どんつきを右に曲がって左のかどっこ

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最強の男

前回の記事の「思い出」つながりで、
今回は、私の思い出の中の「アンタッチャブルなひと」について踏み込んでみる。

中学の時の用務員、たけじま(仮名)さん。

もうね~。なんなんあのひと。なんなんあの有り得ない怖さ。
少なくとも今までに三人ぐらいはリアルに淀川に沈めてそうなあのオーラ。
神様が何かの手違いで世に放った猛獣としか思えない。
繊細な年頃の子ども達が集う神聖なる学び舎に、
あんなヤ○ザみたいなおっさんが常駐しているという異常事態。

あの当時で…40代後半から50代ぐらいやったんかな~。
でも「たけじまは意外と若いらしい」って噂もあったような。
外見は細身で筋肉質、白髪混じりのパンチパーマにギョロッとした目の強面で
紺色のトレーニングウェアの上下を着ていて、木刀を持っている。
大体、なんで用務員が木刀持ち歩いてんねん。

そう言うたら、たけじまが用務員的な仕事してる姿、見たことなかった。
共同スペースの掃除や、焼却炉にゴミ捨てたりするわけやなし。
なんかいつも生徒を怒鳴り散らしてるか、木刀持って追いかけ回してる。
そして、たまに先生にも怒鳴っている。
かつて昔、生徒の悪さを注意しなかったことで、たけじまにごっつ怒られて
本気で泣かされた女の先生もいたらしい。

もう、ホンマ怖かった。
グランドの端っこにたけじまの姿がチラっと見えただけで、
なんも悪いことしてなくても反射的に逃げてしまうぐらい怖かった。
授業中に遊んで騒ぐ私らには「静かにせえ!」と注意する先生らですら、
私らの騒ぎ声の十倍ぐらいの、学校中に響き渡るぐらいデカい声で、

「なにさらしとんじゃワレ!!!」 と、

遅刻してきて塀を乗り越える生徒を怒鳴り散らすたけじまには、
決して「うるさい」と言わなかった。聞こえないフリをしていた。
大人って、ずるいよなー。

そんなたけじまについて、ある日、号外トピックスが流れた。

「たけじま、骨折しよったらしい」

うっそー!あのたけじまが?骨折?マジで?たけじまでも骨折れるん?
そういえば、普段は高圧的に校内を徘徊しているたけじまが、
今日は何処にもいない。

「用務員室にいるんかな?」
「骨折してるんやったら学校休んでるんちゃう?」
「うん、たけじまのチャリ(自転車)もないしな」
「ってことは、これはパラダイス?」
「ヤッター!たけじま休みや!」

と喜んだ矢先。
校舎の中庭から、松葉杖ついた「骨折たけじま」が突如出てきた。

逃げた。

「ちょー、たけじま居るやんか!!!」
「あーびっくりした!!!」
「噂してたんバレたかな?」
「でもホンマに骨折してたな!」
「杖ついてたな、たけじま!」
「なんか元気なかったように見えたな」

私達の中に、ある野望が湧き上がった。

「今ならたけじまに勝てるかも」

勝てる、言うても、たけじまを一発どつく(殴る)とか、そんな大それたことではありません。
そんなことしたら本気でたけじまに半殺しにされるかもしれないからです。
ホンマ他愛もない、それでいて、とてつもなく大胆な行為。

たけじま本人に、「たけじま!」って呼び捨てする。

たけじまには「さん付け厳守」。
それは校則に載っててもおかしくないほどの、学校全体の絶対ルールだった。
その厳戒を犯して、たけじまを呼び捨てにする。
神をも恐れぬ行為。考えただけで足が震える。
でも今なら、「骨折たけじま」相手になら、出来るかもしれない。

① 物陰から、まず一人が「たけじま!」って呼び捨てにする
② 誰や呼び捨てにしたんは!と辺りを見渡す骨折たけじま
③ そこで一斉に骨折たけじまの前に飛び出し「たけじまー!!!」と大コール
④ 「コラー!」と、杖ついて、えっちらおっちら追いかけてくる骨折たけじま
⑤ 全力疾走で逃げる私達
⑥ さすがに追いつけず、断念する骨折たけじま

完璧やん、このプラン。負ける気しねえ。
各自、頭の中で何回もシュミレーションした。

通用門の辺りでウロついてる骨折たけじまを見つけた。
杖ついてるから、木刀も持っていない。
骨折たけじまに、ロック・オン完了。
渡り廊下の柱にみんなでそっと隠れて、勇者・くうが最初の攻撃を仕掛けた。
くう 「たけじ…」
その時、たまたま振り返った骨折たけじまと、全員、目が合ってしまった。

たけじま 「なんや」

戦慄が走る。背中に変な汗が流れた。
遥か彼方から「撤退命令」を伝える警報が聞こえる。
だが、もうこの戦場において退路はない。
骨折たけじまが杖をつきながら、ゆっくり、ゆっくりと、こちらに歩みよってくる。

「これから全員、順番にどつかれるんや…」

究極の恐怖の中、初志貫徹の精神を奮い起こし、逃げ出しながらも口々に叫んだ。

「たけじま!」「たけじまー!」「タケジマ!」「たけじまっ!」「たーけーじーま-!」

たけじま 「うおらああーーーー!!!!」

骨折たけじまは凄まじい雄叫びを上げ、杖をつきながら怒涛の速さで追いかけてきた。
なんやあいつ!ホンマに足折れてるんか!?何あの尋常じゃない速さ!
もう人間とは思えない!鬼やんあれ!捕まったら確実に殺される!!!

必死で逃げた。仲間のことなんか構ってられない。みんな、我れ先!我れ先!
校内を飛び出し、道路まで逃げようとした時、後ろから松葉杖が飛んできた。
追いつかないと思った骨折たけじまが、自らの杖をぶん投げたのだ。

ヒィーッ!!!

骨折たけじまは、マジで当たった時のことなんか考えてない。
ていうか「マジで当てる」つもりで投げとる。

道路に飛び出して裏門に回り、骨折たけじまの姿がないことを確認して校舎に戻った。
無様な末路だったが、とにかく、「骨折たけじま」でも、
あの「たけじま」に戦いを挑んだことは勇気に繋がった。
とはいえ、絶対的恐怖体験を味わった私達は、
二度と不用意にたけじまをからかわなかった。

あれだけの権力と破壊力と存在感を持った用務員なんか、
全国どこ探しても間違いなく「たけじま」ぐらいや。
窓ガラスが常に何枚か割れてるような中学やった。
「ここのトップ潰して、名を挙げたろ」と、
他の中学から、うちに殴りこみに来ることも多々あった。
近隣中学三校が合同で殴りこみに来たこともあった。
その総勢20名を、たけじまは門前で全て蹴散らした。
「なんじゃおまえらー!」と木刀を振り回して、大暴れしていた。
そんな数々の伝説のある、実は裏のトップ「用務員たけじま」。

たけじまは、卒業式の時には不思議といつも姿を見せなかった。
いわゆる「生徒からのお礼参り」を恐れて逃げるようなタマやない。
ていうか、ホンマに最後に「お礼」が言いたいと思って探しても、おらへん。
もしかしたら、用務員室で酒でも飲みながら、
ヤンチャ共の巣立ちを一人しみじみと祝っていたのかもしれない。
そうやったとしても、たけじまが「ヤ○ザ用務員」であったことには変わりないけどな。

この記事が万が一、たけじまの目に触れることを想像すると身の毛もよだつ。
でも、たけじまとインターネット、たけじまとブログ、って、
今いちピンと来ぃひん組み合わせやから、たぶん大丈夫なはずや。

全然ビビってへんで、うん。
「まさか窓の外に何故か、木刀持ったたけじまが居いひんよな?」
とか、確認してへんで。
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  1. 2006/11/23(木) 22:36:04|
  2. 思い出のネタ(学生編)
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京都に生まれ京都で育ち、          放浪の末、京都に舞い戻った女

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