どんつきを右に曲がって左のかどっこ

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オカン、またなー。

さて。

今日は五山の送り火でした。
全国的にどんだけメジャーかはわからんが、日本で生まれ育った人ならその行事名ぐらいは聞いたことがあると思う。

まあ簡単に言うと、
「お盆に帰ってきていた先祖の霊がまた天に帰らはる時に迷わはらへんように山に炎を灯しながらお見送りする」
みたいな。

詳しく知りたい人は各々ググってください。
これ以上私が私の言葉で説明すると厳かさもへったくれもなくなってしまいそうなので。


五山の~と言うからには五つの山(正確には六つだが)に

大文字(東の山の大の字)
妙法(二つの山に灯る妙と法の文字が二つで1セット)
船形(船の形の絵)
左大文字(北の山に大の字)
鳥居形(鳥居の絵)

が、8月16日の8時10分だか頃から順番に点火されていくんですね。

子どもの頃はなんで山に火をつけても山火事にならへんのかが不思議だったが
私も現物を見たことはないが、なんか普段からその形の点火台?みたいなんが山にちゃんとあって
そこに、送り火当日、薪やら古いお札やらをくべてなんか燃やすそうです。

ちなみに昔、京大だかどっかの学生が懐中電灯を持ち出して
「大文字」の「大」の字の右上に点をつけて「犬」の字にするというイタズラをした年もあったらしい。
その話を聞いて私は

「賢いくせにアホみたいなイタズラすんなw中学生か?w」

と、不謹慎にもちょっと笑ってしまったが、送り火を守る会だかの人々はきっとババ怒りしたに違いない。
多分そうとう怒られたと思います、京都は特にそういう伝統とか大事にしますから。

年相応のイタズラはもうその時に存分にしといたほうがいいですよ。
「遅ればせてのイタズラ」はそれまでの努力を多々、パーにするからね。


さて。


五山の送り火には色々な言われがあって、最も有名らしいのは、
翌日、山に登って燃やした後の炭をもらってきて半紙で包んで紅白の帯(紐)で止めて
家の柱(確かなんか方向があったけど忘れた)に飾っておいたら
家を守ってくれるとか家族が病気にならんとか、なんかそんなん。
ただ、自分で山に登ってまでそれを貰いに行く人がなかなかいないのでそれは非常に手に入りづらい代物で
うちもそんなん貰いに行ったことなかったし、家にそんなん飾ってあるのも見たことがなく
よって、オカンはもしかしたら知ってたかもしれんけど私は長年知らなかったんですが、
オカン亡き後、私が東京にいる時、親友・あーちゃんのお母さんの知り合いが山登ってもらってきはったとかで
あーちゃんママがその貴重な炭を少し分けて東京に送ってくれはって、初めてそんなんがあるのを知った。
「東京に嫁いだ三番目の末娘」ぐらい、京都を離れた私を何かと気にかけてくれてはったんで
多分色々と心配してくれてはったんでしょうね。そや、またあーちゃんママにも会いに行こう。


話戻って。


まあそんな感じで色々と言われがある送り火なんですが
これ、どっかで書いたかもしれんがうちの家にまことしやかに伝わっていたのは
「送り火の炎を透かして映したコップの水を飲むとその一年健康でいられる」というもの。

うちの実家は二階の東の窓からスコーンとまっすぐ大文字(東山の)の「大」が見えたんで
送り火の日は毎年、点火時間の5分前ぐらいから


「志村、水!水!」 (志村無関係)


とか言って、台所でコップに水を組んで点火を待ち構え、
家長のオトンから順番にそれを透かして映しては、家族みんなで一杯のコップの水を廻し飲みしていた。
「これで今年一年、みんな健康やなー」とか言いながらね。



「ちゅうかど~でもええけど君それ安っすい健康やな~!」
「何言うてけつかるねん怒るでしかし!」




 (やすきよ無関係)  





つい今しがた神妙な気持ちでご先祖を見送られた皆様、なんかすみません。もうしませんごめんなさい。



また話戻って。


今住んでるマンションの玄関前の廊下からは左大文字の「大」と船形が見えます。
船形はどっかの家の屋根で一部欠けるけど、肉眼で、手の平より大きいサイズでクリアに見える。
ちなみにうちは四階なのだが、南のベランダからは京都タワーも見えます。
京都の町はそもそも商業地域と繁華街以外の住宅地は建物の高さ制限が厳しいので
西陣の織屋さん界隈みたいな長屋続きの「ザ・京町屋」な地域を除いては、
「その向き」の窓かベランダがあれば、或いは家の近くのちょっと広い通りに出れば、
五山の送り火のどれかは、なんか多分見えると思う。


さてそんな感じで、りっさん家に代々伝わる「五山の送り火の日の水飲み行事」。


いちごとももは7時50分頃からテレビのチャンネルをKBS京都(京都のローカル局。送り火を唯一生中継する)に合わせ
今か今かとうちから見える左大文字と船形の点火を待っていた。

いちご「ももちゃん、お水汲んできて」
もも「おっけい♪」
私「あのさー、その話なんやけど…。今年は水飲むのはちょっと無しにせえへん?」

いちご・もも「なんでえええーーーっっっ!?」

私「いや実はママ、ミネラルウォーターを買ってくるのを完全に忘れたんですよ。…でも、だからって水道の生水をあんたらに飲ませるのは抵抗あるなって思って。うち、浄水器も付けてないしさ」
いちご「水道の水はそのまま飲める水なんやろ?蹴上浄水場の見学でそう勉強したけど」
私「でもうちはマンションやし、水道から直接じゃなくて一旦マンションの貯水槽に溜まってから出てる、言うたら古い水なわけやんか?だからママは夏場の生水はもう特に怖いねん」
もも「でもKにい(彼氏さん)はいつもすいどうのおみずのんではるで~?」
私「もうあの人はなんかほっといたらいいねん、頭が理科やからな」
いちご「じゃあいちごが(マンションの)下の自動販売機でペットボトルの水買ってくる!」
もも「いちごちゃん夜にひとりでおそとでたらぬすまれる(もも語録で言う誘拐される)よ!」
いちご「(ハッ)盗まれるかな…?」
もも「ぜったいぬすまれるよ!だっていちごちゃんかわいいし!」
いちご「そうかな…。実は毎朝顔洗った後、鏡見て、いちごけっこうイケてる?とか思うねん」
もも「イケてるイケてるー。だっていちごちゃんほんまにかわいいしぃ~~~」

私「っていうかなんやねんおまえらなんの話やねんwwwもういいママが行く!」

もも「でもママもぬすまれるかも、けいさつのひとに!」
いちご「警察の人に盗まれる?えっ、ももちゃん、どういうこと?」
もも「だっておとなのおんなのひとはおそとで半ズボンとかはいてへんし…」



私のこの部屋着の短パンは公然わいせつ罪にあたって逮捕ですか、
ああそうですか。このままお外に出たらなんかそうなりますか。

わかったよ着替えていけばいいんやろ!?着替えていけば!!! 



よって私はもう半ばヤケクソで、マンションのもうほんまに「真下」にある自販機に、
「送り火を映して飲む用の500ミリのペットボトルの水」を買いに行くそのためだけに
わざわざ部屋着の短パンをジーパンに履き変えてエレベーターを降りて30歩ほど歩いてそれをゲットしてきた。


と、そうして私が買ってきたペットボトルの水を早速ガラスのコップに移した二人は
「あかん、水が冷たすぎて(コップが雲って)大がぼやける!」とか言いながらコップの外側を何回も拭いて
「ママも早く来てよ!大文字が消えちゃう!」と私を呼んだ。


私「てかあんたら普段、ヤバってるし~とか言うてるくせに、送り火映して水飲むとかヤバってるし~って思わへんの?」
いちご「思わへんね!」
もも「おもわへんね!」
私「てか若いうちからどんだけ健康目指してるねんwww」
いちご「いちごは、いちごの健康を祈ってるんとちゃう。いちごは、ママの健康を祈ってるん」
もも「ももちゃんも!ママのびょーきがなおりますように、だいもんじさま!」
いちご「だから、一回でもこのことはやめたらあかんねん」



私「……。」


って、私がそこで泣くかと言うと私はそこでは泣かなくて。


何故ならば、
私がかつて子どもの頃に毎年「送り火を透かして飲んでた時」も、やっぱり実は、
「オカンの病気が治りますように」って、毎年毎年そう思ってそれをしてたんで。
それを一回でもやめたら、オカンが死んでしまうんちゃうかとも思ってた。
でもそれはオカンには絶対言えなかった。
それを口にすることで、今で言う「オカン死亡フラグ」が立つのが怖かったのと、
「そんだけオカンのことを思ってる」と素直に言うのが、なんかもうこっ恥ずかしくて。

と、そんな私が、逆の立場で娘らにそんなんをもうこうしてガチコーンと正面から言われたら、
なんかもう「それについてのリアクション」に、逆に困るんですよ。

「それは言うなや!思ってくれててもあえて言うなや!」と思ったり、
「何を大文字の送り火ごときにママの命を託しんねんアホかw」とか思ったり。
でも、かと言って、それを総合した挙句


「うるさいだまれ」


とか、そんな返しもできない。
「これ言うたらりっさん、なんか弱りよるでw」ってわかってやってる愉快犯なツレらへのツッコミならまだしも、
ほんまに純真無垢な思いでそんなん言うてる子どもらのそれを茶化すようなことは言えない。
なんぼ笑いに魂売った人間でも。



携帯の写メなんで画像悪いですが、うちから見える左大文字と船形。


左大文字と船形




コップに移した水、なんかもうついでにみんな飲んどけ。



てか、こういうパターンわりとけっこう多いんですよね、うちの家。



「笑い」は常からそこそこ鍛えてるんで、いちごももももそこそこできるしついてくるし、
こと「笑い」の部分では、シュールなネタとかも解って拾ってくれるんでいいんですが
「素」の部分になると、なんせもうあいつら(いちご・もも)はなんかピュアやから困る。
さらにそこに「ピュア界のラスボス」こと彼氏さんが居て、
三人からそうして「ピュアビーム」を一斉に放たれた日には私にとってはもういわば最悪の出来事で、


「ああそうなん?それはどうもありがとうございます」


ぐらいしか、もう言えなくなる。
多分あのピュア界の人々からすれば私は「リアクションの薄いヤツ」と思われてると思います。



さて、そんな感じで五山の送り火。



送り火を映した水を飲みながら、私は今年も「いちごとももが健康であること」を祈りました。


いにしえに、私ら姉弟が
「お母さんの病気がいつか治るように!」と思って毎年飲んでたあのコップの水を、オカンは
「子どもらが健やかであるように」と祈って飲んでたんかもしれないな、と、なんかそう思った。


オカン、またなー。また、来年な。






オカンがいつ死ぬかわからん病気になってから、オカンがずっと心配してた、
「私が死んだ後、あの(ヘンコな)お父さんが一人ぼっちになってしまわんようにしてあげてほしい」
というオカンの思いを私は踏みにじって踏み越えて、私は家を出た。
そのことについてオカンに顔向け出来ひんから、私はいまだにオカンのお墓に行くことができません。

でもいつか清算する。
そうしないとオカンは多分浮かばれへんと思うので。

結構時間かかると思う。
でも、いつかまた、オトンと一緒にオカンの墓に報告に行く。

いつか、彼氏のかっちゃんと一緒になって、
オトンが今一度、嫁いだ私(よそに行った私)に「死んだオカンの身代わり」を求めなくなった時、
「父娘のええ距離感、またもう一回やれそうやわ」って、
オトンと一緒に、オカンの墓前にそのことを報告しに行きたいと私は思ってる。
だからそれまでは、「五山の送り火」の「オカン、またなー」で、なんか許して。


あと、ひとつだけオカンに聞きたいことは
私は子どもの頃、今のいちごやももみたいに「お母さんに元気で居て欲しい」とか声にしたことあった?
それは私はしなかったよな?な?な?私はクールな子どもやったよな???

「いやいや、あんたにもあったんやで~(笑)」

と逆に言われたら、それはなんかほんますみません、覚えてません。
でももしもそんなんを私が言うてたなら、それはもうめっちゃ正直な思いだったと思います。
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  1. 2010/08/17(火) 02:23:08|
  2. 家族ネタ

プロフィール

りっさん

Author:りっさん

京都に生まれ京都で育ち、          放浪の末、京都に舞い戻った女

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