どんつきを右に曲がって左のかどっこ

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お座敷小唄・2

さて、 この 続きです。

そうしてバカバカしく 華々しくお座敷デビューしたゴリ奴ちゃんは、本当に真面目で素直な舞妓見習いだった。

そうしてやっと来たニューフェイスのゴリ奴ちゃんをりちおおねえさんはそれはそれは可愛がり、
ゴリ奴ちゃんを連れて端から順番にお座敷に挨拶廻りをしたのだが
ゴリ奴ちゃんの毛深くゴツイ手でお酌をされると旦那はん連中は、

「お、おおう…すまんな。おおきにおおきに」

と、若干ゴリ奴ちゃんの扱いに困って縮こまっており、皆はそれを見てさらに笑っていた。


だが、そうして一通り挨拶廻りが済んでお座敷を下がる(席に戻る)と、
りちおおねえさんは突然、人が変わったようにゴリ奴ちゃんに冷たくあたった。

ねえさん「あんたもう明日からねえさんの座敷、出んでよろしいわ。今すぐ荷物まとめてお里へ帰りよし」
ゴリ奴「えっ…。ねえさん、わたし何か粗相しましたやろか?」

りちおおねえさんは、はあ~~っとイケズなため息をつき、
ゴリ奴ちゃんのほうを見もしないで、後れ毛を指先で直しながら

ねえさん「ご返杯もいただかんとお酌だけしてるやて、そんなん猿でもできますのんえ~」

ゴリ奴「ねえさん、堪忍しておくれやす!ねえさんに見捨てられたらわたし、他に行くとこありまへん!」

ねえさん「そう言うてる尻から、私の杯は今、空っぽ」

ゴリ奴「すんまへん、ねえさん!気が付きませんで…(と、お酌をする)」



と、そんな「舞台裏コント」に皆は爆笑し、(さすがこいつ、ついてきよるな~www)と私も心の中で爆笑した。


「ゴリ奴ちゃん」のお陰で、私の「おねえさん(場末の芸者キャラ)」はさらなる進化を遂げていきました。
それまでは上司(おっさん)イジリのパターンしかできなかったものが、「ゴリ」というこのコントの相方を得たことで
むしろこのキャラの真骨頂である「いかにも昭和の祇園に居そうなイケズな京女ネタ」を発揮することが出来た。


「ニュー・りちおおねえさん」は、もうそれはそれはゴリ奴ちゃんをあの手この手でイビリ倒した。
逆に、「おっさん連中をいじる」よりも、「ゴリ奴いじり」がそのお座敷コントのメインとなっていった。


「あちらの旦はんの杯が空いてるやないの、かなんわ~。この娘はもういつまでた~っても気のきかん~」
「早ようしてねえ~。ほんっまどんくさい娘やわ~。『遅い遅れる』は、『無い』のと一緒!」
「ようようわかってる思うけど、あんたはブサイクなんやさかい。ブサイクな上に気もきかんってどないにもならへんのんえ?」
「あんた~?笑ろてるだけでお客さんがついてくれはる~~と思てんのと違う~?若い娘はよろしいなあ~へ~?」

だが、「いつか一人前の芸鼓になるんだ!」という夢があるブサイク芸者のゴリ奴ちゃんは
そうしておねえさんにいちいちネチこくネチこくいびられても、決してくじけず泣き言を言わず、ねえさんについてきた。

時々フェイントで

ゴリ奴「ねえさん、山本の旦那さん(課長)が進んでへんみたいやさかい、わたしお座敷に上がらせてもらってええですやろか?」
ねえさん「あら。ちょっとは気が利くようになったやないの。…そやけど、私、もうねえさんと違うのんよ?先だって(先日)、ここの屋号を先代のおかあはんからもろうたんえ」
ゴリ奴「(ハッ!)…す、すんまへん、おかあはん!」
ねえさん「あんた、ち~っとも挨拶来いしまへんさかい、…ああ、私はあんたに嫌われてるんやな~と、そう思てましたわ~」

とかもやったのだが(っていうか普通、花街の世界で『それを知らなかった』などということは絶対にないのだが)
ゴリは「(ブサイク芸者の)ゴリ奴」として、私の「(理不尽で超イケズな)りちおおねえさん」との即興コントを臨機応変にやり続けた。



ひとつだけ思ったことは、


「私の目に狂いはなかった」



ゴリ奴のお座敷デビューの時には「どう対応したらいいかわからんw」とかで戸惑っていた旦那はん連中も
そんなゴリ奴ちゃんを「頑張り屋さんの見習い娘」として見ていき、なんかもう愛おしくなってきたのか
もうどう見ても「ゴリラ」で「男」なゴリ奴ちゃんの毛深くゴツイ手でお酌をされても、むしろ逆に全く引かず、

「ゴリ奴ちゃん、頑張りや。君ならきっといい芸者になれるわ」 とか
「ねえさんには怒られてばっかりやけど、ゴリ奴ちゃんのええとこを俺は知ってるで」 とか

なんかそんな感じになっていって、
「りちおおねえさん」が「ゴリ奴」をいびればいびるほど、その笑いの渦は大きくなり、
「頑張り屋さんのゴリ奴ちゃんのファン」が増えることで、「りちおおねえさんのイケズキャラ」が一層際立っていった。

もうほんま、全部「ゴリ」のお陰です。



てなわけで。


私の十八番だった「お座敷芸(場末のおねえさんキャラ)」はもう完全に「ゴリ奴」に食われました。

あの「即興コント」を皆が思い出す時、もうほとんどの人が「りちおおねえさん」より「ゴリ奴ちゃん」を思い出すと思う。
でも、なんか「それも、いいかな~」って、私は思った。
何故ならば、もうみんなめっちゃ笑うし、笑ってくれるし、こうしてゴリとやれることで、
私は、「一人ではやれなかったことやけどやりたかったこと」をいっぱいやらせてもらえる。


ただ、ひとつだけ私がず~~~っと気にしてたことは

「こいつはやれる」と私は勝手にゴリに期待してゴリに賭けてゴリに無茶振りしたけど、ゴリ本人は
「実は(こんな芸・即興コント)やりたくないけど、りち先輩の命令やからしてくれてた」んじゃないか?って、私は思ってて。
何故ならば、ゴリはほんま、いい意味で神経が細かくて、しかも「笑いができるやつ」なので。



先日、ツレん家の飲み会のサプライズゲストで、ゴリが居た。


私は会社を辞めてしばらくして元旦那の転勤でその後数年関東で暮らしたんで、
生き別れに近い状態だったゴリとはそこで数年ぶりに会って、
昔みたいなノリでハグするのを一瞬躊躇った私は「握手用の右手」を出した。するとゴリが、

「ねえさん!」

と言って両手を広げてくれたんで、私はその胸の中に飛び込んだ。
その背後にいる(飲み会参加者の)彼氏さんの心中やいかに…?とか全く考えることもなく、
私は、ゴリの広げるその両手、その胸の中に飛び込んで、もうめっちゃ「ぎゅう~~~」っとハグした。
正直ちょっと泣きそうになったのは内緒の秘密だ。


私が、ゴリにひとつだけ言いたいことは

「おおきにえ。あんたは、うちの可愛い一番弟子や」




おまけ。


<お座敷小唄> 作詞・不明

富士の高嶺に降る雪も 京都先斗町に降る雪も
雪に変わりはないじゃなし 溶けて流れりゃ みな同じ

好きで好きで大好きで 死ぬほど好きなお方でも
妻と言う字にゃ勝てやせぬ 泣いて別れた河原町

僕がしばらく来ないとて 短気おこしてやけ酒を
飲んで身体を壊すなよ お前一人の身ではない

一目見てから好きになり ほどの良いのにほだされて
呼んでよばれている内に 忘れられない人となり

どうかしたかと肩に手を どうもしないと俯いて
目にはいっぱい泪ため 貴方しばらく来ないから

唄はさのさかどどいつか 唄の文句じゃないけれど
お金も着物もいらないわ 貴方ひとりが欲しいのよ



場末芸者のりちおおねえさんとブサイク舞妓見習いのゴリ奴ちゃんの余興(即興コント)のご依頼は
こちらの → 送信フォーム にて、お問い合わせください。

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  1. 2010/10/13(水) 02:15:19|
  2. 思い出のネタ(社会人編)

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Author:りっさん

京都に生まれ京都で育ち、          放浪の末、京都に舞い戻った女

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