どんつきを右に曲がって左のかどっこ

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旅立ち・3

さて、 この 続きです。


「 な ん や て え ~ ?」

と言わんばかりの姉御二人は(というか、ヒロミさんは実際口に出して言った。爆)
そんな話があったなんて全く聞いてない、ムチャクチャや、横暴やと怒り狂っていたが
話が来たのもほんま最近でギリのギリまで抵抗してて確定したのもつい先日なんですほんとに、
という説明を再度よくよく店長がすると、
「まあ、支店とかチェーン店がある会社に転勤は付き物やけど…」
としぶしぶ納得した様子で、ただ、シフト的に二人はYさんに会うのが今日で最後なので

「ほなね~とかそんな別れ方できませんし、今までの御礼も言いたいし、上がる時(退勤の時)には話もしたい。

だから、 Yさんが泣かはったら正直ごめんなさい 」

と、宣言(宣戦布告?w)をしたので、店長は
「やっぱそうなりますか…わかりました。Yが(泣いて)店舗に出れへんなったら僕がフォローします」
と苦笑いしていたが、私はこの時の店長は内心嬉しかったんじゃないかと思う。

Yさんは新人の頃からずっと店長の下で従事してきはった直属の部下で
だから「店長が育ててきた」と言ってもいい人材である。
そんな自分の愛弟子みたいな部下がそんなふうにスタッフに愛されてたら
上司としては自分がそうされるよりもそれはよほど嬉しいと思う。


話戻って。


昼すぎになって、Yさんがいつも通りの笑顔で元気に出勤してきたが
私は、今日まで(異動の発表が成されるまで)彼女がずっとこうして色んな思いを内に秘めながらも
みんなの前ではひたすら明るく「いつも通りに」していたんだと思うとだいぶ胸が痛んだ。

業務中は泣かさない方向で、という店長からの話が今朝あったので
姉御二人は「あ、おはよ~」とか言ってこれまたいつも通りに接していたので
私は、さすがだなあと思った。(さすが年の功。…って、しばかれるわww)

私はこの手の猿芝居…というか、
「聞いてるのに聞いてないふり」とか「知ってるのに知らんふり」とかがうまくできない。
今はそうしておくことが懸命であるということがわかっていても、
だがやはり「隠し事をしている」ような気がして、なんかギクシャクしてしまうのだ。

よって、私は普段からなるべくそういった場面には関与しないことにしている。
本人がマンツーマンで何か話をしてくることならまだしも
「私から聞いたって言わんといてや…」みたいな情報はもう逆に一切聞きたくないのだ。
「聞くんやったら本人から聞くからやめてくれ、その口から聞かさんといてくれ!」と思うのだ。
何故ならば、「聞いてるのに聞いてないふり」がうまくできないので。


ただ、今回のケースはいわば業務連絡なんでそれは正しいルートによる連絡方法なのだが、
この日の午後からの私は多分変だったと思う。そしてだいぶYさんによそよそしかったと思う。
いつもみたいに他愛のない冗談やしょうもないネタとかが一切浮かんでこなくて
休憩室で偶然Yさんと二人きりになってしまおうもんなら、
今まで一回もまともに見たことがない「身だしなみの注意書きポスター」とかを無言でガン見していた。


そして夕方になって、ヒロミさんとキョーコさんと私が退勤する時間になり
タイムカードに打刻した後、ヒロミさんが

「あんたも来るんやで」

とドスの効いた声で私を恐喝及び拉致し、三人で、店舗のどこかにいるYさんを探した。

Yさんは、バックルームで自分が担当しているカテゴリー商品の在庫チェックをしていて
私らの姿を発見すると、「上がりですか?お疲れ様です!」と笑顔で言った。


ヒロミさんが
「お疲れ様です~。あのさー、今朝店長に聞いたんやけど…異動なんやって?」
と切り出し、続いてキョーコさんが
「ねえ?もうびっくりして…。えらい急やねえ~」
と言うと、Yさんは一瞬目元が潤んだが、
「そうなんですよ~!もうびっくり!急すぎですよね~」
と笑って言った。

と、そのYさんの手をヒロミさんがぎゅっと握り、


ヒロミさん「今までほんまありがとうな!」
Yさん「え、そんな…、こちらこそ…」(2割崩れかけ)
キョーコさん「ほんとにありがとうね。お世話になりました」
Yさん「そんなんそんなん…こちらこそ皆さんにお世話になりっぱなしで…」(4割崩れかけ)
ヒロミさん「…頑張るんやで!これもステップアップと思えばいいんや!」
Yさん「……はい。ですよね…!ありがとうございます」(8割崩れかけ)
キョーコさん「Yさんならどこでもやっていけると思うわ~」
Yさん「どうでしょうか……でも、ほんまありがとうございます…」(崩れた)


箍が外れたようにボロボロ泣き出すYさん。
と、その時、店内にYさんを呼び出す放送がかかる。


Yさん「どうしよう呼ばれてる。行かないと…」
私「大丈夫です。多分店長が空気読んで走ってくれてると思います」
ヒロミさん「そうそう、空気読んで、なw」
私「ヒロミさんが今朝、上がりの時にYさん拉致します宣言しはったからねwww」
ヒロミさん「したなww確かにしたなw」
Yさん「(泣き笑いで)…なんかすみません、ほんまなんかダメですよね、私」
ヒロミさん「全然ダメじゃないし。ダメじゃないよ」
キョーコさん「体に気をつけてね。無理しないように」
Yさん「ありがとうございます」


気付いたら、なんかみんなで手に手を取り合って重ね、Yさんの涙にもらい泣きして全員鼻をすすっていた。



ヒロミさんとキョーコさんはその日がYさんとの最後の顔合わせになったが
私はそれからも数日間、Yさんと一緒に仕事をした。
お互い、異動の話を掘り返して何かトークすることは一切なく
仕事の具体的な引継ぎの話ばっかりで残りの数日がバタバタと過ぎていき、
合間合間に、私は「いつも通り」ネタをかましてはYさんを笑わせたりしていた。




そもそも、この異動の話が湧いてくる前から、
私はYさんに、アンナ朱美さんのCDを贈りたいとずっと思っていたんですよね。


何故ならば、Yさんは多分、頑張りすぎてる自分に気付いていない・気付かない人だから。

何故それがわかるかと言うと、私も似たような傾向がある人間だからです。
あ、私はYさんみたいに優秀な人間じゃないですがww
だから、人から「なんでそんなに頑張るの?」って質問されても
「てか、自分がやるべきだと思うことを全うしてるだけなのでこれは必然の当然なんですわ」
っていう答えになってしまう。

いや、なってしまっていた。


だが、そんな私がアンナ朱美さんの歌に出会ったことで

「あ、そうなんや。泣きたいと思った時は、泣いてもいいんや?」
「ここで泣いてしまうとこが、自分がその問題から逃げたことにはならないんや?」
「泣くだけ泣いたら、涙はいつか必ず枯れるんや?」

などなど、

「自分が今まで踏み込むことがなかったエリアへの誘い」をしてもらったんですね。


だが、私はそんなストレートにそういうことをうまく言えないので、
Yさんにはもう是非とも、あけみ姐さんことアンナ朱美さんのCDを贈ろうと考えていた。



CD発売とYさんの急な異動が重なったので、間に合うかどうかほんまギリギリでしたが
なんとか、Yさんにあけみ姐さんのCDをプレゼントすることができました。



その日の夜遅くに届いたYさんからのメール。


「りちさん今までほんまにありがとうございました。あたし、りちさんの明るさにずっと助けてもらってたんですよ!素敵なCD、ありがとうございます。きっと初日からもうつらくなりそうなんで通勤で毎日聞きます(笑ってる絵文字)」


何を仰るうさぎさん。(←昭和)
あなたの明るさに助けてもらってたのはむしろこちらのほうだ。


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  1. 2010/04/23(金) 00:16:51|
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Author:りっさん

京都に生まれ京都で育ち、          放浪の末、京都に舞い戻った女

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