どんつきを右に曲がって左のかどっこ

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「怖いい、人」・3

さて、 この 続きです。


怖い先輩のショウさんは私と二人の時は相変わらずしゃべりかけて来なかったが、
みんなで談笑している時だけは徐々に「なあ?そうやんなあ~?」とか言って、
私にツッコミ役を振ってくれたり、展開・発展しろ的なパスを出してくれるようになった。
売られた喧嘩は買うのと宜しく、振られた笑いは何時如何なる時であろうと私は買うし、
そして、自分の持って行き方で人を笑わせるのも好きなんで、私はそれを乗ってやっていたのだが、
でも、「笑いというククリがそこにあってこその、今、ショウさんとのこの関係なんだ」ということは
なんぼ私がアホで鈍感な人間でもそれはちゃんとわかっていたので、
なんかちょっと笑いの相方役をやらせてもらえたぐらいで、私は決して調子をこいたりはしなかった。
なのでやはり、二人になった時はショウさんと私はもう全くしゃべらなかった。


そんな中、「あの事件」が起きたんですよね。


その日は雨で、開店してからずっと、来るお客さんが少なくて店は暇だった。
しかも納品(業者からの)がない曜日だったんで、いつもの品出し業務も少なくて、
雨の中でも普段通り来てくださる常連のお客さんらへの対応をぼちぼちしながら
欠品しかけてる商品の在庫を倉庫からぼちぼち出してきたりとか、
なんかそんな感じで店全体の時間や空気が緩い感じで流れていて、
ぶっちゃけ社員もバイトも関係なくスタッフみんながちょっとなんかもうだらけていた。
「普段、(人件費についてお上がやいやいうるさいのでギリギリの人数で廻して)みんなバタバタしてるんやし、たまにはこんな日もあっていいんじゃね~?w」
的な日って、どこの会社にもあると思うんですよ。なんかそんな感じでね。

だが、あまりにもみんなしてだらけすぎるのもあかん、と思ったのか、
真面目な性格の副店長が昼過ぎから突如、スタッフに色々と指示を出し始めて、
「りちさんは裏のコンテナからあれとあれとあれを出してきてもらっていいっすか?」と言われたので、
私は「了解しました」と言って、副店長に言われた在庫商品を裏のコンテナに取りに行った。

雨に濡れながら、商品の入ったダンボールを台車に乗せて急いで店舗に運ぶ途中、
コンテナのそばにある店のトイレの戸がごっつ全開に開いていたので、
「なんかまた開けっぱなしですか?てか客やから何でも許されると思うなよ?」とか思いつつ、
商品のダンボールを一度倉庫の軒下に運び入れ、私は開きっぱのトイレの戸を閉めるべくそこに戻った。



そしたら。


ショウさんがトイレの床に水を撒き、モップでゴシゴシ磨いていた。



ショウさんが店舗から姿を消していることを私は気付いてはいましたが、
「まあ今日は暇やから、何処かでタバコでも吸うてはるんやろ」ぐらいに思っていたし、
ショウさんが店舗から消えていることについて、あまり気にも留めてもいなかった。
っていうか気に留めたところで、なんかわざわざ探したりして
「なんや、ここに居らはったんですか~?w」みたいなトークが出来るような仲でもないので。
よって、ショウさんの行方について私は追跡しなかったし特に考えてもいなかった。
普段から、「こんなん無理っしょ~」とか「そんなんもう俺らどうしたらいいんっすか~」とか、
なんかそんな「アンチ・店(会社)」的な笑いネタを存分に展開しているショウさんなので、
恐らくもうこの暇に乗じてそれは有意義にサボってはるんだろうと、私はそう適当に思っていたんです。
だが、「そのショウさん」が今トイレ掃除をしている、というこの事実に出くわしてしまった。


てかそもそも通常、トイレ掃除は開店前に、業務割り当てで充てられたスタッフがするんですよ。
朝、水撒いて床や便器をモップやブラシで磨いて鏡も拭いてゴミ捨てて備品の補充もして、っていう、
その「完璧なトイレ掃除」を割り当てによって開店前にちゃんとした上で、さらに昼と夕方の二回、
「朝の状態のそれが保ててるか」のチェックをまた業務割り当てによってするんですね。
でも、本部から人件費を極限まで削減しろと言われている中で店を廻している日々の中、
確かにこの数日、「開店前のトイレ清掃」の業務割り当ては後廻しになっていた。
っていうか、実際全く「その担当の確保」が出来ていなかった。
何故ならば、レジ金チェックとレジ廻りの清掃と、店頭準備と、店舗清掃でスタッフはもう手一杯で
朝の「完璧トイレ掃除」の業務を担当するスタッフの確保まで出来てなかったんですよ。
「昼と夕方にチェックする人」の割り当ては決まっていてそれは一応営業中の合間にしてはいたけど、
「人が足りなくて、朝、満足にトイレ掃除が出来てないから」っていうて、
忙しい営業中のチェックの時に、水撒いて床磨いて…なんぞに時間を費やすこともできず、
正直この数日、「トイレ清掃」が全員ちょっといいかげんにも、それはなっていた。

だからショウさんのそれを見た時、一瞬、自分の頭の中で
「昼のトイレチェックの担当で、今日は暇やから(朝出来てない)床磨きもしてはるんかな?偉いなあ」
と解析もしたんですが、だが、毎朝個別に渡され持たされる業務割り当て表で確認したら、
ショウさんは今日のトイレチェック担当に全く一切被りもかすりもしていなかった。

っていうことは、今ショウさんはもう完全にこれを自主的にやっている…?



呆然と立ち尽くす私の気配に気付いたショウさんがパッと振り返ったので、私は焦った。
だが、焦っている私以上に何故かショウさんはもっと焦って、そして私のことを睨みつけてきた。
なので私はなんかもうこれは見なかったことにしてそのまま立ち去ろうと思ったんですが、
もう完全に目が合ってしまってるのにここで黙って去るのも逆におかしいと思い、




私「え、トイレ掃除してはるんですか?」



てかなにそれ志村!!!  (志村無関係)
そんなんもう、「見たまんまやろのアホ丸出し」の問いかけやん!!! 
あかん……もう絶対無視されるわ。
私はショウさんにもっと避けられ、そしてさらにまた嫌われるんや…。




ショウさんは私の予想通り黙って私に背を向け、またモップで床をゴシゴシ磨き出した。

そして、ちょっとしばらくしてから、ごく小さな声で呟くように、こう言った。



ショウさん「死んだ俺のお婆ちゃんがな、お便所は毎日お掃除せなあかん、って言うてたからな」



そのショウさんの言葉で、私の中にあった「ショウさん怖い」の霧がもう全部クリアーに晴れた。



か…、か…っ、かっこええーーーー!!!


なんてかっこええ人なんやこの人は!
みんなが暇でだらけてる中、なんなの人知れずこの人はトイレ掃除をしているとか!
しかも「誰もしないから俺がしてやってるんだ」的な他人を責めるようなそんな感じとは全く違って、
むしろ「うわ、見られた」ってことに言い訳までする、なにこの照れ屋な「平成のデビルマン」。
誰やねん「ショウさんは怖い人」とか思ってるやつ!なんにもどっこも怖いことなんかあれへんがな!
それどころか見てみろほら、あんな耳真っ赤にしてはるし、なんかもうごっつええ人やんか!!!


感動した私は、「ショウさんってええ人ですね」とマジで心の底から言いそうになったが
そんなん言うたらショウさんは耳どころか全身真っ赤になるかもしれんと思ったので、あえて、
「死んだお婆ちゃんがそう言うてはったんやったら、それはしょうがないですよね」と言ったら
ショウさんはとてもホッとしたような顔で向き返り、なんかもう満面の笑みで
「やろ?…ま~俺は、誰よりもお婆ちゃん子やったからな」と言い、
その様子がなんかとてつもなく可愛かったので、私はついついイタズラ心に火がつき
「先輩として…っていうか逆にもう人間的なレベルの話で、私はショウさんをなんか尊敬しますわ」と、
わざとしんみりモードで感傷的に言ってやったら、ショウさんはもう大慌てで顔を真っ赤にしながら
「いやあのほんま俺そんなんちゃうねんって!!!もうええから自分早よ店(店舗)戻りいや!」と言ったので
「大丈夫ですよ。絶対に誰にも言いませんから…(w)」とさらに追い討ちをかけ、私は店舗に戻った。



その事件があってから、何故かショウさんは私に積極的に話しかけてきてくれるようになった。
なんでショウさんが話しかけてくれるようになったのかはわからないが、なんとなく考えられることは、
私がその「ショウさんのトイレ掃除事件」を、本当に誰にも一切言わなかったからじゃないか、と思います。



…まあ確かに店のスタッフの誰にも一切、「あのこと」は口外していないが、
逆に今webで全世界に向けて「そのこと」を発信しているというある意味「鬼畜満開」な私なんですがwww



話戻って。




その事件があってから、何故かショウさんは私に積極的に話しかけてきてくれるようになった。
そして私もショウさんに、全然自分から積極的に話しかけられるようになった。

ショウさんが昔、理不尽な客にどうしても我慢ができずに店の外まで追いかけて行った話をしてくる。
私は、子どもの頃近所にいた変なおっさんをからかって怒らせて死ぬほど追い掛け回された話をする。
ショウさんが「得体の知れない落し物を拾ったんやけど、これは何するもんやと思う?」と言えば
私は「逆に置いて行ったものかもしれませんよ?これに託したメッセージはなんでしょうね?」と返し、
そうして、大喜利的なことをして、大笑いして。
そしていつしか、二人でしゃべってる時は元より、事務所で数人でしゃべってる時でも、
「逆にショウさんと私しか爆笑していない(発展が高度過ぎてみんながついて来れない)」
という現象が度々見られるほどにまで、なんかショウさんと延々フリートークが出来るようになった。



私は、もう今となっては「逆にもうどうでもいい話」なんやけど、ショウさんにちょっと聞いてみた。



私「てかね。私が入った最初の頃、なんで私には全くしゃべりかけてくれなかったんですか?」
シ「いや、俺はしゃべりかけてたで?でも自分、俺の話に全く乗らへんかったやんか~?」
私「絶対嘘w私ぶっちゃけショウさんのことなんか怖かったし、ショウさんにごっつ睨まれてましたもん」
シ「睨んでへんやろwwwてか、りちさん自分からしゃべらへんかったから、ほんま俺頑張ってしゃべりかけてたんやで?主婦の人やし、子どもさん居はるし、って思って、なんかそういう話題を振ってたのにりちさんもうさらっと流すし広げへんから、ああこの人はあまり家のこととか家族の話をしたくない人なんかな?って思って、ほな何をしゃべろう?って、俺は結構考えてたんやで?」

残念ながら、私にはそのような記憶が全くありません。

でも、気ぃ遣いのショウさんが言うそれが多分「正しい出来事」なんだろうなと今は思うし、
実際、「多分そのようであろう心当たり」が自分自身にもちょっとある。
何故なら、確かに私は、「なんか今自分が気ぃ遣われてる?感じ」で、
主婦・主夫経験や育児経験もない人から、「主婦ネタや育児ネタを聞きますよw」と話を振られても、
逆にもう「そのテーマ」をもさっさと自分から終わらせようとするし、確かにそれをしたかもしれない。
それは何故なら、
自分ばっかりしゃべって、相手が「へ~そうなんですか~」とか言うて聞いてるだけになるよりも
私は会話のキャッチボール、ないしは、会話のラリーをしたいと思うので…。

そうか。なんか、そうでしたか。
あの、ほんま、なんか色々すんませんでした。



こないだ、ショウさんと先輩のトシさんがなんか爆笑していたので、私はそこに噛んで行った。


ショウさん「~~~~…あかんわ~今日は俺のスタンドが出えへん!」
トシさん「スタンドがねwww」
私「(乗り込む)何を朝から爆笑してはるんすかw」
トシさん「(私を指して)ほら、居るじゃないですかwショウさんのスタンドww」
ショウさん「ああ居ったwww俺のスタンド来たwww」
私「てかスタンドって何っすか?ww…あ、ジョジョ…?やっけ?漫画の?」
トシさん「そうそう!wてか女の人はやっぱジョジョとか知らないんですね~」
私「なんかすんませんw…聞いたことあるかな~?ぐらいですね」
トシさん「でしょうねw」
ショウさん「っていうか、りちさんは女の人とかそんなん違って、なんかもうアレやん?」
私「なんか、もう、アレ。…なんかもうアレ、ってそんなん言われましたよ、トシさんどう思います?」
トシさん「僕は今どっちの気持ちもわかりますよw」
私「そんな中途半端なことばっかり言うてるから、トシさんはもてないんですよ」
トシさん「www」
ショウさん「wwwっていうか、ちゃうやんりちさん、いい意味で。いい意味で、な」
私「あ~、その言葉をケツに付けといたら世の中もう大概はなんでもセーフになるやろ、っていう?」
ショウさん「wwwそう、もう世の中大概なw」
トシさん「来ましたね、スタンドwww」



ひとつだけ思ったことは、


ショウさんと私が二人きりになった時になんかお互いギクシャクしてうまくしゃべれなかったのは
今思うともしかしたらですが、なんかちょっと似てるとこがあるからなのかも、それはしれない。


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  1. 2009/11/25(水) 02:46:06|
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Author:りっさん

京都に生まれ京都で育ち、          放浪の末、京都に舞い戻った女

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