二階の窓から絶叫した。

つーか、「今」かよ、しかも声でかっ!!!夜やぞww


彼氏さんが遠くで振り返って、手を振った。



最近、私は彼氏さんに対して、あるイジメを開発した。

彼氏さんは、娘らに彼氏が出来るとか、いつか嫁ぐ、とかの妄想に弱いようだ。

私「あのさ、あのさ、例えば、娘が16ぐらいになるやん?」
彼「うん。…うん?(身構え)」
私「でさ、その時来るねん、鼻にピアスとかしたやつが」
彼「いや、鼻にピアスはしてなくてもいいんじゃないかな、って」
私「いや、それはもうしてんねん。でな、言うねん。…なんか〜俺〜?(娘呼び捨て)と〜?付き合ってるっぽい感じで〜?」
彼「いや、付き合ってるっぽいとかそういうのダメでしょうよ」
私「いや、そんなんやねん、なんかな。…お父さん、ギター弾いてたんすよね?セッションしますか、セッション。俺マジ半端ないっすよ!とか」
彼「いや、セッションとかないから!」
私「…マジっすかー?お父さん、ノリ悪いっすよね〜?バリ弱いっすよ、果てしね〜!」
彼「何がだよ!なんだよ!誰だよおまえ帰れよ!!!」
私「…いや、今日もう飯食ってくんで!てかマジ超腹減った〜!」
彼「……!!!(言葉にならない怒り)…で、りっさんも飯作ったりとかするんだよね」
私「多分ね。それはもう和気あいあいと」
彼「もう絶対イヤだ!!!俺そんなのもう家帰んない!!!」
私「娘から電話かかってくるよ。…会わせたい人いるねん、って」
彼「……!!!…それはね、まあ帰るよ、帰るけど、認めるわけじゃない」
私「…お父さん帰ってキターww遅いっすねー!働きすぎっすよ、過労死しますよ。過労死」
彼「うるせーよ!!!…もうヤダほんとヤダ、ありえねえ…(泣)」



いやー、おもしろいなー。
そして、なんだか愛を感じる。

娘と、彼氏さん。

いつか娘は、私には言えないことも、彼氏さんには言ったりするのかな。
もうすでに、「ママには内緒の相談」も、あるんかもしれんな。
  1. 2007/09/30(日) 01:54:11|
  2. 家族ネタ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

娘が彼氏を連れてきたというのを彼氏さんに感情移入して読んでた。
これはもう日本刀持って来ないかんね。

鼻ピアスは鼻ごと、耳ピアスは耳ごと。
まともに話せない舌なら切り落としてやらねばなるまい。
・・・とオーバーな表現で想像してみた。
父親は切ないなぁw

嫁の親に挨拶に行くときは多少緊張してるぐらいがいいのかもなぁ。
  1. 2007/09/30(日) 03:54:26 |
  2. URL |
  3. ・д・)つ #-
  4. [ 編集]

久しぶりです。

いや〜読んでいて目がうるうるしちゃいました。
なんか素敵です★

娘さんもチビちゃんもそんなに慕っているんですね。
結構すごいことですよね?
「いずれ一緒に」なることを考えられるなんて。

りっさんとお子様と、彼氏さん。お幸せに
なれる事を祈ります・・・・・。
  1. 2007/09/30(日) 15:24:52 |
  2. URL |
  3. かえで #el3Tgfqw
  4. [ 編集]

ど〜も〜。『あっち』ではお世話になってます。

>>・д・)つさん
でしょ?ありえないっすよね!!
そんな思いを『あっち』で綴っときました。ぜひ読んでくださいwww
  1. 2007/09/30(日) 23:44:32 |
  2. URL |
  3. ヨシ #-
  4. [ 編集]

>さそ
私にありえない話でネタをやらせたらもう延々と(ry ですよww
しかも彼氏さんの嫌いなタイプはだいたいわかるので、もうそこを狙っていきますよ。
てか、男親が嫌がりそうなタイプ?www

私は「息子」がいないので、多分、娘の彼氏や旦那は
多少ヤンチャでも愛想さえ良ければ多めにみてしまうんやろなー。
むしろ「それがまた可愛い」っていうww

彼氏さんがオトンに挨拶に来た時はスーツで来たよw
でも娘の彼氏は鼻にピアスして、胸に「牛乳」とか書いたTシャツ来てくるんだよ。


>かえでさん
お久しぶりです〜。
ええ、娘らはとても慕っていますね。
最初は「遊んでくれるお兄ちゃん」な存在やったと思うんですが
最近は逆にちょっと彼氏さんにも反抗期を出してみたりもするので、
ホンマに身内・家族に近い人、になってきているのだろうと思います。

「いずれ一緒に」を考える、というのは私の中でもかなり凄いことだと思います。
再婚とか考えるなんて、ほんとに全く考えも想像もしてなかったですから。
でも私より彼氏さんのほうが、凄いなあと思いますけどね。


>ヨシさん

あ、お父さんっすか?お父さんバンワー!w
てか、お父さん帰ってきちゃったwwなにこれ超ウケるんだけどwww
てかさっき飯食っててお父さんの箸借りたんですけどバックリ折っちゃいましたww
wwwっうぇっwうぇwww
あ、なんか俺やべえ今だいぶ粗相中wwwギガワロスwww
てか俺今お父さん的には何ポイントっすか?
例えて何合目ですか?www富士山wwwマジ半端ねえwww
つーかお父さん無口ですねwww人生楽しまなきゃ負けっすよw
つまんない大人にはなりたくねーんすよ俺wwwそんな俺の素敵なポリシーみたいなwww
あ、俺先に風呂入りますwwお父さん飯食っていいよ、箸無いけどwww
  1. 2007/10/01(月) 00:26:04 |
  2. URL |
  3. りっさん #-
  4. [ 編集]

泣いた…
ほのぼの。えぇ話や〜
なんか、ドタバタホームコメディの最終話で、で、その後どうなったんでしょ〜ね〜ここから先は想像におまかせします的なラストシーンっぽい!
りっさん主演女優やけど、あくまでコメディやからなッ!
  1. 2007/10/01(月) 11:30:16 |
  2. URL |
  3. 爺パン #-
  4. [ 編集]

>爺パン
泣きましたか…。書いてる(そのさなかにいる)私本人は、
けっこう淡々と状況の変化を観察してるんやけどねー。笑
彼氏さんは、子どもらが精神的に父親と頼ってくれるような存在になりたい、と
思ってくれているようです。だから呼ばれ方とかは拘らないと。
私はそれもこれも全て自然になるがままでいいと思ってます。
私も子ども産んでいきなり親になったわけじゃないからね。
9年かけて、ちょっとずつ親風味になっていったから。
それに、子どもらの父親になってほしいという理由から
彼氏さんと付き合ったわけじゃないしな。好きやと思ったからやし…。

私が主演なんか?娘ちゃうんww
私はあれや、ちょっと脇役っぽい人でラスト10秒でナレーションする人や。
なんかちょっと、NHK朝の連続小説風でええやろ?ww
  1. 2007/10/02(火) 16:40:25 |
  2. URL |
  3. りっさん #-
  4. [ 編集]

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