どんつきを右に曲がって左のかどっこ

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カタコト・2

この 続き。


私は、なんかこういうところがあかんなあと思いましたね。

自分もだいぶ変なくせに、ちょっと変なやつを見たら「こいつ変や」と思ってしまう。
でもある意味それはしょうがないじゃないですか。
危機管理っていうのは、生きていくためには必要なものじゃないですか。
だって子どもの頃から、親や先生に言われてきたもん。

「変なおっちゃんに声かけられたら、大きい声出して走って逃げや」って。


話は戻って。


その独特の話し方で声をかけてきた彼は、印鑑証明はどれですかと聞いてきた。
だが、印鑑証明書を申請する用紙は、目の前に置いてある。
カタコトの彼が役所に来るのが初めてかどうかはわからないが
逆に、一人で役所に来る気概のあるこいつは、
もうそこそこは一人で日本での生活が出来ていて
その彼が、目の前に印鑑証明の申請用紙があるにも関わらず、
ここで、この場で、課税証明の申請用紙を書いている私に
「印鑑証明はどれですか?」と、まだ、さらに質問をしてきた。


なんか、ピンと来た。

こいつは、なんか日本での生活をランクアップしようとしてるんやな?
だから、印鑑証明=日本で生きるに於いて、自分の首をかけるに近いアイテム、が要るんや。


私「印鑑証明を取りたいの?それか、新しく印鑑証明を作りたいの?」
彼「(うんうんとうなづいて)新しく、です」
私「それは印鑑証明ではなくて、印鑑登録、やね。今ここにはその用紙はないわ」
彼「用紙、無いですか」
私「用紙、無いですね。印鑑登録したい判子は持ってきた?」
彼「判子、持ってます(見せる)」
私「この判子で、登録しますか?」
彼「この判子で、します」
私「登録は、あの受付で、用紙を貰って、書いて、その判子、押します」
彼「はい」
私「受付は、あの機械から出る、番号札が要ります。番号札、取った?」
彼「取った(見せる)」
私「この番号が、呼ばれます。呼ばれたら、受付で、印鑑登録したい、と言う」
彼「はい」
私「用紙は、あの受付でくれる。ここには今、その用紙、ありません」
彼「はい」
私「この番号、呼ばれる。受付、行く。判子、見せる。印鑑登録したい、って言う。わかりますか?」
彼「わかりました。ありがとうございます」


もちろん、日本人の私は日本語はペラペラなんですが、
カタコトの彼にわかりやすく伝えようとしたら、私もカタコトになってた。
そうすることがきっと彼には一番シンプルでわかりやすいだろうと思ったんですよ。
あの時、私は、より意識して彼に親切にしようと考えていたと思う。

(こっち見んな!!!)



逆に、あの光景を途中から見た人は、

「在日歴の長い先輩が、箱部屋から自力でアパートを借りようとしている後輩に手ほどきをしている」

というふうに見えたかもしれない。



彼は受付待ちの椅子に座って順番を待っていて
そしたらすぐに番号を呼ばれたので受付窓口に行って、
受付の人となんかしゃべって、奥のスペースに通された。


それを見て「ああ、取り合ってもらえたんや」と、安心したけど、逆にまた心配になった。
在日外国人の彼が、すんなり印鑑登録とか今日この場で出来るんやろか?
なんか、外国人登録証明的なものがまた別に要りますよ、とかいう話になるんかな?
そしたら、あいつはまたあの申請用紙を書くスペースで誰かの背後に立って不審がられて、
「外国人登録証明はどれですか?」からのやり直しになるんかな?
っていうかそもそも、
「なんで印鑑登録をしたいの?」っていう一番大事な部分を私はあいつに確認していない。
自分の中で勝手に「アパートでも借りるんかな?」と解釈したけど、
もしかしたらなんか悪いやつに騙されて印鑑証明持ってこいとか言われたんちゃうか?とかね。
逆に心配しますよ、そんな負の可能性のことも。
自分がなんかイケてなかったなと思うからこそ、色々心配になったりして。


なんか結局、私がしたことは中途半端な親切に過ぎなかったなあと思って。
彼のカタコトに合わせたことで意識的に親切にできたとか思ってた自分が恥ずかしいですよ。
本当に意識的に親切をするなら、もっと突っ込んで彼の話を聞いて、
彼の番号が呼ばれて、彼が受付に行った時、私も一緒に行くべきやったなと思って。
だって、あいつは役所の人間に聞く前に、まず、一番に私に相談をしてきたんやから。
この場所で、一番最初にあいつのカタコトの相談を聞いたんは私なんやから。


私の順番が来て、受付で自分の番号を呼ばれた時、
彼が、受付の奥から役所の人と一緒に出てくるのがちらっと見えた。
「どうやった?」って聞きに行こうとしたけど、受付で自分の番号を連呼されて
「何番さん、いませんか?いませんかー?」って言われてるんで、私は受付に行った。
自分の申請手続きをしてる間、私は正直、あいつのことが気になって、気もそぞろだった。
受付のおばちゃんにしたら「話聞いてんのか」って思ったかもしれない。

中途半端やなー。あかんな、ほんま。


書類の受取窓口の椅子で、彼が来るのを待ってたけど、
先に手続きをした彼が来るまでに、私の課税証明が出来てしまった。
私はそれを受け取って、またしばらくそこで待ってみたけど彼は来なかったので
退所するためにエレベーターホールに向かった。

降りるエレベーターが来た時、もう一回振り返ってみたけど、
彼は、私の視界に入る範囲の何処にもいなかった。
ついさっきまで、異常に近い距離の背後にずっとおったのに。


「意識して親切にする」って、
もっともっと相手の立場になって考えんとあかんのやと思った。



あいつ、結局、印鑑登録できたんかなあ?

「ちなみに、印鑑登録したその場で同時に印鑑証明も取れるねんで」
っていう豆知識も、今後のために言うといてやったら良かった。
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  1. 2009/01/23(金) 23:58:51|
  2. 「こっち見んな!!!」

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Author:りっさん

京都に生まれ京都で育ち、          放浪の末、京都に舞い戻った女

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