どんつきを右に曲がって左のかどっこ

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なんてったってアイドル

今日はグダグダ前置き無しでいきなり本編。

高二の秋から、私はとあるお好み焼き屋で高校卒業までバイトしていた。
前出の、ヤ○ザ集会があった喫茶店のバイトをある事情で辞めてから、
そのお好み焼き屋のバイトを主軸に、
シフト入ってない日はガソスタやら何やら他のバイトも入れて。
もう働きづめに働いてましたね、あの時期は。
授業はブチっても、バイトは休まねえ!みたいな。


で、そのお好み焼き屋。

あのね~。ちょっと変わった店やったんですよ。

いや、普通のお好み焼き屋なんやけど、姉妹店がなぜか、
祇園の先斗町にあった、ボーイズ・ショー・パブ、っていう。
てか、元々水商売の世界でばっかりで商売してきた支配人が、
何を血迷ったか普通のお好み焼き屋もやっていた。
と言ったほうがいいのかもしれない。

てか、普通じゃなかったけどね。

店は、カウンターが十数席と、並列してテーブルが三卓ほどあって、
奥に畳の座敷が六卓。(四卓やったかも?)
居酒屋風お好み焼き屋の走り、みたいな感じで、
おつまみ系鉄板焼きメニューも、ドリンク類も充実してた。
つーか、元々が「夜」の人が経営してるんで、そうなるわな。

てか、「普通じゃない」のは、そんなところじゃないんですけどね。


うん、あのね。
姉妹店のショーパブで働いてた社員の兄ちゃんらが、
人事異動とかで入れ替わり立ち代わり勤務してたんですよ。

深夜の祇園で、仕事上がりのお水の姉ちゃん(=お客さん)相手に、
「ピンドン(ピンクのドンペリ)入りました~!(ニューボトルおろして頂きました~)」
とかやってる人らが、
次の週にはエプロン付けてカウンターで焼きそば焼いてたりする。


ショーパブやから、当然「ショー」もやらはるんですけど、
美しくカッコよく魅せるショーっていうより、お笑い系?
まあ、関西やからね。笑いありきになりますよ。
でも、ワンドリンクとチャージ料で笑って帰られたんでは商売あがったりなんで、
口説き口説かれご贔屓さん、を作ってボトルおろしてもらってなんぼなんで、
ショーパブ兼ホストパブ、みたいなとこあったんかな~?

つまりこの説明で何が言いたいかというと、

お好み焼き屋のカウンターで焼きそば焼いてるのが明らかに不自然な、
派手な「二のセン」の社員さんが多かった。


「いらっしゃいませ~」のイントネーションがそもそもおかしいんですよ。
もう、「夜」のそれ。 わかります?
客を怪しい世界に誘う感じなんですよ。
「今からお好み焼き食うぞ!」な感じじゃない。
店内、電気煌々とついてるのに、お好み焼き屋なのに、なんか「夜」。

社員さんも、チーフも、そして店長自体もそんなん(水上がり)やから、
うちら高校生・大学生・フリーターのバイトとかもなんかみんなつられておかしかった。




私は恋をしてました、恋を。

これを書くのは非常に恥ずかしいけど、でも書くけど、
なんちゅうの?
付き合いたいとかそんなん違って、そんなん恐れ多くて、
ただ「ずっと見ていたい!」みたいな。
そんな人が、いたんですよ。
姉妹店から、たまに助っ人に来る人で。

私の三つ上で目尻に小さいほくろがあって髪がサラサラで背が高くて
細身やけどガリガリじゃなくて背中が綺麗な逆三角形で
男っぽくてセクシイでありながらも時には母性本能もくすぐる感じで、
見た目はミスチルの桜井さんになんとな~くちょっと似た感じかな。
でも!その人のほうがずっとずっとずっとカッコイイけど!!!

私はみんなに「りっちゃん」とか「りち」とか「名字呼び捨て」で呼ばれてたけど、
その人は、その人だけは、「名字+さん付け」で私を呼んでくれていて、
みんなはその人を「あっちゃん」って呼んではったけど、
私は名字重視で「ミナミさん」って呼んでました。
呼んでました、っていうか、もう「ミナミさん」って呼ぶのも緊張するんで、
実際、「あの…」とか「えっと…」とか言うてたけど、
めっちゃめっちゃ優しい声で

「ん?どした~?(どうしたの?)」 って。


もうね、あのね、赤面。

ミナミさんが遠くからたまたまチラっとこっち向かはっただけでドキドキして、
目の前の鉄板でチーフが上げたオーダーの「砂ずり」を皿ごとひっくり返しそうになる。

ミナミさんが額の汗を腕で拭いながら「鶏モモの塩焼き」とか焼いてるのを見て、
ミナミさんの両手にしっかりと握られた、あの「コテ」になりたくなる。

ミナミさんがキュッと締まった「プリケツ」でカウンターに立ってるだけで、
なんかもうバイト上がりの11時まで頑張れる気がする、むしろ残業したい!



当時、私はミナミさんのひとつ上のSさんという人と付き合っていた。
ミナミさんの先輩である、その人と。

私は、Sさんと付き合う前から、Sさんが「ただのバイトの先輩」な時から、
Sさんにも、皆にも「ミナミさんへの憧れ」を切々と語っていたので、
Sさんもそれをよく知ってる上で付き合う流れになったので、
「ミナミさんカッコイイ~!!」
と私がどれだけのたまっても、Sさんはニコニコしてたけど、
ある飲み会(慰労会)の二次会のカラオケの時、チーフに呼ばれて言われた。

チーフ「あっちゃんがな、Sさんが最近俺に冷たい…って言うてたで~」
私  「え?なんで?Sさんとミナミさん、なんかあったんですか?」
チーフ「仲悪くはないよ。仲いいよ」
私  「…私が、ミナミさんミナミさんって言うことがダメ、ってことですか?」
チーフ「そうとも言う」
私  「でもSさん、ミナミさんネタで私のことからかったりしてるよ?」
チーフ「だからな、そこは男心を察してやって。な?」
私  「…わかりました。…わからんけど(ブーたれ顔)」


それから私はSさんの前で「ミナミさんカッコイイ~」と言うのはやめて、
心の中で「ミナミさんカッコイイ~」と叫ぶようにした。



月日は流れ。


私は、高校卒業と同時にその店のバイトを辞めて、会社に就職して社会人になって。
大学を留年して、学生のままのSさんと考え方の違いが、如実に現れるようになって、
Sさんと私は、別れた。


それからしばらくして、ハタチぐらいの頃。

高校からの男友達がバイトしてる祇園のホストパブで、
「売り上げ貢献したるわ」
って、恩着せながら安酒飲んで遊んでたら。

見るからに仕事上がりのお水の姉ちゃん(=お客さん)を連れたミナミさんが、
ひょこっといきなり、現れた。


時間が止まった。


祇園に戻らはったらしい、とは聞いてたけど、
まさかここで今、会うなんて。


「私はもうあの頃の、コドモな私じゃない!」


思いきり仕事中(アフター中)のミナミさんに、
めっちゃ酔うてるお水の姉ちゃんを巧くあしらうミナミさんに、
私は、自分から席を立って、声をかけた。

「ミナミさんですよね?…覚えてはります?えっと、私、昔…」

「覚えてるよ。(私の名字+さん)やんな?久しぶり。元気?」


あの頃と同じ、変わらない、優しいその笑顔と声に、
「私、あの頃、ミナミさんが好きでした!」 と、言えなかった。

やっぱり、言えなかった。


今でも、お好み焼きを食べるたび、
あの奇妙で不思議な店のことと、ミナミさんのことと、
それと、Sさんのことを、ちょっとだけ思い出す。
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  1. 2007/03/04(日) 02:26:19|
  2. 思い出のネタ(学生編)
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京都に生まれ京都で育ち、          放浪の末、京都に舞い戻った女

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