どんつきを右に曲がって左のかどっこ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

東京・2

さて。

この続き です。


「旦那さんが単身赴任で家にいなくて一人で子どもの世話するのって大変じゃない?」
とか、よく言われましたけど、
そんなイメージで思われてるほどは、実際にはそう大変でもなかった。
だってどのみち旦那は通常、朝から晩まで仕事で家にはいないものやし、
そもそも、旦那を日々の実践的子育て戦力にしようとは、概ねの嫁は考えてないですから。

「伸び放題のこの髪をいいかげん切りに美容院行きたいからちょっと子ども見ててくれる?」とか、
夜中に子どもの誰かが高熱出して泡吹いて救急やら連れて走らんとあかんってなった時に
「他の子は熱もなくよう寝てるから置いて行くし家で見ててほしい。この子らも明日各々学校幼稚園保育園あるから、睡眠取らせんと共倒れなるし」とか、
そういう子守り兼留守番要員がいないのが非常に不便なだけで。

あと、これを言うと世のお父さん方から叱られるかもしれないが
旦那の単身赴任経験がある嫁は誰しもおそらく
「正直ちょっと楽チンかも」と思ったことが少なからずあるはずだ。
弁当作らなくていい、遅くに帰ってきた旦那のご飯作らなくていい、
スーツをクリーニングに出さんでいい、シャツに毎日アイロンあてんでいい、
そして何より、私が分担している家庭内の仕事等等について、
「逆に聞きたいのはあんたが私の立場に置かれた時、それを完全完璧にいつも常にそう出来るか?」
っていうような、家族の生死に関わらないような細かいしょーうもないどーでもいいような事柄を
逆に自分もたまたま見つけたくせにさも勝ち誇ったかのように追求や糾弾をされなくて済むのだ。


「いや、言うたら悪いけどりっさんは幸せな夫婦生活をあまり経験してないから、なんかそんなふうに思うんやで。うちら夫婦は違うから。うちの嫁は違うから。絶対に違うから。あいつはな、そんなん絶対思わへんって。だってあいつ、多分そんなん何にも考えてへんもん。俺がずっと長いこと家におらんかったら、あいつは寂しがって不安になるはずやわ」


っていう自信のある方は、
試しに一ヶ月ほどホテル暮らしをしてみたらいいと思います。
一ヶ月後、家に帰った日の夕飯はさぞやごちそうが並んでると思いますけど
微笑む嫁はんの目をよーく見てください。瞳の奥まで本当に笑ってるかを、よーく。


なんの話やっけ。


そうそう、「東京」。


私らが暮らしていたのは花の都大東京と言うてもごく普通の住宅街でしたから
街並み的には京都市内とそんな変わらなかったですね。
京都の人しかわからんかもしれんけど、桂とかにわりと近い感じかな。


うちの家庭の基本ルールは、私がそう育ってきたのと同じように
「小学校卒業までは夜8時就寝。遅くとも9時には就寝」ですから、
子ども寝かせてからの一人の時間が長かったですね。
特に私は夜行性なんで、昼間どんな疲れても夜になるとまた目が冴えるんですよ。
子ども寝かせ終えて「本日のオカン業務一旦終了」ってなったら、
とりあえず、家から歩いて3分くらいの近所のコンビニにビールとかタバコ買いに行く。
昼間買い物に行った時についでに買うといたらいいことなんですけど
それは買い物をすることが目的なんじゃなくて、
自分のペースで好きに歩ける、ということがオフへの切り替えだったんですよ。
小さい子どもがいると、ちょっとスーパー行くだけでも神経使いますからね。
「走るな!」「止まるな!」「触るな!」 言うて、いちいち目光らせてなあかんしね。
些細なことやけどそれが毎日毎日一日中になると、
ちょっとこう、なんも考えんとボーっと歩きたくなるんですよ。
まあそんな遠いとこまで行かれへんし、何十分も散歩できひんねんけどね。


そのコンビニの店長とは毎晩なんか「三分トーク」をしてましたね。
たまにオーナーのお父さんお母さん夫妻が居てたりしましたけど
お父さんお母さん店長と、なんか「トーク」をしてましたね。
そのコンビニ店長が同じマンションのツレの旦那さんやと知ったのは
だいぶしばらくしてからのことでした。あれ、なんで知ったんやったかなあ?

っていうか、そもそもツレとどうして出会ったのかも逆にもう思い出せないですけど、
多分、そのツレと知り合ったきっかけは、
子ども同士が先に友達になってお互いの家を行き来してたことからやと思うんですが
そいつはもう私にとって「私のツレ」ですから、
子ども介したママ友付き合い的な付き合い?(それもようわからんけど)よりも
自分ら同士の付き合いのほうがもう濃いですからね。

心が優しくて、そして泣き虫なやつでね。
私らの離婚が決まって私が京都に帰る時にツレらみんなで見送ってくれて
私が車に乗り込む前に「ほな、またな」って言うた瞬間、泣きやがってね、そいつが。
そこでわんわん泣かれたら逆にそれはびっくりして「えっ、どうしよう!?」ってなって
私はなんか笑いのひとつでも起こして去る方向に持って行ったと思うんですが
そいつは、
「溜めて溜めてずっと溜めてたのに、どうしてもポロッと一粒零れてしまった」
ていう泣き方で泣きやがってね、あいつほんま~~~!


反則じゃボケ!www


そいつのその涙を見て、私のほうが逆にもらい泣きしそうになってもうたからね。


っていうか、
私たち母子が京都行きの新幹線に乗るべくして東京駅に向けて去り行くその車の運転手は
私と別れることになった、いや、もうあえて言わせてもらうけど、
「その元凶である旦那」っていう、そのキャスティングおよびシチュエーションでその展開。


漫画やん。これ完全にもう漫画やん。


恐らく、どんな巨匠作家の腕を以ってしてもあんなシーンは書けないですよ。
少なくとも、人の血が通っている人間にはあんなものは書けない。
ほんま、元旦那はあの時、内心どんなにいたたまれない気持ちやったんやろうか、って
他人事やけど逆にこっちが心配してしまうぐらいですね。
そこで「なんかごめんな」とか侘び入れるような殊勝なやつではないですけど
あの場面にいたのは彼なりにかなり心痛かったんちゃうかなあと思う。



話戻って。


そのコンビニ店長とツレが夫婦っていうのを私はだいぶ長いこと知らんかってね。
「ふらっと行ってちょっとひとネタやって笑わす対象の店長」と
「ふらっと来て小ネタやってビールとかタバコ買うていく、正体不明客のりっさん」っていう、
そんな感じでだいぶ長いこと続いてて。

当時、私は仲間と趣味のホームページをやってたんで、
「見に来てくださいよー」とか言うて宣伝したら、店長もちょいちょい見に来てくれててね。
「あのコラボ新作、ちょっとぐっと来ましたよ。あれさ、詩もいいんだけど写真がまたいいんですよね~」
「あの写真かなりいいでしょ?あれはうちの相方の作品なんですよー。今度この店のこと、ホムペのブログに書きますわ。男前の店長がおる行きつけのコンビニ、って」
「いやいやそんなそんな……。……楽しみにしてますw」
とか、そんなトークをちょっとして、
買い物袋下げて家に帰って、寝室で子どもが寝てるのをそっと確認して
バルコニーに出て、ビールをパシュッと開ける。

奥行きが2メートルぐらいあったんで、そこそこのテーブルセットを置いてたんでね、
椅子に座って肘掛けて、夜風にあたってビール飲みながらボーっとして。
ちょうど今ぐらいの時期とか、ちょうどいい感じに夜は外が涼しいじゃないですか。
ちょっと先に、首都高湾岸線に続く高速道路を走る車のライトがポツポツ流れていって
そのバックには高層ビルの明かりがちらほらと見えていて。

あのバルコニーから見える景色が私はとても好きでした。
宝石箱をひっくり返したかのごとく眼下に広がるほどの夜景は私はいらないんですよ。
ちょうど自分の目の高さぐらいで遠くにネオンがちらちらしてる感じが好きなんですね。

多分大きく分けて、
海とか山を見て癒されるタイプと都会の夜景に癒されるタイプがあると思うんですが
私は断然後者だと思います。
いや、海とかたまに見ると「ええなー」ってなるんですけど
そういう自然の景色ってどこかかなり非日常的な癒しのもので
街中で育った私はやっぱり街中の景色を見てるのが落ち着くんですよね。


ここで続く。

と本来なら切りたいとこやけど、他に書きたいこともあるし行ってまおか。




隣に住んでるのは音楽家さんでして、なんでそれを知ったかというと、
越してきて二ヶ月ぐらいした頃のある日、
田舎の伯母から母子三人では食べきれないほどの野菜が送られてきて
かといってまだそんな「おすそわけ」するほどの仲のご近所さんもおらんし
とりあえず、両隣の家に助けてもらおうってことで野菜を届けに行ったんですよ。
人参とか芋とかキャベツとかを、スーパーの袋に入れてね。

したら、ちょうどなんかでっかい機材を搬入してはって
それが、ちゃんとしたレコーディングの時に使うミキシングの機材だったんですよ。
しかも趣味で使うような代物ではなくてね。
音楽の仕事してた知人…まあ昔の恋人ですが、その人の仕事場にあったのと同じような。
だから、「ああそういう関係の仕事をしてる人なんやなー」って思って
っていうかこんな地味な野菜とか持っていって貰ってくれるんやろかと焦ったんですが
その隣の兄ちゃんが、っていうても多分私より上やと思うけど、なんか気さくな兄ちゃんで
「えーっ。こんなにたくさんすみませーん、ありがとうございますー」
とか言うて喜んで受け取ってくれて。

その後、それこそ私がバルコニーでビール飲んだりタバコ吸うたりしてたら
なんかお仲間さんと飲んでるのか、隣のバルコニーから会話が聞こえてきて
それがまたマニアックな専門用語がガンガン飛び出す音楽の話やったんで
その会話の内容から「演るより録る側専門の人なんかなあ」と思ってたら、
まあ音楽バカが集まって飲むとなるともはや定番ですが
なんかアルペジオで即興的な感じでアコギを弾きださはって、
そしたらそれに合わせてまたもう一本ギターの音が重なってきてセッションになって、
そんなことがちょいちょいあったんで、ああもうこれは音楽家さんで確定やなって思ってね。

ある日、バルコニーで一人で飲んでるときに、お隣も一人でそこにいる気配を感じたんで
「今日は風が涼しいですね」って独り言のように話しかけたら
「あー、そうですね~」って答えてくれたんで
「私ねー、ぞうさんギターを練習してるんですよ」って単刀直入に言うたら
「ぞうさんギターwなつかしいなw」とか言うてウケてくれはって、
連なったバルコニーを挟んだ壁からお互い乗り出すこともなく、
「ちょ、今からそっち行っていい?一緒に飲もうやwww」とかそんなこともなく
バルコニー越しに、お互いがお互いの「一人の空間」を尊重しながら気の向くままにトークして、
そんな感じがなんかとても心地良くて。
多分、この人と私は似てるなあと思った。

それから、お隣さんは、
「私が一人でバルコニーで夜中なのに逆に黄昏れているにも関わらず、なんもしゃべりかけてこない時」
は、黙ってギターを弾いてくれました。


目の前には好きな感じの夜景。
肌に感じるのは心地良い夜風。
耳と心にわずかにだけ触れるギターの音。


これもう完璧やろ!


私が離婚して東京から帰ってきた時、
地元のツレはあんまり東京での暮らしのことを聞こうとしなかった。

旦那と別れることになるわ、しかも今の病気まで発覚するわ、
「もしかしたらりっさんにとっては、東京での暮らしは黒歴史なのかも?」って
なんかちょっと変に気ぃ使ってくれてたんかもしれません。
でも、私の中では東京という街に全く嫌な思いはないんですよね。

でなかったら、

深夜にコンビニにタバコ買いに行った時に、ふと、
「東京」のことをこんなに思い出すこともないと思うしね。
あの街は、私の第二のふるさとかもわからんなあ。


そして今ひとつだけ思い出したことは
あの隣の兄ちゃんに
「ちょっと離婚することになったんで故郷の京都に帰りますわ」
って、ろくにちゃんと挨拶もしないまま消えてしまった。

でも逆に、そんな感じで正解やったとも今は思う。


スポンサーサイト
  1. 2009/08/29(土) 00:17:24|
  2. 思うこと(「生きる」)

プロフィール

りっさん

Author:りっさん

京都に生まれ京都で育ち、          放浪の末、京都に舞い戻った女

最近の記事

カテゴリー

FC2カウンター


無料カウンター

月別アーカイブ

よりかね(双子) です。

クリックしたらなんかしゃべるよ。

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。